晴れ間の彗星

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クリスマス劇場【2】

2009年12月25日 | 魔法の鏡
シーン2〔町〕
      子どもABCが連れ立って、町を歩いている。
      『ジングルベル』を歌っている。
      後ろから「お金持ち」が出てきた。

お金持ち 『きみたち、きみたち。歌が上手だね。どうかな、その「ジングルベル」の歌と、
      きみたちの一番欲しいものとを、取り替えっこしてくれないかい。』
      
こどもABC顔を見合わせてから、お金持ちを見詰め。

こどもA 『一番欲しいものって?』

お金持ち 『何でもいいんだよ。さァ言ってごらん』

こどもB 『ぼくは、ファミコンのカセットが欲しいんだ、サンタクロース伝説がいいな!』

こどもC 『わたしは、サリーちゃんの魔法のほうき!』

こどもA 『ぼくは、SDガンダム!』

お金持ち 『いいともいいとも、君にはファミコンカセット、君には、サリーちゃんのほうき
     そして、君には、SDガンダムだね。』
     
お金持ち、トランクを開けて、次々とおもちゃを出して渡す。
     トランクから出てきたので、ほうきはミニサイズ。
     こどもC、ちっちゃなほうきに不満げに、

こどもC 『わたしの欲しかったのは、こんなちっちゃなほうきじゃないわ、もっと大きなほおうきよ。』

お金持ち 『そうともそうとも、ちょっと貸してごらん。』

      お金持ち、ちょっと呪文を唱え、ほうきを物影にほおる。
      物影に手を入れて大きなほうきを取り出す。

お金持ち 『ほおら、これが君の魔法のほうきだよ』

こどもC 『わあ、ありがとう。』

お金持ち 『じゃあ、これでジングルの歌はわたしのものだよ。』

こどもA 『いいよ!おじさんにあげるよ!』

こどもたち、楽しそうに遊びながら退場。

お金持ち、退場

ナレーター『こうして、お金持ちは、『ジングルベル』を一人占めしてしまいました。
      そして、『きよしこの夜』も『あわてんぼうのサンタクロース』も、『赤鼻のトナカイ』も、
      みんなみんな自分だけのものにしてしまったのです。
      おかげで、クリスマスでにぎわう町から、
      クリスマス・ソングが、消えてしまったのです。』


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