グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

崩壊斜面のモニタリング調査(2017,10,4)

2017年10月12日 | 火山・ジオパーク
10月4日、久しぶりに4年前の台風による崩壊斜面のモニタリング調査に参加しました。

このモニタリング調査は、様々な立場の人の協力で継続している「ジオパークらしい」取り組みの一つです。(環境省が中心となってまとめてくれています)

この日も、農工大のW氏(森林保全学)、環境省、気象庁、ジオパーク推進委員会の事務局や役員などが集合し、3時間ほどの作業を行いました。


2年半前、わずかな草しか生えていなかった斜面が、今では…

まるでジャングルに!

でも気象庁のH氏が、数日前の週末を使って草刈りをしてくれていたので、かなり歩きやすかったです。(感謝)

どんどん成長する木々のおかげで、全体の写真を撮るのが大変になってきました。

今までは、釣り竿の先にカメラを固定して全体の写真を撮っていたそうですが、今回から新兵器が登場しました。

ジオパーク推進委員会役員のY氏が、私物のドローンを持ってきてくれていたのです。


周りは藪ですが、ドローンはピンポイントで帰ってきて、活躍してくれました。


カッコイイ〜!☺️


雨量の計測、流出土砂集め(乾かしてから測る)、観測機器の修理、樹木の高さの計測、植物の種類と量のチェック…などなど、皆それぞれの仕事をテキパキこなしていきます。


私は「植物の種類と量のチェック」を担当しました。

こりゃなんだ?

どこかで見たような気がするけれど、思い出せない植物の小さな葉っぱが色々ありました。
(後日詳しい人に確認してもらうことになりました(^_^;)

コマツナギの花が綺麗だったり…


クズの葉が、レース編みみたいになっていたり…


何かの繭のようなものが、葉についていたりして…

ついつい調査の手を止めて、写真撮影(笑)

ところで、今回印象的だったのは、アカメガシワの成長ぶりです。
すでに人の背丈を越していました。

斜面の安定を測るために3年前に航空実播したタネの中には、入っていなかった植物です。

少ない光でも生きていくことができるオオシマカンスゲが、あちらこちらで芽生えていました。
細い葉っぱが集まって、髪の毛みたいになっているのがオオシマカンスゲです。

大きな株の左側に、小さな芽生えがあるのが写真からわかるでしょうか?

この大きさの差をご覧ください!

カンスゲの赤ちゃん、超・可愛いです☺️

こちらの写真にも、5株ぐらいの芽生えが写っています。

ちなみにオオシマカンスゲも航空実播したタネには入っていなかった植物です。
大島の自然植生、強し!

作業が終わって一息ついて、周りの景色を眺めました。

ずいぶん緑が濃くなりました。
とても清々しい気分でした☺️

こういう調査が続けられる、ジオパークの「つながり」が、本当に嬉しいです。

この日の調査は、以下の伊豆大島ジオパークのブログでも報告されています。
http://izuoshima-geopark.seesaa.net/article/453987647.html
また別の視点で記事が書かれていて面白いです。

そして上記のブログの中には「崩壊斜面モニタリング調査ポスター」が紹介されています。
2017年9月20日~27日伊豆諸島自然保護シンポジウム・パネル展で展示されたもので、調査に至った経緯、調査目的・方法、これまでの調査結果等がわかりやすくまとめられています。
ぜひご覧ください☺️

(かな)




コメント
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