私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

読書会

2016-02-23 17:34:26 | 日記

February 22, 2016

少しずつ春が近づいてきている。若い頃に体験したあの肌が切れるような寒さはどこにいったのだろう。今日も天気予報の割には暖かく、まずまずの1日だった。私の歯の治療のこともあったりして、予定していた2月初めの読書会がだいぶ遅れてしまった。本は、浅田次郎『姫椿』、『月のしずく』(文春文庫)、2冊とも短編集だ。この作家の作品は今まで1度も読んだことがなかった。読者も多い作家なので、こういった機会に作品に触れられたのはよかった。ストーリー・テラーとしての才能は分ったが、この二つの短篇集に限って言うならば、どの作品も人情話で落ちが来るのにはまいってしまった。しかし、考えを変えてみると、読者層という言葉があるとおり、この作家の作品を好む読者層もいて当然である。ただ私が小説に求める、すでにある人間社会の空気を突き破るような何かが寸分も感じられなかったのが残念だった。

次回のレポーターは私だ。心が傾いていたキルケゴール『死に至る病』は、1974年に始まったこの読書会の長い歴史の中で、1976年の第12回で取り上げられていた。メンバーのひとりの方が、第1回から、読書会の開催日、取り上げた本、レポーターの名前を記録しパソコンで打ってデータとして残してくださっていたものが、こういったときにすぐに役立った。これだけ長い年月の記録は、本当に貴重なものだ。さまざまなジャンルの本の長い年月にわたる記録に目を通していると、駆け抜けていった過去が、何か厚みを持って感じられる。私たちは当然のことながら年齢を重ねて、すでに老境に入った身ではあるが、健康に気をつけてこれからも読み続け、語りあい続けていきたい。もちろん同じ作品を何回取り上げてもいいのだが、今回はもうひとつ候補に考えていた、石川明人『キリスト教と戦争』(中公新書)にした。朝日新聞の読書欄で、「愛と平和を口にすることで暴力を正当化するのは宗教のみならず人間の普遍的なこと、という視点から戦争論に新たな切り口を開く。」(朝日新聞、2016年2月14日)と紹介されていた。しっかり読んで、良いレポートができるようにしたい。

画像は、友人のメールから、「冬牡丹」(鎌倉鶴岡八幡宮の牡丹園)。