私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

ボッティチェリ展へ

2016-01-22 08:22:10 | 日記

January 26, 2016

1月21日(木)
1ヵ月に1度の点訳の例会のために、練馬まで出かける。数日前に降ってまだ堆積したまま残っている 雪から溶けた水が凍っていて、足元が危なっかしい。例会では、それぞれが抱えている問題点を出し合って検討する。日常生活の中にない雰囲気が楽しいが、考えてみると点訳は孤独な作業だ。疑問点にぶつかり手元にある資料を調べているとすぐに2,3時間が過ぎていく。それでも分らない時は適当に処理して先へ進み、今日のような勉強会の時に解決する。点訳にかかわる作業の何かが好きでなければ出来ないことかもしれない。

1月26日(火)
東京都美術館で開催されている「ボッティチェリ展」を、友人と観てきた。最近本物の絵を見る機会が少なくなった。入場料や交通費のことを考えると、若い頃のように気軽にというわけにはいかない。今回は都美術館だったのでシニア料金で見ることができた。

イタリアルネッサン期、大富豪メディチ家に手厚く庇護されて、芸術が花開いた。今回の展覧会には、ボッテイチェリと、その師であるフィリッポ・リッピの作品が中心をなしている。題材は聖書に基づいたものがほとんどだが、マリアが抱くキリストの目が、それぞれ違って描かれているのが印象に残った。私は、ボッティチェリの「聖母子(書物の聖母)」に強く惹かれた。あとで、この作品は当展覧会の図録の表紙になっいて、聖母子像の中でも最高傑作のひとつだということがわかった。生涯に生み出された多くの傑作は、20歳半ばで画家が構えた工房で多くの弟子たちに支えられて描かれたものだという。師であるボテイチエリの天分が、作品を傑作へと導いたのだろうか。絵の解説の中に、高校の世界史の教科書に出てきた文学者や哲学者の名前が次々と登場していて、すっかり忘れていた遠い昔のかすかな記憶をたどったりしながら、懐かしい気持にもなった。また、この頃のイタリアの繁栄ぶりを絵を通して実感することができた。 1492年、メディチ家の当主の死とともに華やかな時代は衰退に向かい、ボッティチェリも、最後は借金まみれで死んだとかいったことが解説されていた。それにしても板にテンペラで描いた作品が、何世紀も経た今美しいままに観賞できることに驚いている。 

画像は、1枚だけ買った絵葉書「聖母子(書物の聖母)」をデジカメで撮ったもの。雰囲気だけでも・・・。