中国では、法と人脈を2刀流(二刀流)に使い分けるのが伝統的なやり方である。人脈とは自分のためにつくっておくものであり、法とは敵を叩くために行使するものだという点を忘れてはならない。:P.209-213 黄文雄「日本人が知らない中国人の本性」徳間文庫 2007年11月5日 2版
日本で二刀流といえば、文字通り2本の刀で戦った宮本武蔵〔1584?-1645〕と、野球などで投打の両方の才能を思い出します。
- プロ野球大谷翔平(1994- おおたにしょうへい 北海道日本ハム)・・・・昨年2014年には、打者本塁打10本・投手11勝4敗でした。
- ソフトボール藤田倭(1990- ふじた やまと 太陽誘電)・・・・投手と4番打者を演じています。
ところで、上記引用によると、中国人の二刀流とは
- 法律・・・・自分の利益のために敵を陥れる手段
- 人脈・・・・自分の利益だけに利用する関係
とのことです。
通常「法律」というのは、
自分も他人もトラブルから守る有力な方法の一つで、互いにギスギスしないための共通の約束事と言えますが、中国での「法律」は相手を蹴落とす為に存在する、とのこと。
中国企業が、海外からの委托を受けて生産して輸出する時には何らかの検査体制が必要ですが、労働環境や各種証明書の偽造などは日常茶飯で、不正を指摘されたときの隠れ簑にするために法律が存在、します。
自分の不正が発覚することを「相手が自分を陥れようとしている」ととらえ、その目を眩ますために、近代国家で備わっているような形式の法律が存在し、通常は法律は無視されますが、そのような経営側・中国共産党が身を守る時にだけ使われるのが「法律」です。繰り返すと、それ以外では、無法地帯です。
偽造・欺瞞が日常生活と切っても切れない関係にある中国社会を示す例がもう一つあります。
中国の工場の多くで見られる実態は、監査をすればするほど隠されるようになったのである。また、多国籍企業は、中国の工場に発注する必要性からまたは中国製品の調達方法を通じ、工場側にこのような対応を迫り、それを続けるように仕向けているのである。公正労働協会 (FLA) のオーレット・ヴァン・ヘールデン会長は、「規範を守るよりも、不正を働きたくなるような環境があるからだ」という。: P.318-319 アレクサンドラ・ハーニー「中国貧困絶望工場 日経BP社2008年12月15日第一刷
アメリカ企業が
下請けの中国企業に「監査」という制度を持ち込みましたが、残念ながら中国人の悪質さを理解していませんでしたね。
そして中国の工場側は、米企業と手を組んで、アメリカの消費者をだましてきたようです。
米企業は、このように立派な証明書(実は偽造)がある、と米国の監督官庁・株主を説得しようと、むしろ積極的に中国の工場側へ監査すり抜け方法を教えてきた、とも言えます。
これは、「アメリカ人が中国人を理解していなかった」という一面と、アメリカ企業の「金儲けできて、米消費者から訴えられなければ、何でもする」という一面を、見せつけました。
通常「人脈」というのは
相手にも自分にも利益となるようにすることで広がってゆくものですが、中国の場合、自分の金儲けに役立つかどうかだけで判断し、役に立ち利益になりそうならばどんどん広げ、そうでなければ平気で遮断するらしい。
同じ二刀流でも、まったく意味が違いますね(笑)。
さてアメリカの実態も見えてきました。
- 共和党のろくでもない隠蔽体質と軍事的凶暴さ。そして民主党の中国を利用して儲けようとする経済的陰湿さ。
- 次回(来年2016年)の大統領で、民主党の大統領になるのか、共和党の大統領になるのか、分りませんが、どっちもどっちですね(笑)。