『チャイディーな世界』“テキーラトニック”~にトラックバック。
夏は白物ですよねdii-chaiさんっ! 凍ってますえ。ちなみにゴードンさんの回し者ではないです。
日曜の午後。開け放った窓から、誰かが吸っている煙草の匂いが流れてくる。わずかだが風が出てきたので、エアコンはとめてある。
掃除も終わった。シャワーも浴びた。日干ししている布団が白く輝いて眩しい。夕方にはふんわふわだろう。
『だから、事件についても僕についても忘れてくれたまえ。だが、そのまえに、ぼくのために〈ヴィクター〉でギムレットを飲んでほしい。それから、こんどコーヒーをわかしたら、ぼくに一杯ついで、バーボンを入れ、タバコに火をつけて、カップのそばにおいてくれたまえ。それから、すべてを忘れてもらうんだ。テリー・レノックスのすべてを。では、さよなら』
参考文献:ハヤカワ文庫『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー 訳/清水俊二
まずは今日初めての一杯。鮮烈な青みが喉を通っていく。
もう一口。
混濁した意識が階層に収まっていく。順番。大事なのは、優先順位だ。
もう一口。
買い物は夜にしよう、とパキラが言った。そうだな、もう少しこのゆっくりした時間を楽しもうか。
酒の肴は風、記憶、笑った顔。