HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第868話≪文部科学省が「推薦・AO入試」のあり方について立ち上がりましたよ≫

2010年06月25日 | 進路助言
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、AO入試のありかたについて、HageOyajiも下記の通り、HageOyaji通信で再三問題点を取り上げていましたが、文部科学省が「平成23年度大学入学者選抜実施要項」の中で各大学に通知した中に「平成23年度:推薦・AO入試のあり方」が大きく変更されています。


 先週の土曜日19日、東京ビッグサイト 国際会議場で、大学入試センター と朝日新聞社主催による記念シンポジウム「これからの大学入学者選抜の意味を問い直す」が開催され、HageOyajiも参加してきました。

 この記念シンポジウム 「これからの大学入学者選抜の意味を問い直す」開催趣意書を要約すると、

  ≪多くの若者が大学へ進学するなかで、大学と高校の間に大きな「溝」がある。30年前と異なるのは、この「溝」のために若者が大学へ進めないのではなく、志願する若者の大半が入学後に「溝」が発見されることだ。日本の大学入学者選抜で、学力試験を経て大学に入学する者は50%台、推薦・AO入試などの非学力選抜の割合は40%を超える。現在は、受験競争の弊害を指摘する声は少なくなり、むしろ学生の学力低下、進学準備の不足を憂う声は高まっている。大学教育のユニバーサル化を実質化するためには、入学者選抜はもとより、学生の移動をどのように保証するか、多様化したカリキュラムをいかに再編、モジュール化していくかなど、その質保証を含めて、高校・大学を包摂するより大きな教育の全体像を見直す必要がある。教育システムのなかで入学者選抜が突出した役割を担った時代は終わろうとしています。入学者選抜はむしろ高校・大学教育を支えるひとつの要素に変わっていく。大学への進学率が50%を超えるなか、教育システムのなかで大学入学者選抜が突出した役割を担った時代は終わろうとしている。このシンポジウムは、「これからの大学入学者選抜にどのような意味を求めるのか」、「選抜機能が崩れ始めているなかで、高校と大学の接続をどのように構築すれば良いのか」、「大学入試センター試験はどこに向かわせなければならないのか」といった課題≫

 現在の大学受験生は、約半分くらいが、「推薦入試」と「AO入試」で合格しています。
 もう少し詳しく見ると、2009年度の文部科学省の調査で、
     センター入試 ⇒ 55.5%
     推薦入試(学校推薦、スポーツ推薦) ⇒ 35.4%
     AO入試 ⇒ 8.4%
             
 既に皆さんも知っている通り「AO入試」は、書類審査、面接、小論文などにより、学力試験だけではわからない受験生の意欲や適性を見る試験ですね。例外的に国公立大学ではセンター試験の成績が選抜に用いられる場合もあります。しかし、この入試方法は、受験生の隠れた能力や個性を評価できるという点が取り上げられ、毎年多くの大学が取り入れてきました。

 その結果、昨年度の2010年度は、
     国公立大学で ⇒ 約42%
     私立大学   ⇒ 約81%
 が実施するようになりました。

 しかし、過去のHageOyaji通信でも取り上げましたように、ここ数年は推薦・AO入試受験者の基礎学力不足が指摘されております。

  ◆HageOyaji通信:第131話≪ここ数年AO入試が拡大(文部科学省が概要発表)≫
  ◆HageOyaji通信:第165話≪「AO入試」 目的、実態にズレ≫
  ◆HageOyaji通信:第319話≪国立大学が平成20年度入試から推薦・AO枠の上限を3割から5割へ≫
  ◆HageOyaji通信:第423話≪大学センター試験を課すAO入試(北大工学部応用理工系と農学部農業経済学科)≫
  ◆HageOyaji通信:第504話≪推薦入試やAO入試で合格した生徒へ「入学前eラーニング」制度≫
  ◆HageOyaji通信:第517話≪アドミッション・オフィス(AO)入試、廃止の動き(2/15付けasahi.comより)
  ◆HageOyaji通信:第529話≪3/18付け朝日新聞、今度はAO入試「完全に定着」記事≫
  ◆HageOyaji通信:第537話≪『東北大学高等教育フォーラム』高校教育と大学入試:『AO入試』の10年を振り返る≫


 HageOyajiも進路指導を通して、学校推薦した受験生のクレームが校長宛てにきたことも聞いており、確実に一般入試での入学者との「基礎学力格差」が問題視されております。

 このような状況からついに文部科学省も立ち上がり、今回の「2011年度:推薦・AO入試のあり方」規定の方向転換をしてきたと推測されます。

 文部科学省から出ました「変更点」を抜粋しますと、

  ◆基礎学力を出願の条件として明記
   各大学に「学力に重要な要素(基礎的・基本的な知識、思考力・判断力・表現力等、学習意欲)」の把握を求め、高校で履修すべき科目などの募集要項への明記を・・・

  ◆AO入試の出願開始時期に上限設置
   AO入試の入学願書受付の開始を「平成22年8月1日以降」
    (これまでは開始時期の制限はなし)

  ◆基礎学力が出願要件や合否判定に直結
   推薦・AO志願者の基礎学力を把握するため、「各大学の検査(筆記、実技、面接等)」「センター試験の成績」「資格・検定試験等の成績」「高校の教科の評定平均値」の少なくとも1つを出願要件や合否判定に用いる

  ◆資格・検定の成績等を重視
   資格・検定の成績や部活動の実績などを具体的に記載できるよう、調査書の記入欄を改変
  
 さ~~ぁ、来年度「推薦・AO入試」で受験するみなさん、基礎学力が合否の判定に大きく影響してきますので、今からしっかり基礎学力を身につけましょう・・・・・

 尚、詳細を調べたい方は、「螢雪時代7月号」に詳細が掲載されていますのでチエックしておいてください。
               

にほんブログ村 教育ブログ 高校教育へ
               
コメント