私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

戦後の思想

2015-08-23 14:59:12 | 日記

August 23, 2015

日曜日、朝日新聞の「読書」欄をみる。最初の「ニュースの本棚」で、社会学者の大澤真幸氏が書いている記事を読み、鶴見俊輔氏の訃報に接したときに私が感じたもやもやしたものが活字になって解説されているように思えて、興味深かった。大澤氏は戦後の思想家として、丸山真男、吉本隆明、鶴見俊輔、石牟礼道子、1970年以降としては、廣松渉、真木悠介らをあげて、戦後70年の思想を回顧し、今日の社会の現状を考える時、「敗戦の傷を、蓄積してきた思想の力で乗り越えられないとしたら、日本の70年間はなんだったのか」と問うている。私は自分の家の小さな窓から外を覗いて、安保法案や原発再起動など、最近の右傾化する政治の動向に、あれこれと心を悩ますだけであるが、大澤氏の問いは、戦後のさまざまな平和運動に携わってきた人々が感じるところではないだろうか。

いろいろとややこしいことを考える能力もエネルギーも無くなりつつあるが、大澤氏が、この文で取り上げている吉本隆明『高村光太郎』(講談社文芸文庫)を、図書館に予約して、久しぶりに読んでみよう。今日は午前中、先月から服用しはじめた目のサプリメント「ロートV5」を買いに、駅前のいつも利用している薬局に出かけた。2日ほど飲まなかったら、気のせいか目の調子がよくない。ついでに有隣堂に立ち寄ると、田中徹二『不可能を可能に』(岩波新書)が目についたので、買った。帯に「この本はパソコンの6つのキーで書きました。10代末で光を失い、その後、日本点字図書館へ たくさんの人とともに、日々あたらしいことに挑戦!」とある。私も点訳で毎日使っている「パソコンノ6つのキー」、あらためて、視覚障害者の方々にとってのパソコンの恩恵を考えた。私が今携わっている『英和辞典』の点訳、集中力が切れたりしてなかなか進まないが、この辞典の完成を待ち望んでいる人々のためにも、晴眼者の私としては、少々の目の不自由を訴えてはいられないという気持になった。明日から集中してパソコンに向かおう。また、本書を早く読みたい。
 
画像は、買ってきたばかりの本。夏は花の写真が少ないので。
 

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