「初夏の風」(はつなつのかぜ) 2005-05-09 | 好きな詩・短歌 版画が好きです。何年か前に、とても気に入って同じ本を2冊買いました。 どうして気に入ったかというと好きな版画家の作品があったのです。 その版画には詩が入っていました。 作者は川上澄生 その版画は「初夏の風」(はつなつのかぜ) かぜとなりたや はつなつの かぜとなりたや かのひとの まへにはだかり かのひと の うしろよりふく はつなつの はつなつの かぜとなりたや 鹿鳴館時代のような服を着て左手にパラソルを持って。 色が付いた木版画でピンクのドレスはふわりと風に膨らんで吹き上げられて。 風がさわやかなきみどり色とで表現されていました。 草はサワサワゆれてます。 薄い青い色の帽子が飛ばされないように右手で抑えています。 かのひとの まへにはだかり かのひと の うしろよりふく この2行の間に女性は斜めになって立っています。 5月の風に思い出される版画と詩です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ :川上澄生 1895生―1972没(著作権は切れていません) :「初夏の風」は昭和元年31歳の作 :文藝春秋デラックス・版画名品集・日本の叙情 1976年(昭和51年)3月発行より blogランキング