Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

国立歌劇場「愛の妙薬」10.1.2008

2008年01月11日 08時06分23秒 | Weblog
日本から1枚だけ年賀状がウィーンにきました。MEGUMIありがとう。

さて、今日は新年初めのレッスンでした。ウィーン歌曲の先生は褒めるタイプの先生。なので、「あなたは本当にドイツ語がうまい。それにドイツ語よりも、そのウィーンなどに関しての雑学がすごいよ。」とか、「その調子でこれからも勉強しなさい。」とか言われると、あたしゃかえって不安になる。そんな褒められるような歌はまだ歌ってないはず…その上、とてもいい先生なので、「今日は急がない?じゃぁもう一曲。」(すみません3曲しか用意してません。4曲目は見ていますが、来週にとっておきたい。でないと来週歌う曲がなくなる。)それでも4曲みてもらいました。ガンガン進むので、たいへんです。

今日はレッスンのあと、ジーベンシュテルンガッセのスティルというカフェへ行ってちょっとコーヒーとケーキを食べました。というのも、その後立ち見に並んで、夜8時半からの「愛の妙薬」を見る予定だったから。なにも8時半に始めなくてもいいと思うんだけど、事情を聞いてみて納得。今日はお昼に来週始まるワーグナーの5時間オペラ「マイスタージンガー」(マジンガーゼットじゃないですよ)の公開リハーサルがあったとさ。なので、夜の開演が少し遅めになりました。

主役のアディーナは若いソプラノで、とても伸びのあるいい声をしていました。最初圧倒的にアディーナのほうに目がいっていたのですが、後半ネモリーノ役のテノールがあの有名な「人知れぬ涙」(Una frutiva lagrima)を歌って一発逆転しました。小柄な、そう大きな声でもないテノールなんですが、ものすごくピアニッシモを生かして、感情豊かにこのアリアを歌い、お客さんを納得させてしまいました。ここで「ああ、今日行ってよかった。」と思いましたもん。

そうそう、立ち見で隣のおじさんに「ウィーンでなにやってんの?」と聞かれたから、「歌の勉強。ウィーン歌曲やってんの。」といったら見事に笑われた。まあ、私も外人さんが「河内音頭やってますねん。」と言ったら笑うと思うけど。誤解されないように「ウィーンじゃなくって、日本で広めたいの。」と言ってやっと納得してくれた。「日本人がウィーン歌曲ってへんでしょ?でもね、いい曲だから日本で歌おうと思って。」と言って初めて「ばかにして笑ったわけじゃないんだけどね、日本で広める為に、へぇ、それはいいねぇ。」とそれでもまだ半分ニヤニヤしてたなぁ。(注★ウィーン人はウィーンを愛するが故に、「他の誰のもんでもない、僕たちのウィーン」という意識が強くて、そんなのを外人がちゃんとできるわけないと思ってしまうところがあります。で、その気持ちは理解できるんですが、あからさまに出す時があるんですよね。なので毎回こういう場面では先に防衛線を張ることにしています。)

終演は11時前。ほとんど拍手をせずに、一番にクロークでコートもらって階段駆け下りている私より、家路を急ぐ、バイオリン肩にかけたウィーンフィルのおじさんの方が前を歩いていました。


指揮Alfred Eschwe
アディーナTeodora Gheorghiu
ネモリーノDmitry Korchak
ベルコーレBoaz Daniel
ドクタードゥルカマーラIn-Sung Sim





コメント (6)
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