クリスマス劇場【２】

シーン２〔町〕
　　　　　　子どもＡＢＣが連れ立って、町を歩いている。
　　　　　　『ジングルベル』を歌っている。
　　　　　　後ろから「お金持ち」が出てきた。

お金持ち　『きみたち、きみたち。歌が上手だね。どうかな、その「ジングルベル」の歌と、
　　　　　　きみたちの一番欲しいものとを、取り替えっこしてくれないかい。』
　　　　　　
こどもＡＢＣ顔を見合わせてから、お金持ちを見詰め。

こどもＡ　『一番欲しいものって？』

お金持ち　『何でもいいんだよ。さァ言ってごらん』

こどもＢ　『ぼくは、ファミコンのカセットが欲しいんだ、サンタクロース伝説がいいな！』

こどもＣ　『わたしは、サリーちゃんの魔法のほうき！』

こどもＡ　『ぼくは、ＳＤガンダム！』

お金持ち　『いいともいいとも、君にはファミコンカセット、君には、サリーちゃんのほうき
　　　　　そして、君には、ＳＤガンダムだね。』
　　　　　
お金持ち、トランクを開けて、次々とおもちゃを出して渡す。
　　　　　トランクから出てきたので、ほうきはミニサイズ。
　　　　　こどもＣ、ちっちゃなほうきに不満げに、

こどもＣ　『わたしの欲しかったのは、こんなちっちゃなほうきじゃないわ、もっと大きなほおうきよ。』

お金持ち　『そうともそうとも、ちょっと貸してごらん。』

　　　　　　お金持ち、ちょっと呪文を唱え、ほうきを物影にほおる。
　　　　　　物影に手を入れて大きなほうきを取り出す。

お金持ち　『ほおら、これが君の魔法のほうきだよ』

こどもＣ　『わあ、ありがとう。』

お金持ち　『じゃあ、これでジングルの歌はわたしのものだよ。』

こどもＡ　『いいよ！おじさんにあげるよ！』

こどもたち、楽しそうに遊びながら退場。

お金持ち、退場

ナレーター『こうして、お金持ちは、『ジングルベル』を一人占めしてしまいました。
　　　　　　そして、『きよしこの夜』も『あわてんぼうのサンタクロース』も、『赤鼻のトナカイ』も、
　　　　　　みんなみんな自分だけのものにしてしまったのです。
　　　　　　おかげで、クリスマスでにぎわう町から、
　　　　　　クリスマス・ソングが、消えてしまったのです。』

クリスマス劇場【３】

シーン３〔サンタの町〕

　　　　ＢＧ｛夏のキャンプソング｝

ナレーター『クリスマス・ソングが消えてしまったのは、この町だけでは、ありませんでした。
　　　　日本中、いいえ世界中から消えてしまったのです。
　　　　もちろん、クリスマス・プレゼントの準備で忙しいサンタクロースの国からも、消えてしまったのです。』

サンタ登場

サンタ　　『こまった、困った！この忙しい時に、大切なクリスマスのレコードが無くなってしまうなんて。
　　　　　　こんな季節外れのレコードじゃ、仕事ができやしない。
　　　　　　もうすぐクリスマスだというのに。クリスマスといえば、
　　　　　　良い子たちは、みんなわしのクリスマス・プレゼントを待っているんだ。
　　　　　　今、一生懸命に子どもたちのプレゼントを作っているところなんだ。
　　　　　　なのに、こんな音楽じゃ仕事が進まない。だれか、誰かいないのか』

トナカイ１『サンタさん。大変です。大切なクリスマス・ソングが、無くなったのは、
　　　　　　サンタの国だけじゃないようです。』

トナカイ２『日本でもアメリカでも小門(おかど)町でも、
　　　　　　世界中からクリスマス・ソングが無くなってしまったようです。』

サンタ　　『今日は何日じゃ！』

トナカイ３『22日です』

サンタ　　『それじゃ、もうクリスマスまで３日しかないじゃないか！
　　　　　　まだ、桑都保育園の良い子たちのプレゼントができていないというのに！
　　　　　　どうしてじゃ。どうして、こうなってしまったのじゃ。
　　　　　　誰か、教えてくれないか？』

サンタ、園児たちに聞く

サンタ　　『なになに、そんなわけか。…トナカイやどうしたもんだろうか？』

トナカイ１『誰か、正義の味方にお願いしましょう。』

トナカイ２『正義の味方って、だれがいいかしら』

トナカイ３『バットマンなんてどうかしら？』

トナカイ１『ちょっと怖くない。』

トナカイ２『ウルトラマンは？』

トナカイ３『怪獣が相手じゃないわよ。』

トナカイ１『アンパンマンは……』

トナカイ２『クリスマスなんだから、いっそケーキマンなんか…』

サンタ　　『どうも、力強い、正義の味方がいないなァ。そうだ、あの人に頼もう！あの人しかいない！』

ナレーター『サンタさんは、強い正義の味方を思い付いたようです。
　　　　　　さァいったい誰にお願いしたんでしょう』

クリスマス劇場【４】

シーン４〔お金持ちの家〕
　　　　　　ここだけクリスマス・ソングの鳴り響いているお金持ちの家。
　　　　　　お金持ちが、うれしそうにそれを聞いている。
　　　　　　しかし、今一つ浮かない顔をしている。

お金持ち　『「きよしこの夜」も「ジングルベル」も「あわてんぼうのサンタクロース」も、
　　　　　　全てのクリスマス・ソングを一人占めしたぞ！
　　　　　　わたしの外には、この歌を聞いたり歌ったりすることはできなんんだ！
　　　　　　良かった良かった！でも、なんかつまらないンだよなア』

　　　　　　こどもＡＢＣ登場。

こどもＢ　『ねー、かえしておくれよ。ジングルベルをかえしておくれ。
　　　　　　このファミコンカセットかえすからさ。』

こどもＡ　『ぼくも、ガンダムいらない。』

こどもＣ　『わたしも、魔法のほうき返すわ！』

お金持ち　『な、なんだ！勝手にひとの家に入ってきて。
　　　　　　だめだ、だめだ。もう、この歌はわたしのものだ。さあさあ帰った帰った。』

こどもＡ　『かえしてよー。クリスマスの歌がなくちゃー、クリスマスがやって来ないよー。
　　　　　　ケーキも食べられないし、プレゼントも貰えないんだ。』

お金持ち　『そんなことは知ったことか！
　　　　　　プレゼントなら、わたしがこの歌のかわりに、きみたちにあげたじゃないか。』

こどもＣ　『だから、返すって言ってるじゃないの。』

お金持ち　『いくら言ってもだめだね。さあさあ帰った帰った』

ポワトリン『おまちなさい！』

　　　　　　ポワトリン登場

ポワトリン『愛ある限り闘いましょう！ 命燃え尽きるまで！』
お金持ち　『だれだ！』

ポワトリン『美少女仮面ポワトリン！』

お金持ち　『ポワトリン？』

ポワトリン『歌は皆で楽しむもの。
　　　　　　いくら歌が好きだと言っても、一人占めして良いものではありません。
　　　　　　あなたは、クリスマスの嫌いな悪魔の手先となり、いたいけな子どもたちをだまし、
　　　　　　プレゼントと交換に、クリスマス・ソングを一人占めしてしまいました。』

お金持ち　『どうして、そんなことを知っているのだ！』

ポワトリン『ご説明いたしましょう。
　　　　　　あなたの悪事を見ていた、ここにいる大勢の園児たちが、
　　　　　　クリスマス・ソングがなくなって困っているサンタクロースさんに教えてくれたのです。
　　　　　　わたしは、そのサンタさんに教えていただきました。
　　　　　　たとえ、歌で、夢と愛を子どもたちに伝えようとしている
　　　　　　音楽大好き人間、
　　　　　　桑都保育園園長石井　光先生が　許しても、この美少女仮面ポワトリンが許しません。
　　　　　　その、魔法のかばんを開けて、歌をみんなに返すのです。』

お金持ち　『とんでもない！とられてたまるか！』

　　　　　　お金持ち、ポワトリン、こどもＡＢＣ、かばんを取り合う。
　　　　　　突き飛ばされたポワトリン、ポケットより新兵器。

ポワトリン『ポワトリン・写るんデス・フラッシュ！』

お金持ち　『ワーッ！』

　　　　　　かばんがころげ、口が開いてしまう。
　　　　　　とたんに、クリスマス・ソングの奔流。

お金持ち　『わ、わたしの歌が！』


ポワトリン『あきらめなさいませ。
　　　　　　歌は、人の心と心をつなぐもの、人々の中にあってこそ素晴らしいものなのです。
　　　　　　一人占めしても、歌は輝きを失い、ただの言葉の羅列になってしまうでしょう。』

　　　　　　サンタ、トナカイ１，２，３登場。

サンタ　　『そうだとも。ポワトリンの言う通りじゃ。
　　　　　　歌は、人の心によって命を吹き込まれる。
　　　　　　多くの人に歌われれば歌われるほど光り輝く命なのじゃよ。
　　　　　　クリスマスの歌は、世界中の多くの人達に歌い継がれてきた、大きな光じゃ。
　　　　　　一人占めなど、とんでもないことじゃ。』

お金持ち　『わかりました。わたしが間違っていました。
　　　　　　せっかく歌を一人占めしたのに、なぜか楽しくなかった。
　　　　　　サンタさんや、ポワトリンさんのおっしゃるとりです。
　　　　　　歌は、やっぱりみんなのものなんですね。』

トナカイ１『やったー。クリスマス・ソングが返ってきたぞ！』

トナカイ２『じゃー、みんなで歌おうよ！』

トナカイ３『そうだそうだ！「赤鼻のトナカイ」を歌おう！』

お金持ち　『よし！みんなで歌おう！

　　　　　　「赤鼻のトナカイ」合唱

ポワトリン『みんなよかったね。楽しいクリスマスを迎えてくださいませ！
　　　　　　ごきげんよう！』

全員で　　『ごきげんよう！』

ナレーター『どうでしたか。
　　　　　　みなさんも、お友達となかよく
　　　　　　そして楽しく歌を歌ってくださいね。
　　　　　　これで
　　　　　　お父さんお母さんたちの劇
　　　　　　「ジングルベルをかえして」を終わります。

【１３９】 アバター

本日ロードショーの新作を見に行ってきました。

ＴＶのＣＭでかなり期待していきました。

ダメダコリャ！　という感想。

あれは、ただの反戦映画です。アメリカがイラン・アフガンその他で行っていることの反対証明といったところ。

画面はきれいです、ＣＧの進化もたいしたものです。

ただ、「意志を共有した世界の樹」というすばらしいアイデアを提示しながら

せっかくの宝石に手をつけず、「ＳＦランボー」にしてしまった。

監督にＳＦの力がないんでは…

脚本が悪いのか…

プロデューサーか？

３Ｄ用なんだろうが、なぜあの「パンドラ」という星の島が浮かんでるんだ！

期待の大きさだけ落胆が大きい。

はんたいに「ヤマト」をみれば期待のないぶんよくみえるのだろうか？

【１38】坊ちゃん 坂本九

市民映画館で今月は「坊ちゃん」

主演は、坂本九　でした。

共演は、三波伸介・藤村有弘・大村崑・三木のり平…

これは、喜劇に違いない！そう思いました。

ところがどっこい、喜劇というよりは、ミュージカルか？

喜劇役者がまじめに劇をやっています。

なんで、三波伸介や大村崑をあてたのかわからないキャスティングです。

思うに「さわやか九ちゃん」がテーマだったのか…

変にちゃんとした役者をいれて、坂本九の役者として力のないことを目立たせないようにしたのか。

とりあえず、中途半端ではありましたが、「坊ちゃん」なる話を最後まで始めてみました。

ガクエンものの原点ですが、まあ、あまりおもしろいものではありあせん。