功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

特集・50Movies(08)『搏紮』

2008-12-18 22:08:07 | カンフー映画:珍作
搏紮
英題:Shadow Ninja/The Killer in White/Ghost of the Ninja/Killer Wears White
制作:1980年

●(※…画像は例によって例の如くということで・笑)
コメディ功夫片の一大ブームは、香港や台湾に無数のジャッキー(或いはサモハンの)フォロワーを大量に生み出す事態を生んだ。
これによって李藝民(サイモン・リー)や張力(チャン・リー)、更にはコメディ系のキャラクターではない戚冠軍(チー・クワンチュン)までもが引っ張り出されることとなったが、徳に重要視されたのが京劇畑の人員だった。香港映画界最大手のショウ・ブラザーズはこの点で最も過敏で、元徳や孟元文といったジャッキーと同郷の面々をコメディ功夫片へと出演させていき、他の七小福も同様の道を辿っていくことは周知の事実である。
このように、京劇独特のしなやかな動きこそが当時のコメディ功夫片に最も求められたものであり、本作の主演を飾った董[王韋](トン・ワイ)もその関係でいくつかの主演作を撮っている。役者としての彼は『プロジェクトD』などで知られているが、ここ最近は武術指導家として活動。近年は話題作や大作に多く参加しており、今なお第一線で活躍し続けている。

本作はストーリーがあまり良く解らないが、新米警官の董[王韋]が任世官(ニン・シークワン)率いる賭博組織と、それに繋がる悪辣な警察内部などの敵(陳龍や大細眼など)と戦うストーリーのようだ。コメディ的な要素はあるものの、物語自体は登場人物が次から次へと殺されていく陰惨なもので、個人的にはあまり好きではない(最後に生き残ったのが董[王韋]だけだというのも…)。
だが、そこでの董[王韋]の活躍ぶりは素晴らしいものがあり、当時の水準以上の仕事をしているのは流石である(クライマックスでを殺されてからキレた董[王韋]のアクションが『ヤングマスター・師弟出馬』チックなのはご愛嬌)。ストーリーが理解できればもう少し評価は上がりそうな作品ではあるが、『Martial Arts 50 Movie Pack』の中では随分マシな方であることは、これまでの特集で紹介したゴミ作品の数々を見れば明白なはずである(爆