私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

連休の中で

2017-05-03 09:22:43 | 日記

May 3, 2017

5月2日(火)
アルテリアシネマで、映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観た。名匠ケン・ローチ監督デビュー50年の作品で、カンヌ国際映画祭パルムドール賞ほか多くの賞を受賞している。パンフから大まかな筋を引用しよう。「心臓発作を起こし、医師から仕事を止められている59歳のダニエルは、福祉事務所で就労可能と判断されてしまう。行政の不条理なシステムに翻弄される彼は、同じ境遇のシングルマザーと知り合う・・・」とある。必要な書類を出そうと思うとパソコンやスマホといったダニエルには縁のなかった機器を使っての提出を求められたり、行政の融通のきかない制度に悩まされる。私はダニエルよりは20歳近く上の年齢であり女性であるが、等身大で映画の中で繰り広げられる出来事に共感できた。私が日々感じていることは、高齢者という弱者に対する差別である。これからの日本、ますます高齢化社会になっていく。その時財源のないこの国の行く末は、官僚による巧妙な形での弱者排斥に進むのではないか、映画を観ていてそんな気持ちにさせられた。

アルテリアシネマには、1階降りるだけのエレベータがあり、ほとんどの人は利用しないが、私は必ず使わせてもらう。たまたま帰りのエレベータでご一緒した同年齢の女性が、「いい映画でしたね」と声をかけてくださった。駅までの短い道のりの中で、同じような感想を語れたことがうれしかった。

 5月3日(水)
友人と、住まいのある川崎市立の「日本民家園」に出かけ、ゆっくりと園内を散策した。連休は毎年家で世間のにぎわいのニュースを観るだけだが、今年は誘っていただきありがたかった。ランチも友人がおにぎりを用意して下さった。帰宅後スマホを失くしたことに気付いたが、何とか見つかり、私の連休の1日は無事に終わった。楽しい1日だった。スマホの件でお騒がせし、ご心配をおかけした方にお詫びします。

日本民家園は、小田急線の向ケ丘遊園から徒歩10分余のところの、生田緑地の中にある。川崎市在住で60歳以上だと500円の入場料が無料になるのもうれしい。日本のあちこちにある古民家をこの場所に移築し、文化財の保存と展示を行っている。昭和42年に開園し、今年は50周年の年だ。開園のきっかけとなった旧伊藤家は、昭和35年学者たちの調査により,神奈川県内最古の住宅の部類に属し、保存もよい県内有数の民家であると評価を受け、この地に移築復元がなされたのだという。その後、次々に移築される民家のほかに、農家の人が伝統的に作ってきたわら細工や竹細工などの手仕事の状態を来園者に観てもらう実演会などもある。現在展示されている文化財建造物は、国指定重要文化財7件、神奈川県指定重要文化財10件などがあり、文化財としての価値を伝えている。

昭和40年代まで人々が住んでいたという古民家を前にすると、私はずっと都会の中で暮らしてきたのだと実感するが、思いを巡らすと、転勤家族だったわが家が、大きな地主の家の蔵を借りて住んでいたこともあったという記憶がよみがえったりもした。遠い昔のようで、すぐ近くにあった現実でもある。

画像は、民家園の案内パンフから。

 


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