私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

朝から活字

2016-01-19 14:40:24 | 日記

January 19, 2016

昨日は珍しく雪が降り積もった。こんな時は家にいるに限る。なんとなく目が重いので、点訳や校正はやめて読書をして過ごすことにした。集中力がないのでいつも2,3冊の本を同時進行で読んでいるため、小説以外はなかなか進まない。『村上春樹は、むずかしい』もそんな一冊だ。 本書では、当然村上氏の処女作『風の歌を聴け』が取り上げられている。このブログでも何回も書いていることだが、私はこの本を初めて読んだときとても心を動かされた。ところが本の内容については全く覚えていない。他の本についても言えることだが、残念ながらまたも年齢のせいだと言うしかない。

で、まず本書を再読することにした。これはすぐに読み終えた。この文庫本の最後に一九七九年五月とあるので、多分私が最初にこの本を手にしたのはその頃だろう。私が40歳になったばかりのころだ。病院の眼科の待合室で、いつ名前が呼ばれるのか分らないような時間に、夢中で読んだことを記憶している。何のために眼科に行っていたのかは思い出せないが、村上春樹の名前は印象に残り、その後刊行された本はいくつか読んでいる。そして今、『風の歌を聴け』を再読してみて、あのときの気持を取り戻しことは出来ない。ただ何となく過ぎていく日常の時間の中で若者がとらえる金持ちと貧者の意識の問題、学生運動や中流意識への冷めた目などは、 今の若者にも共通するものではないかと思う。『村上春樹は、むずかしい』は、またあとで読み進めよう。

今日は、さらに朝日新聞夕刊の連載小説『うめ婆行状記』をまとめて読む。夕刊の小説は何かしっくりこないので読まないことにしていたが、妹が面白いと言っていたので、過去の分も切り抜いて一から五までまとめて読んだ。作者の宇佐美真理さんは連載が始まる前に亡くなられて、遺作になった作品とか。挿絵も楽しく、次の回が待たれる。今日はどんな物語の進行があるのだろうか。

夕食後は、次回の読書会の本、浅田次郎『姫椿』、『月のしずく』(文春文庫)のうちの、『月のしずく』を読み始めよう。市井の人々を題材にした短編集なので、読みはじめれば集中できそうだ。『姫椿』の方はすでに読み終えている。今まで読んだことがない作家だが、愛読する人が多いと聞いている。
 
画像は、先日友人宅にお邪魔した折、駅からお宅までの道筋の花屋さんで見かけて持参したもの。肥料を与えたら次々と花が咲きましたと、メールで送ってくださった。サクラソウ科の「プリムラ・ポリアンサ」、いろいろな色があるが、どれも人をはっとさせるような鮮やかな色で、毎年一鉢は求める。ワンコイン以下で買える安い花だが、どことなく品がある。