グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

磯の貝達17

2009年12月02日 | 海の生物
季節はすっかり冬になってきていますが
海は実に温かいです。水温が21℃もあります。
陸の気温が暖かくても15~6というのに比べればどれだけ温かい事でしょう。
海が温かいう事は、海の生き物達も元気で暮せるという事ですね。

今回のご紹介する貝は今迄の貝とは違いちょっと変わった奴です。
前にも書きましたが、生き物には名前があります。
この和名に地名が付く事がよくあります。
伊豆大島を含む、伊豆諸島では「八丈島」が有名で非常に多くの生き物に使われています。

植物ならば、ハチジョウイタドリやハチジョウキブシ
昆虫ならハチジョウノコギリクワガタ
カニなら、ハチジョウヒライソモドキ
魚ならば、ハチジョウボウヨウジやハチジョウフサカサゴ等です。
勿論、貝にも有りハチジョウヒゲヒザラガイ等が知られています。
そんな「ハチジョウ」は付く、ちょっと変わった貝を紹介します。

ハチジョウチチカケガイです。
チチカケガイ科という科に含まれる貝で
実は1科1属1種の特殊な奴です。
写真をご覧下さい、貝というよりはウミウシに近いフォルムをしています。
しかし、心臓と鰓の位置から立派な巻貝の仲間に分類されているのです。

チチカケは「乳をかける」の意味で、刺激を与えると乳白色の液を分泌するそうです。
残念ながら撮影時には、その乳を出してくれませんでした。。。

この貝、図鑑等の分布では三宅島以南とあります。
つまり今回の大島の発見は、北限の更新という事になるのかもしれません。
しかし、実物を撮影後に捕獲した訳では無いので、正式な記録にはならないでしょう。
黒潮の影響における季節来遊なのか?それとも常時生息している生き物なのかは分りませんが、大島の生物層の濃さを改めて再認識した出来事でした。

この貝を、今年の春から探して来た私にしては今年一番の大ニュースでした。
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