私の日常

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映画『「ひろしま』

2014-08-15 14:42:39 | 日記
August 15, 2014

今日は敗戦の日、近くの映画館『アルテリア・シネマ』で、『ひろしま』という映画を見てきた。照りつける日差しの中、映画館まで歩きながら、あの日もこのような暑い日だったことを思い出した。まず映画について、パンフから紹介する。
「広島で被爆し亡くなった少女らの遺品、ワンピースや靴や人形の写真・・・。写真家・石内都が撮影し続けた作品群だ。その展覧会がカナダ・バンクーバーにあるMOA(人類学博物館)で開かれ反響を読んだ。展覧会の準備、各国から訪れた観客の反応を1年以上追ったドキュメンタリー作品である。」

80分の短いドキュメンタリーであるが、ずしんと心に響く映画だった。映像の中で、石内氏も語っているが、写された品々は写真家の手を離れ、それを見つめる人々それぞれの胸の中に刻まれ、新しい物語を作っていく。たとえばある少女があの日に着ていたワンピースは、その日までの少女の人生を垣間見せてくれる。あの日に閉ざされてしまった人生は悲しいが、それまでの少女の豊かな人生は、残されたワンピースが物語っている。爆心地から家までの遠い道のりを足を引きずって我が家までたどり着き、そこで事切れた少年の姿、ここにもあの日までの少年の歩みを、ボロボロになった靴が語ってくれている。

広島の資料館に大切に保管されている数々の遺品が、写真家・石内氏の手でよみがえり、人々の心にさまざまな思いを抱かせるまでの経緯なども、映画の中で語られている。敗戦の日の今日、これほど強いインパクトを人々に与える映像はないのではないか。敗戦から69年、あの戦争を体験した人々が次第に亡くなり忘れ去られていくという危惧が、最近よく言われているが、この映画を日本の小・中・高校生たちの教室でぜひ見てもらいたいと思った。あの戦争を、あの悲劇を語りつないでいく方法はたくさんあると思うのだが、残念ながら今の日本はそういう国ではない。

画像は、映画のパンフから。

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