指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

母ものの源流だろうか 『桜姫東文章』

2022年04月22日 | 大衆芸能

桜木町のシネマ歌舞伎で、玉・孝コンビの『桜姫東文章』を見る。

上の部で、下は来週見るので、中身についてはその時書く。

 

               

最後、流浪の身になった玉三郎の姫様が、赤児を抱えて海岸淵をいく。

これは、日本映画で大ヒットした「母もの」だなと思う。

東映にいた深作欣二は、助監督時代、さんざ母ものの「浪曲映画」をやったそうだ。

「これは、非常に楽でいいの、母と娘がさんざ苦労して、海岸淵を歩いたり離れたりするだけで、人避けなどがいらないのよ」

150年前の江戸末も、次第に進む資本主義と近代化の中で、庶民の中でも没落していく者が多数出て、さまざまな悲劇が生まれたのだと思う。

浪花節や講談でも、こうした悲劇があり、それが母ものになったのだろうか。

 

 

 


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