指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『永遠のハバナ』

2015年04月27日 | 映画

Action Incの10年だそうで、ラテン映画が特集されている。

『永遠のハバナ』は、当然キューバ映画で、ハバナの鉄道修理工、バレーダンサー、歌手、ピーナッツ売りの老婆、工場労働者の女性など様々な人々が断片的に描かれていく。

ジェームス・ジョイスの『ユリシーズ』である。

 

                     

 

原題は、「Suite Havanna」で、「ハバナ組曲」であり、ハバナ賛歌である。

画面が素晴らしいが、それぞれに生き生きと生きている人々がもっと素晴らしい。

決して裕福ではないだろうが、生活と人生を楽しんでいるだろう人々の姿が感動的である。

ここには、貯蓄や財テクとは無縁の世界があり、日本の異常さが浮き彫りになる。

私はブラジル音楽が世界最高と思っているが、故中村とうようさんはキューバ音楽が最高とおっしゃっていた。

ぜひともいつかは、キューバ、そしてハバナに行って見たいものだと思っている。

地下鉄で新宿3丁目に行き、歩いてK’sシネマに行ったが、かつて昭和館だったのがK’sシネマに変ったように、この辺の汚かった町もお洒落で奇麗なエリアになっている。

駅まで行くと、新宿国際が壊されていて、工事現場の塀で覆われていた。ここもピンク映画の最後の聖地だったのだが。

K’sシネマ