指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

200万円で売った土地を60億円で買い戻す

2022年04月08日 | 横浜

金沢の西武のゴルフ練習場と新杉田駅前の石川島建機の土地が売却されたというので横浜シーサイドラインで上から見てるみる。

どちらも完全な更地になっている。

 

                    

石川島の土地は、たぶん戦前に県が埋立てた土地だと思うが、金沢の福浦の土地は、元は横浜市が埋立権を持っていたが、戦後売却して、ある経緯があって埋立地のゴルフ練習場等になったものなのだ。

1950年代以降、新杉田の昔は西武のゴルフ練習場等があった場所は、実は横浜市が埋立権を持っていて、埋立工事をやっていたところだった。

ところが、当時は磯子も、本牧も埋立ててはできておらず、横浜港の波は激しくて、何度かの台風で護岸が壊されたので横浜市は、工事は止めて、その権利をある財団に売却したのだ。

その時の価格は、200万円だとのこと。

それは、横浜なんとか財団で、モーターボート場ほか、海上レジャー基地を整備すると言うもので、横浜国際劇場を建てた桑島のところだった。

だが、横浜国際劇場のほか、野毛の横浜迎賓館などを作って全盛だった桑島も、次第に不振となり、ついには倒産してしまい、すべてを西武に売ってしまった。

そして、西武は、新杉田駅前に、ゴルフ練習場、自動車教習所、さらに西武農園の店をやっていた。

そこに、1980年代に、高速道路と国道357号線が入ることになり、なぜかその買収業務を横浜市港湾局がすることになり、私が係長で担当し、約60億円で買った。

200万円で売ったものを60億円で買ったわけだ。

そして、その金で西武は、福浦にゴルフ練習場等を作ったわけだ。

パシフィコ横浜にいたとき、財政局の担当者だった岡本坦さんに聞いてみた。

すると、

「12月に出す職員のボーナスの金がなかったので、売ったんだよ」

1960年代の経済の高度成長が始まるまで、横浜市も大変だったんだなあと思ったものだ。

 

 


YCCとYYC

2022年04月08日 | 横浜

横浜には、二つのヨットのクラブがある。

YCCとYYCで、横浜クルージンブクラブと横浜ヨットクラブ(協会)である。

YCCは、新山下の貯木場の近くにあり、岡本造船所の隣で、サスペンスドラマの背景としてよく出てくる。

 

                                                                               

YYCは、磯子にあり、ここは明治時代に横浜に居留していた外国人によって作られたもので、これも元は新山下の貯木場の脇にあった。

その姿は、篠田正浩の映画『涙を、獅子の立髪に』に外人のヨットクラブとして出てくる。

当時は、まだ貯木場も使われていて、その水面に死体が浮いているシーンもある。

その周辺には、学連ヨットクラブという、首都圏の大学のヨットクラブの施設もあり、建築家の長谷川逸子先生も大学時代に通ったことがあると言っていた。

この学連クラブは、1964年のオリンピックのとき、江ノ島に移転した。

一方、YCCの前面の海域は、本牧ふ頭の埋立が進行していった。

そこで彼らは、自主的に新山下から磯子に移転した。

私が港湾局にいたのだから、1980年代だと思うが、背の高い男が、勢いよく港湾局長室に飛び込んで行った。

それは、ケン・田島こと漆原一郎氏で、当時YCCの代表だった。

要望は、新山下から磯子への移転に関して我々は、なにも金銭的補償を受けていないのだから、何かよこせというものだった。

これについては、港湾局も財政局も非常に困っていた。

YCCの陸上部分は、どこからか借りていたのだろうが、使用していた海上部分は、水域占用という許可だったからだ。

水域占用というのは、1年ごとの使用許可で、終了しても補償はないからだ。

どうにも補償する理由はなにのだが、そんなことは百も承知で出して来たのだと思う。

結果は、私の知る限り、横浜市が補償したことはないと思う。

 

 

 


入学式に見る3大学の違い

2022年04月08日 | 横浜

パシフィコ横浜にいるとき、市内の3大学が入学式をやったのを見たことがある。

 

                 

横浜国立大学、神奈川大学、そして関東学院大学。

ただ、見ただけなので、正しいかどうかはもちろん分らない。

一番派手というか、はなやかだったのは、関東学院で、女性が多いのもその理由だろうと思う。

逆に一番真面目そうと言うか、黒っぽかったのは、横浜国立大学で、神奈川大学はその中間という感じだった。

そして、見ていて、どの大学も地方からの学生が多いなあと思ったものだ。

あこがれの首都圏に来て、海の見える横浜の会場で入学式を迎えられるのは、きっとうれしいことだろうなと思ったものだ。

入学はゴールではなく、ただの始まりにすぎないのだけどね。