『28週後...』
28 WEEKS LATER(2007年イギリス、スペイン)
監督 ファン・カルロス・フレスナディージョ
脚本 ローワン・ジョフィ
ファン・カルロス・フレスナディージョ
ヘスス・オルモ、E・L・ラビニョ
出演 ロバート・カーライル
キャサリン・マコーマック
ローズ・バーン
ジェレミー・レナー
イモージュ・プーツ
■ストーリー■
血液や唾液等の体液で感染するレイジウィルスにより壊滅状態に陥ったイギリス。レイジウィルスに感染した者は、理性を失い凶暴性を発揮し非感染者に噛み付き肉を喰いちぎるのだった。
レイジウィルスが発生してから5週間後、ウィルスの最後の感染者が餓死によって死亡する。
11週間後、アメリカ軍主導のNATO軍がイギリスに派遣され、イギリスの街の再建が始まる。
28週間後、復興のため、イギリスに非難していた国民が徐々に帰ってくるのだった。
レイジウィルスが猛威を振るった時期にスペインに行っていたため被害を逃れたタミーとアンディの姉弟は、イギリスに帰国し、生き残っていた父親ドンとの再会を果たすのだった。ドンは、田舎の屋敷に篭城しているときに、感染者が襲ってきたときに、妻のアリスを見殺しにしたのだが、そのことは子どもたちに話せないでいた。母親の写真を欲しくなったアンディは、姉のタミーと立ち入り禁止区域にある自宅に行ってしまうのだった。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
ダニー・ボイル監督のスリラー映画の傑作ホラー『28日後...』(2002年)の続編。
前作のスタッフ、監督ダニー・ボイル、脚本アレックス・ガーランドから、監督ファン・カルロス・フレスナディージョ、脚本ローワン・ジョフィ、ファン・カルロス・フレスナディージョ、ヘスス・オルモ、E・L・ラビニョにスタッフが変わってます。
ダニー・ボイルとアレックス・ガーランドは、今作では製作総指揮にまわっています。
ファン・カルロス・フレスナディージョは『10億分の1の男』(2001年)の監督です。
『10億分の1の男』を観たときの感想は「ごく普通のスリラー映画だなぁ~」って思ったので『28日後...』の続編の監督としてどうなんでしょう??と不安がありましたけど、不安は杞憂でした!
「最高に面白い!!」
前作『28日後...』は、観たとき衝撃的な作品でした!
走る感染者!
走る!走る!走る!
とにかく走る!
それまでのモダンゾンビ映画といえば、ゆっくり歩くタイプのゾンビが多かったですから!
ゆっくり歩くゾンビが走るだけであんなに怖いとは!!
ゆっくりだったら逃げれるかもしれないですけど、もう走られたら逃げようが無いですからね。
正確にはゾンビで無く、感染者なんですけどね。
前作同様、今作もかなり衝撃的な作品になってます!!
前作は、数多くのゾンビ映画を意識したような作品で、とにかく走る感染者のインパクトが強かったですけど、続編は、まさにストーリーが衝撃的!!
今作は、スティーヴン・キングが、2007年のベスト10に今作を入れているだけのことはあります!
B級ホラー映画大好き!スティーヴン・キングがベスト10に入れた気持ちが良くわかります!
面白い!とにかく面白い!
ハッキリ言って、気が早いですけど、「@KOBAのベスト10」でも、今年のベスト10には軽く入る面白さでしょう!!
まず、冒頭、田園風景の大きな屋敷での出来事がインパクトが強すぎ!!
さすがイギリス映画!!容赦が無い!
「奥さんを見殺しにするようなこんな男が主人公なのか!!」
って、もう最初から画面に引きずり込まれます!!
まぁ、見殺しって言っても、あの状況じゃ、しょうがないんですけどね。
助けようとしたら、自分も絶対に殺されてましたもんね。
とにかく奥さんを愛していたロバート・カーライルは後悔1000%状態!!
このことがトラウマになって、後半に向かっての伏線になってるんですよね!ウマイ展開です!こんなウマイ展開のゾンビ映画、最高です!
それに冒頭の、大きな屋敷の中でおとなしく過ごす数人の描写で、現在置かれている状況が、どんな状況かすぐに分かるうまい描写です。
もう「ゾンビ映画」ファンだったら、これから起こるであろう展開に期待して、このシーンを観ただけでゾクゾクするはず!
「自分の目の前で妻のアリスは死んだ」と子どもたちに言っていたのに、アリスが生き残っていたことで、娘たちに話したコトの辻褄が合わなくなってしまいます。
娘たちに怒られたロバート・カーライルが、奥さんに許してもらおうと会いにいきます。会いに行って、奥さんに許してもらったロバート・カーライルが喜びの感情のあまり、ついキスを!!
「あれ、キスしたら、感染しちゃうんじゃないの??」
なんて、思ってるヒマもなく、即感染!!
「エーッ、主人公じゃなかったのね。」
感染したロバート・カーライルが、そばにいた奥さんのキャサリン・マコーマックをぶち殺す展開には、余りのインパクトに呆然!!
「えーッ、あの奥さんがレイジウィルスに対する免疫を持っていたのに…」
もうこのシーンで、「これ以降、誰が死んでもおかしくない展開」って感じで、緊張感が200%アップ状態!!
その後、それまで、ストーリーにあんまり絡んでこなかった狙撃手ジェレミー・レナーやNATO軍の女医ローズ・バーンがメインキャラクターとして登場してきます。
みんな誰かのために良かれと思って行動して、それがドンドン最悪の状態になっていくのが最高です!!
ローズ・バーンも、ジェームズ・レマーもヘリコプターの操縦士も、みんな他人のため、人類のために命をかけて行動してるのに、全部、裏目!裏目!裏目!
結局、映画を最後まで観ると気づくのが、残念ながら非人道的なストーン大佐の選択肢の方が“正しい”という皮肉!!!
ところで、軍医ローズ・バーンも、狙撃兵ジェームズ・レマーも、
「少年アンディが、レイジウィルスの免疫持ってるかも」
って、なんで誰にも伝えないの??
まぁ、伝えても、ストーン大佐はレッドコードを解除するわけないですけど、でもそのことだけは、誰かに伝えておかないと!!
ストーン大佐も、免疫があるかもしれない血液サンプルは大切にとっておかないとダメでしょ!!
『ザ・クレイジーズ』(TV題『第2のカサンドラクロス事件 細菌兵器に襲われた街』)(1973年)じゃないですけど、なんで軍隊はこういう研究に理解が無いんでしょう??
まずは、アリスを保護して、誰とも接触しないように隔離して研究しないとダメでしょう。
あと、感染者がいる場所に、居住区の統括官のロバート・カーライルが入ってこれる状態からしてオカシイ!!管理が甘すぎ!!
まぁ、そうじゃないと映画にならないんですけど。
ところで、狙撃手ジェームズ・レマーの仲間のヘリコプターのパイロットのペリノーなんですけど、あのプロペラのシーンはやりすぎ!映画的には「見せ場」なんですけど、あれって超曲芸飛行でしょ!あんなコトできるなんて、超一流パイロットすぎ!
ところで、万が一のときのための「コードレッド」なんですけど、あの空爆はダメでしょ!!あれじゃ、屋上やビルの上にいる狙撃部隊も皆殺しでしょ!感染の恐れの無いNATO軍の兵士まで皆殺しって!!
映画のヴィジュアル的には、あの空爆はインパクトがあって良いシーンですけど、ストーリー的にはやりすぎ!!だって、そのあと化学兵器使って、軍隊の特殊部隊が街をパトロールしながら火炎放射器で皆殺しにしていくんだから!!
こういう作品にありがちなアンハッピーエンディングになるんだろうなぁ。と思って観てると、最後の方の展開にビックリ!!球場にたどり着いたあの姉弟を狙撃手たちが狙ってて殺して終りだと思ってたんですけど、無事に飛びたつんですもんね!
「エーッ、ハッピーエンディングなの??」
これでウィルスの血清も作れそうだし、今までハードな展開だったのに最後くらいはハッピーにね!と思っちゃいました!
でも、良く考えたら、唾液でうつるってことは、一緒に食事をとるだけで感染しちゃうんですもんね。日常生活で唾液って飛び散ってますもんね!絶対にラストは、この映画と同じになっちゃいますよね。
『28日後...』、『28週間後...』と来たんで、次は、「28ヵ月後...」ですね。製作されると良いなぁ! 100点
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28週後... [Blu-ray] |
ロバート・カーライル,ローズ・バーン,ジェレミー・レナー,マッキントッシュ・マグルトン |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
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28日後...(特別編) [DVD] |
キリアン・マーフィ,ナオミ・ハリス,クリストファー・エクルストン,ミーガン・バーンズ,ブレンダン・グリーソン |
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