図書館で二冊の本を借りた。
一冊目、村上春樹さんの「1Q84」
これは健康診断での糖負荷検査をしている間のひたすら待ってる暇な時間に
待合室に置いてあった本の中にあった本で去年も読んだが1/10読んだとこでタイムアウト。
一年後の今年も続きを読もう!と読み出したが
一年の歳月はあまりに長く、去年読んだところは全く覚えておらず
最初から読み出す始末。。
結局、こんな事を毎年、繰り返しているのもどうよ?
とスッキリさせたく図書館で本を借りて読もうと決意したのだ。
結論。
村上春樹ってスゴイ作家だったんだ、、
と気づかされた。
いや、昔、彼の作品を読んだ事はあったが、これっぽっちも面白くなく、
毎年、ノーベル賞候補と騒ぐ人の気がしれぬ。
と全く理解不能だった。
が、昔、読んだ頃から村上春樹が格段に成長?していたのか、
当時の私が村上春樹の技量を見抜けぬレベルだったのか、
そこはちょっとわからぬが、
小説を書く為に生まれきたような人だ。
こんなスゴイ文章はとても私には書けぬ。
文章には気品があり創造性溢れる表現、展開。
完璧な素晴らしい作品だった。
ただその作品の凄さは高く評価するが、
自分が好きな話か?っていうと、それは又別の話。
そして、二冊目。
JAXAのはやぶさ2のプロジェクトマネジャー津田雄一さんの書いた
「はやぶさ2最強ミッションの真実」
この本を見つけたのは、
2020年一番ステキな笑顔だったでしょう、津田雄一さん!
と私が惹かれた、あの津田さんの本が読みたくて探したのか、
書評で発見したのか、そこは忘れてしまったが、
この本は間違いなく素晴らしい!
彼の初著書との事だが、
いや科学者だよね、理系の博士だよね、津田さん。
文学?という畑違いの文章を書くという事にこんなに長けている事にかなり驚いた。
論文とかは日頃書いているようだが、硬すぎる鋭利な文章ではなく、
自然な流れの文章の紡ぎ方が実に素晴らしい、読み物に仕上がっていた。
ちょっと前にある大学教授の女性が老いを語る本を読んだ時に
あまりに酷い文章の羅列に閉口したのだ。
素人が書いた文章か?
無駄な文が多すぎるし、展開も酷く行ったり来たり。
同じ事が何度もでてくるし、
文章が稚拙で読みづらい。
多分、整理してスッキリ書けば10ページで充分終わる内容だよな、
と本一冊分の価値なんて全くない、と憮然とした。
要はおつむの良さと、いい文章が書けるかは別モノなのだ、
そう悟ったのだ。
横道に逸れたが、津田雄一さん、
文章をまず褒めたが、内容、これも素晴らしかったのだ。
感動的だった。
はやぶさ2のミッションを100点満点で何点ですか?
と聞かれた時に「1000点です」と答えた津田さんにはア然としたのだ。
科学者なのに、その全く非科学的な答えはあり得ないだろうと。
いや、本を読んで津田さんがそう語った意図はわかった。
ずっと科学的に根を詰め続けてきたので、
わざと非科学的な答えで自分を解放したかったらしい。
いや、それにしてもこれほど大変な作業の連続であったとは、
思いもしなかった。
津田さんはあの輝く笑顔をくせのなさそうな温厚な人柄で
チームをまとめてきたのね、とは思っていたけど、
想像以上の更に上を行く素晴らし〜い人であった。
プロジェクトを結成するに当たり前回はやぶさで失敗をした経験者も多く選抜した。
失敗から得るものがたくさんあるということから。
そして何百人という専門家が集まってプロジェクトを進めるが、
チーム外の専門家もああだこうだ、と自分の知見をぶつけてくるのを津田さんは楽しんでいる。
そうやっていいものが出来上がっていく過程を楽しんでいるのだ。
そうかと思えば、はやぶさ2の製作に追われている大変な時に
新人に科学は面白いと感じてもらおうと裾野を広げる活動をしていたり、
毎日、毎日、難題にぶつかり会議の連続でもネガティブな発想は微塵も出てこない。
自分が途中からエンジニアという立場から三番目のプロジェクトマネジャーに抜擢され、
後半は人手不足でプロジェクトの進行の遅れを心配されると、
現場の人間に権限を与え自分が全てを判断しなくてもいい仕組みを作ったりと、
津田さんに感じられるのは一緒に働くチームの一人一人をリスペクトしており、
信頼している。
こんないいチーム、組織ってあるのだろうか?
時にはぶつかり、JAXAという体制が大事なのか、はやぶさを飛ばす事が大事なのか?
と詰め寄られるシーンなどは、かつてのプロジェクトXを彷彿させる。
そして、津田さんの文章にはウィットに飛んでいる部分も多々あり、
何度も笑った。
ロケット組み立ての最中の種子島にサンプルを持ち帰る箱が無く
相模原に置き忘れていた事を知った津田さんのつぶやき、
「サンプルリターンのはやぶさなのにサンプルを持ち帰る箱が無いって、、、」
これには笑えた。
そして最後のあとがきの津田さんの一文にも感動した。
未来の子供たちに向けてのメッセージ。
そして、このプロジェクトは何百人も関わったミッションだったが、
その一人一人の誰もが「自分がいなければこのミッションは成功しなかったな」
そう言う。
津田さんは、そうだ、そうだ、その通りだ、
その事に、大きくうなづいている。
NASAや、ドイツ、各国の機転の利いた厚い協力も胸が熱くなる。
皆んなの思いが一つに向いて、こんな超難題なミッションを大成功に導いた。
津田さんは自分の拙い文章で、、と最後に謙遜してたが、
全く拙いどころか、素晴らしい文力だった。
いや、とにかく感動した。
この本はお金出して買っておこう。
手元に残しておきたい名著だ。
一冊目、村上春樹さんの「1Q84」
これは健康診断での糖負荷検査をしている間のひたすら待ってる暇な時間に
待合室に置いてあった本の中にあった本で去年も読んだが1/10読んだとこでタイムアウト。
一年後の今年も続きを読もう!と読み出したが
一年の歳月はあまりに長く、去年読んだところは全く覚えておらず
最初から読み出す始末。。
結局、こんな事を毎年、繰り返しているのもどうよ?
とスッキリさせたく図書館で本を借りて読もうと決意したのだ。
結論。
村上春樹ってスゴイ作家だったんだ、、
と気づかされた。
いや、昔、彼の作品を読んだ事はあったが、これっぽっちも面白くなく、
毎年、ノーベル賞候補と騒ぐ人の気がしれぬ。
と全く理解不能だった。
が、昔、読んだ頃から村上春樹が格段に成長?していたのか、
当時の私が村上春樹の技量を見抜けぬレベルだったのか、
そこはちょっとわからぬが、
小説を書く為に生まれきたような人だ。
こんなスゴイ文章はとても私には書けぬ。
文章には気品があり創造性溢れる表現、展開。
完璧な素晴らしい作品だった。
ただその作品の凄さは高く評価するが、
自分が好きな話か?っていうと、それは又別の話。
そして、二冊目。
JAXAのはやぶさ2のプロジェクトマネジャー津田雄一さんの書いた
「はやぶさ2最強ミッションの真実」
この本を見つけたのは、
2020年一番ステキな笑顔だったでしょう、津田雄一さん!
と私が惹かれた、あの津田さんの本が読みたくて探したのか、
書評で発見したのか、そこは忘れてしまったが、
この本は間違いなく素晴らしい!
彼の初著書との事だが、
いや科学者だよね、理系の博士だよね、津田さん。
文学?という畑違いの文章を書くという事にこんなに長けている事にかなり驚いた。
論文とかは日頃書いているようだが、硬すぎる鋭利な文章ではなく、
自然な流れの文章の紡ぎ方が実に素晴らしい、読み物に仕上がっていた。
ちょっと前にある大学教授の女性が老いを語る本を読んだ時に
あまりに酷い文章の羅列に閉口したのだ。
素人が書いた文章か?
無駄な文が多すぎるし、展開も酷く行ったり来たり。
同じ事が何度もでてくるし、
文章が稚拙で読みづらい。
多分、整理してスッキリ書けば10ページで充分終わる内容だよな、
と本一冊分の価値なんて全くない、と憮然とした。
要はおつむの良さと、いい文章が書けるかは別モノなのだ、
そう悟ったのだ。
横道に逸れたが、津田雄一さん、
文章をまず褒めたが、内容、これも素晴らしかったのだ。
感動的だった。
はやぶさ2のミッションを100点満点で何点ですか?
と聞かれた時に「1000点です」と答えた津田さんにはア然としたのだ。
科学者なのに、その全く非科学的な答えはあり得ないだろうと。
いや、本を読んで津田さんがそう語った意図はわかった。
ずっと科学的に根を詰め続けてきたので、
わざと非科学的な答えで自分を解放したかったらしい。
いや、それにしてもこれほど大変な作業の連続であったとは、
思いもしなかった。
津田さんはあの輝く笑顔をくせのなさそうな温厚な人柄で
チームをまとめてきたのね、とは思っていたけど、
想像以上の更に上を行く素晴らし〜い人であった。
プロジェクトを結成するに当たり前回はやぶさで失敗をした経験者も多く選抜した。
失敗から得るものがたくさんあるということから。
そして何百人という専門家が集まってプロジェクトを進めるが、
チーム外の専門家もああだこうだ、と自分の知見をぶつけてくるのを津田さんは楽しんでいる。
そうやっていいものが出来上がっていく過程を楽しんでいるのだ。
そうかと思えば、はやぶさ2の製作に追われている大変な時に
新人に科学は面白いと感じてもらおうと裾野を広げる活動をしていたり、
毎日、毎日、難題にぶつかり会議の連続でもネガティブな発想は微塵も出てこない。
自分が途中からエンジニアという立場から三番目のプロジェクトマネジャーに抜擢され、
後半は人手不足でプロジェクトの進行の遅れを心配されると、
現場の人間に権限を与え自分が全てを判断しなくてもいい仕組みを作ったりと、
津田さんに感じられるのは一緒に働くチームの一人一人をリスペクトしており、
信頼している。
こんないいチーム、組織ってあるのだろうか?
時にはぶつかり、JAXAという体制が大事なのか、はやぶさを飛ばす事が大事なのか?
と詰め寄られるシーンなどは、かつてのプロジェクトXを彷彿させる。
そして、津田さんの文章にはウィットに飛んでいる部分も多々あり、
何度も笑った。
ロケット組み立ての最中の種子島にサンプルを持ち帰る箱が無く
相模原に置き忘れていた事を知った津田さんのつぶやき、
「サンプルリターンのはやぶさなのにサンプルを持ち帰る箱が無いって、、、」
これには笑えた。
そして最後のあとがきの津田さんの一文にも感動した。
未来の子供たちに向けてのメッセージ。
そして、このプロジェクトは何百人も関わったミッションだったが、
その一人一人の誰もが「自分がいなければこのミッションは成功しなかったな」
そう言う。
津田さんは、そうだ、そうだ、その通りだ、
その事に、大きくうなづいている。
NASAや、ドイツ、各国の機転の利いた厚い協力も胸が熱くなる。
皆んなの思いが一つに向いて、こんな超難題なミッションを大成功に導いた。
津田さんは自分の拙い文章で、、と最後に謙遜してたが、
全く拙いどころか、素晴らしい文力だった。
いや、とにかく感動した。
この本はお金出して買っておこう。
手元に残しておきたい名著だ。