もちろん私なんかクラシックの人間ですから、つい最近までマイケルジャクソンが誰だかもあまりよく知りませんでした。
イメージは、ムーンウォークが出来るけど、歌いながら奇声をあげる、ロックの、そうそうあのスリラーのおばけの曲を歌っている人で、We are the worldの人よね、ってくらいしか知らなかった。おまけをつけると、赤ちゃんをみんなに見せようとして、窓の外でブラブラいてしまい、誤解を招いたことがあった。それくらいの超初心者で部外者。
でも、今回のことで、お昼のワイドショーなどをみて、「本当はどんな人だったんだろう?」という興味がとても湧いてきたので、今日たまたま休みで、そしてイオンは1,000円で見れるということから、行って来ました。
最初から最後までほぼずっと泣いてしまいました。でもたぶん他のマイケルファンとは全然違う理由でだと思います。これ本番なら完成された舞台だったと思うので私は感動しなかったと思います。でもリハーサル風景の中で、毎回違う動き、違う歌い方、違うことをしながらより良いものを模索している姿はとてもよかったし、反面、音声さんや照明さん、ダンサーや他の演奏家のために、自分からたくさんはたらきかけている。その神経の使い方に、まずすごく感心しました。
あれ、すごく疲れるんですよ。全く違うレベルですけど、自分も歌う、でもまわりが何をしていて、何ができていて、何ができていなくて、何をしたがっていて、どうしたらその良さが出て・・・そういうのって疲れるんです。でも彼の顔はそれをしている顔でした。そして耳が音楽をちゃんと聴いていました。(確信してます!)それをあんなに精力的にして、そして若いダンサーや音楽家のよさをリハーサルの舞台上ですこしでもたくさん引き出そうと努力している場面は本当に涙が止まりませんでした。
地球環境を守りたいというメッセージや、人を愛すると言うメッセージはもちろんすごいと思いました。彼の素直な人間性もよくわかりました。でも俺についてこい王様ロッカーや、自分だけ気分良く歌っている自己中ミュージシャンではなく、ロックという音楽分野(ごめん、めっちゃ雑な世界だと思っていました)なのに、ものすごく細かい部分、繊細な部分を明確にして、演奏しようとしていたということに脱帽です。すごい人でした。
2週間だけの上映で、おそらくその後DVDになり、販売されるのでしょうが、よかったら観にいってください。ダンスをみたり、舞台の仕掛けをみるだけでも面白いですよ。
本当に久々に、やられました。あなたがクラシックファンであれ、ロックファンであれ、マイケルジャクソンのファンなら言うまでもなく、もし私よりさらに知らなくても、ぜひお勧めします。