私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

八王子へ

2014-06-19 14:43:56 | 日記
June 18, 2014

八王子に住む友人宅にお邪魔させていただいた。いつも読書会の時にわが家に着てくださる方なのに、私が伺うとなると小旅行になる。たまに出かける場所は遠方に感じるのだろう。JR八王子駅からバスで20分程乗るだけだが、高尾山がある丹沢山系に向かっているので、窓外の景色は緑が濃くなる。浅川橋を渡るときは、まだ車を運転できていた頃に、この橋を渡って友人宅で彼女を乗せて桧原村にドライブした頃のことが、記憶の中から昨日のことにようによみがえる。沢山ご馳走になり、沢山おしゃべりをして、帰宅したのは6時近かった。心置きなく話せる友人は大切な宝だと思いながら、同じ歳なので、同じように年を取っていくのが淋しい。

少し時間が戻るが、今朝のNHKラジオの深夜便の時間に、大好きな詩人で作家の小池昌代さんが、「名作の読み方」というテーマで、樋口一葉の『にごりえ』について、朗読を交えて語っていた。小池さんは、『にごりえ』の中の貧しい長屋の情景を、作者の一葉と読者と作品の登場人物が共有する…ここに小説の読み方がある、といったことを話されていた(半分眠りながら聞いているので、間違っているかもしれないが)。これは当然のことではあるが、私は改めてなるほどと思った。先日『火山のふもとで』という長編小説を読んだ。作品の出来としては申し分ないのであろうが、私には物足りなく思えた。作品に語られている話が共有できないのだ。それなのに、明治時代に書かれた樋口一葉の作品の、しかもほんの数行の文章が、心に残った。今回再開した読書会で、私は樋口一葉の作品を取り上げてみたいと思っている。

画像は、妹のメールから、「けし」。イタリア旅行の途中で撮ったという。日本にはないような色の花だ。