功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『少林寺列伝(少林寺)』

2008-04-22 22:56:03 | ショウ・ブラザーズ
「少林寺列伝」
原題:少林寺
英題:Shaolin Temple
製作:1976年

▼本作は張徹(チャン・チェ)作品の中でも傑作と呼ぶに相応しい一大スペクタクル大作だ。
出てくる人も張徹やショウブラ作品に限らず知っている顔ばかりで、本作はおおまかな粗筋としては中国の名だたる英雄たちが少林寺へ会し、清朝と戦うシンプルなものだが、これが本当に凄い!
私としてはこの作品を見たことが本格的にショウブラにハマるキッカケともなりましたので、この作品にも結構思い入れがあったりします。

■少林寺の偉い坊さんの山茅(サン・マオ)らは悩んでいた。というのも、少林寺に入門しようと門前で座り込みをしている部外者3名の事についてだ。この3人が傅聲、威冠軍、韋弘という顔ぶれで、それぞれ役柄は方世玉、胡惠乾、洪熙官という中華英雄たちだ。少林寺は当初部外者の入門に難色を示していたが、どうにか入門の許しを得ることができた。
同じ頃、台湾から落ち延びて少林寺にたどり着いた姜大衛、狄龍、劉永、岳華、王鐘、そして王龍威たち"少林五祖"の姿があった。彼らは施思(シー・ズー)の案内によって、少林寺の門をくぐった。
この他に、傅聲らの入門を受けて一般からも入門者が続出した。だが、そう簡単に少林寺の門は開かない。結局、最後に残っていたのは李藝民、唐炎燦、郭振鋒ら3人だけであった。
こうして集まった6・3・3で12人の天使のしっぽな英雄たち(爆
傅聲は生来の奔放さで修行に遅刻するなど、同期で真面目に十形拳を習っている威冠軍とはえらい違いだ。李藝民は厨房で鍋かき、唐炎燦は経典の虫干し、郭振鋒は足に重しをつけてひたすらジャンプと、それぞれ修行の毎日を送った。

ところがある日、傅聲は姜大衛らの特訓風景を見ていて王龍威を笑ったことから喧嘩に発展。負けた悔しさから傅聲は王龍威を越えるべく、真面目に特訓を開始する。
一方、実は少林寺には清朝からの密偵が潜んでいた。何を隠そう、密偵とは山茅の事だった。
山茅は王清、鹿峰ら朝廷の者へ少林寺の情報を流していたが、寺に帰ったところを姜大衛と狄龍に見つかる。追いかけようとする二人を諭したのは、五枚という尼さんだった。彼女は、姜大衛に三節鞭、狄龍に詠春拳を指導した。
しばらくして、傅聲は修業の末に王龍威へのリベンジを果たしていた。ところがそこに山茅が登場。自分と同じ悪役俳優の王龍威に悪の囁きをかけるが…。
そのころ、傅聲と威冠軍は少林寺から下山する策を講じていた。というのも、この2人の入門の目的は「仇討ち」。2人は木人巷に挑戦するが、それを阻まんと山茅が現れる。
山茅は、この機に乗じて2人を消してしまおうとも企んでいたが、それでもどうにか二人は下山に成功し、止められなかった(というか脱出を手助けした)姜大衛らは、しばらく懲罰房送りになる。
しかし、山茅たちはこの間にも少林寺焼き討ちを画策しており、すぐそこにまで大軍勢を率いて迫っていた。仇討ち済んだ帰り道、それを知った傅聲らはさっそく少林寺にこれを伝えるが、脱走者という身分の手前、なかなか信じてもらえない。
そうこうしている内に山茅の手引きで清の軍団が突入!兵力も武器もまったく不利のこの状況で、少林英雄たちは生き残れるのか!?

▲本作はここから始まる張徹サーガの序章(製作年度は前後するが)ともなる内容で、それぞれの英雄たちは少林英雄傳系列へと繋がっていくが、それはまた別の話…。
それぞれの修行シーンも趣向を凝らし、用いる拳や武器も様々で、ラストバトルに至って、それが各々のラストバトルでアクセントを利かせている。バラエティ溢れる敵や対戦条件も含めて素晴らしくも壮絶であり、散っていく戦士たちもまた悲壮感漂うものになっていた。
ストーリー的には王龍威とは傅聲が、山茅とは狄龍や姜大衛らが闘ってほしかったが、それでも凄いと言わずにはいられない熱き名勝負が次から次へと繰り出されていく。
手技のみで見せる狄龍VS王龍威、ザコ相手にひけをとらない姜大衛の三節鞭、血みどろの李藝民VS山茅、唐炎燦VS王清のバランスバトル、李藝民&傅聲VS山茅、五毒同士の郭振鋒VS鹿峰、そして葵弘らVS傅聲&威冠軍タッグの対決!
こんな高濃度のバトルが次から次へと行われるのだ、功夫映画ファンでこれを見て燃えない人はいないはずである(断言)!
ちなみに私が見たのは天映娯樂版のDVDなのだが、特典として李鼎家(リー・ガーデン)や汪禹(ワン・ユー)によるインタビューと、この作品についての考察などがあるのだが…二人ともホント年食っちゃって(以下略