功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ビバリーヒルズ・ニンジャ』

2008-04-12 23:28:34 | マーシャルアーツ映画:中(1)
「ビバリーヒルズ・ニンジャ」
原題:Beverly Hills Ninja
中文題:比佛利武士/笑林忍者
製作:1997年

●主人公のクリス・ファーレイは一人前のニンジャになることを夢見るおデブ君。しかしドジばかりで素質はゼロに等しく、ニンジャ学校の試験にも落ちてしまう。そんな時、彼のもとに謎の美女ニコレット・シェリダンが尋ねてきて、彼氏について調べてほしいと頼まれた。クリスはニンジャでもないのにはりきって任務を引き受けるが、偽札をめぐるヤクザの事件に巻き込まれてしまう。
どうしてもニコレットの事を信じたいクリスは、師匠に懇願してニコレットがいるはずのビバリーヒルズへと向かう。師匠はこっそりクリスの兄弟子をバックアップに同行させるが、果たしてクリスは一人前のニンジャになることができるのであろうか?
主演のクリス・ファーレィは『コーンヘッズ』や『トミーボーイ』などでおなじみのコメディ俳優だが、この同年にコカイン中毒で帰らぬ人となってしまっている。コメディとしてはヌルい本作だが、この作品を取り上げたのには理由がある。というのも、本作にはクリスの兄弟子役で仇雲波(ロビン・ショウ…別名は「威龍」)が出演しているのだ。
仇雲波はいずれこのカテゴリでも紹介するであろう『モータル・コンバット』での出演が有名だが、香港映画では『タイガー・コネクション』におけるドニーとの死闘、戴徹(ロバート・タイ)と組んだ『戰龍』、皇家師姐シリーズに噛みついた『地下兵工廠』などで印象深い活躍を残している。本作でもクリスのアシストとして貧乏クジを引く事も数多ではあるが(苦笑)、クリスとの友情などの見せ場もあって見逃せない。
アクションに関して言うと、本作はコメディであるため格闘シーンが沢山あるという訳ではなく、ボリューム不足の感は否めない。だが終盤のバトルでは仇雲波もバリバリ動いており、クリスもピンチに陥った仇雲波を助ける場面で、比較的ノンスタントのアクションで頑張っている。
なお、他にも敵役で『チャイナ・オブライエン』のキース・クックも登場している。こちらも仇雲波と同様に活躍を予感させるが、すぐに倒されてしまうので期待はずれもいいとこ。また、劇中に見られる間違った日本像はご愛敬だが、クリスが日本で育ったのに英語が話せたり車が運転できたりするなど、不自然でツメの甘い箇所が散見される。もう少ししっかりした作りならもっと面白くなったと思うのだが…。