私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

初めて読む作家の本

2016-02-16 11:01:16 | 日記

February 16, 2016

三寒四温、と優しく言葉に出せないような天気の移り変わりの激しさに、なかなかついていけない。湯たんぽを入れたベッドにもぐりこみ、いつ眠ってもいいような状態で、米澤穂信『王とサーカス』を読む。初めて読む作家だ。多分若い人が好んで読んでいる作家だろう。何回も新聞に取り上げられていたので読んでみた。

ネパールの王室で皇太子が国王を含む親族を多数射殺した実際に起こった事件を背景に、同時に起こる殺人事件が謎となって物語が展開する。たまたま雑誌の取材のためにこの地を訪れていて、二つの事件の取材をすることになったフリーの記者である主人公・大刀洗万智への、異国の事件を傍観者のように伝えるといった現地人の批判は、メディアを通して世界中から送られてくる事件を毎日消費している身には、なかなか辛辣な言葉と響いた。本書は、2015年の日本のミステ界で評判になった作品だという。日本のミステリはあまり読まないので、かえって新鮮に感じたこともあるが、単なるなぞ解きではない点が面白いと思った。いくつか他の作品も読んでみよう。

活字は好きだ。ちょっとした広告のチラシでも、 どういうわけかじっと読んでしまう。そんなわけで、私にとって本を読む楽しみがなかったら、日々の生活は味気ないものだろう。読書会を通してもずいぶん多様な本に触れてきたと思うが、今こうして読んだことがない作家の本を読む機会があると、ディレッタントの読書も捨てたものではないと思う。ただ、図書館が頼りなので、財政難か、最近新刊書がなかなか買ってもらえず残念だ。司修『O e 60年代の青春』(白水社)も、予約を入れてみたが該当する本がないとのことだった。題名の入れ方が間違っているのかもしれないので、直接図書館に出かけて尋ねてみるつもりだが、高価な本なので、図書館に入れてもらいたい。

画像は、妹のメールから、「水仙」。近くの牧場で撮ったとのこと。