Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

国立歌劇場「セビリアの理髪師」4.1.2008

2008年01月05日 08時18分48秒 | Weblog
本気で寒い冬がやってきました。(と、前にも書いたような気がします。)昼マイナス3度。その上ちょっと風が吹くと、体感温度はマイナス5度くらいだと思います。穴あきの帽子はなんの役にも立ちません。妹からかっぱらってきたロングコートとかろうじて入っているブーツは、かなりお役立ちです。

さて、今日はモンセと一緒に、午前中に近所のシューベルトの家と、教会を見て、郵便局に行き、その後は一人でベルベデーレ宮殿に行ってもらいました。私はその間練習してました。(今ちょっとつかめそうな感じなので、練習が楽しいです)夜は二人でオペラに行ったのですが、これがなかなかよかったです。

セビリアの理髪師は何度も見ているのですが、どうもイタリア語がわからないので笑えなかったんですけど、今日は立ち見の対訳を読みながらオペラを見たら、これが意外と面白い。細かなジョークまでわかって笑えました。ロッシーニこんなに面白かったのは以外です。それとも役者がよかったか?

指揮もルイジで切れがよく、テンポ感のある演奏になりました。歌手の中では、テノールのアルマビーヴァ伯爵が、ものすごいテクニックでオペラ最後のアリアはブラボーがたくさん飛んでいました。

ブラボーといえば、今日は私の真後ろの国籍不明の男性が、すごい汚い声で「ブラボー」と叫ぶ。その声が耳に刺さるのでいやだなぁと思っていたのですが、とうとう途中で切れました。後ろを向いて拍手の中、大声で「耳が痛い!」とドイツ語で3回くらい叫んでました。彼はゼスチャーでブラボーだからと言い訳したので、私は「だったら上向いて言え、私の方をむくな!」と、同じくゼスチャーで返していました。あまりの剣幕だったらしく、モンセが途中で場所をかわってくれました。私としては外国人にははっきり物を言わねばと思って言ったのですが、もしかして今流行りの切れやすい高年齢の一人かもしれません。

オペラの後は、もう行くことはないだろうと思っていたホテルザッハーへ行ってしまいました。私はアップルトルテとココアを頼みましたが、アップルトルテは以外に美味しかったです。さすがザッハー。

そして今日は、気合を入れて二人でおしゃれして、話し言葉もかなり丁寧に、正しいドイツ語で、きめました!(でも、この前と同じ席だった)「グリュースゴット」ではなく「グーテンアーベント」とドイツ語学校の先生みたいな発音で行きましたとも!「お勘定」ではなく「お支払いしたいんですけど」って小さな声で、鼻にかけて背筋伸ばしてしゃべりましたとも。

というのも、このホテル、人をみて席をきめるし、人を見て態度が変わる嫌なホテルだと思っているので、行く時はかなり気を使います。「私はこのホテルで丁寧に扱っていただいてよい客です。」と気張っていかないとかなりしんどい。今日も子連れのスニーカーはすみっこの他の人から見えない席だった。(そんなのどうでもいいじゃん!という人は反対に楽です)おかげさまで対応もすばやかったし、お帰りの際はドアもあけてもらいました。(コーヒーとケーキで10ユーロする上に、クロークに1ユーロ出しているんだから、それくらいしてもらわないと割りにあいません。)

そのうち、いつの時代からか出来てしまった「カフェ」の扉ではなく「ホテルレストラン」の扉から出入りしてみたいものです。

明日は早起きして空港まで見送りに行って来ます。

指揮Fabio Luisi
アルマビーヴァAntonino Siragusa
バルトロWolfgang Bankl
ロジーナ Michaela Selinger
フィガロRoberto De Candia
バジリオWalter Fink
コメント (1)
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