━ 常習便秘・下痢 ━
先日、頑固な「肩凝り」・「頭痛」を訴えた女性が来院してきました。
首や肩は板のように硬く、腹診したところお腹も硬くあちこちに圧痛があり、
問診(患者さんから話を聞く)して驚いたことに、10日から2週間に一度しか
便通がないという。
このような肩凝り、頭痛を治すためには、まずは常習便秘を治す事が先決です。
そこで用いるのが便秘の特効穴【大巨 たいこ】のツボ。
便秘することで、毒素が発生して血液は濁り(おけつ-汚ない血)、
からだ全体の血の流れも悪くなって、食欲不振、足腰の冷え・痛み、のぼせ、
婦人科疾患など万病の原因となります。
便秘には、弛緩性便秘と緊張性便秘がありますが、腸の働きを整える
【大巨】のツボはどちらにも有効な大切なツボでもあります。
人差し指と中指を揃え、指先でゆっくりと痛みを感じさせない
心地良い刺激を5,6回くり返して圧します。
また、1月19日の【天枢】のツボとともに刺激するとより効果があがります。
ツボ療法・・・ へその左右2横指(指幅2本分)から下に2横指のところが
【大巨】のツボです。
━ 腸の機能を整える ━
そんなに過食したわけでもないのに、お腹だけが膨らんで下腹部が、
張っていることがありますが、腸の働きが悪いため、
お腹にガスがたまっている場合が多いのです。
いつもお腹がゴロゴロとなったり、下痢や軟便、しぶり腹、便秘に
なっていませんか?
そんなとき、【大腸兪 だいちょうゆ】ツボが有効です。
【大腸兪】のツボは、名前の通り“大腸”の機能を整え、
大腸によるさまざまな病的な不快症状をやわらげてくれます。
また、ぎっくり腰や腰から足にかけての痛みや疲れ、
背中のこわばり、蕁麻疹(じんましん)などの症状にも効果があります。
ツボ療法・・・腰の第4腰椎棘突起の下から、3横指(指幅3本分)外側へ
向かったところが【大腸兪】のツボです。
━ 下痢(感染性胃腸炎) ━
歯磨きに歯ブラシを使うことのなかった昔、当時の人たちは、
人差し指にあら塩をつけゴシゴシ磨いていました。
人差し指は、鍼灸では大腸経(だいちょうけい)という経絡(けいらく)が
流れています。毎朝あら塩で歯磨きすることで自然と大腸経も刺激され、
腸の働きが高まり、心地よく排便を迎えることができたのです。
大腸経の井穴(せいけつ=最初のツボ)である【商陽 しょうよう】は、
胃や腸の働きを整え、また下痢症状に特に効果を発揮します。
【商陽】のツボは、風邪をひいた時に発熱を伴う下痢(感染性腸炎)に
きわめて有効です。
また、歯の痛み、口渇、目の疲れ、耳鳴り、扁桃腺炎などにも
効果があります。
ツボ療法・・・【商陽】穴は、手の甲側で人さし指の親指側、
爪の付け根のところにあります。
━ 倦怠感・食欲不振・慢性肝炎 ━
極めて大切なこと、特に重要なことを「肝腎かなめ」といいますが、
心身ともに健康的な毎日を送るためには、「肝」と「腎」が
健全に働いていることが必要です。
しかし、生活が夜型になり、慢性的な寝不足や深夜の暴飲暴食、
運動不足などで肝臓が疲れきっています。
最近、疲れる、だるい(倦怠感)、イライラして怒りっぽい、食欲不振、
お腹がはる、吐き気、頭痛などの症状がある人は、肝臓からの危険信号
かもしれません。
そこで、肝臓の機能を高め、滋養強壮のツボとして、
足にある【蠡溝 れいこう】が有効です。
以前紹介した【太衝】No3【肝兪】No60を併せて【蠡溝】のツボ刺激すると
不快な症状が消えて気分が良くなり、より一層効果があがります。
ツボ療法・・・内踝(くるぶし)から5横指(指幅5本分)上方に向かった所が、
【蠡溝】のツボです。
━ 手のひらのほてり・痺れ(しびれ) ━
仕事などで疲れすぎて手のひらがほてり、眠れなくなったりしますが、
“掌中熱痛す”といって過労の証です。疲れのために内臓の機能が低下し、
体内温度が下がり、その熱が手のひらに移行したと思われます。
手のひらがほてって仕方がない、薬指から小指にかけてしびれる、
肘が痛いなどの症状に効果があるツボが【少府 しょうふ】穴(けつ)です。
少陰心経(しょういんしんけい)である【少府】のツボは、
神経疲れなどの時に現われる動悸にも有効です。
よい手相は、よい運に恵まれるように、ほてりしびれのない
よい手のひらに保つことは、健康のためへの大切な要素です。
【少府】のツボを揉み続けていると健康運がアップして、
運命も変わってくるかもしれません。
ツボ療法・・・【少府】のツボは、指を軽く握って小指が
手のひらのあたるところにあります。