1989年、神戸のフランス料理レストランの女主人の古手川祐子と謎のギャングの女桜田淳子との対立から始まり、いろいろお洒落な事物が出てくるので、私が一番嫌いな映画だなと思う。
「大森一樹もこんな軟弱な映画を作っているから、2年後に大震災が来たのだ」と言いたくなった。
だが、神戸の中華街の元ヤクザの男で、古手川祐子の味方になる高品格が出てくるあたりから面白くなる。
レストラン・アヴィニヨンの隣家の外人が、なんと東銀之助さんである。
この人は、渡辺えり子が主宰していた劇団300の方で、本当に外人のような風貌で、白髪の美しい方だったが、大部前に亡くなられていて、これは極めて少ない映画出演作品だろう。
また、シェフが梅宮辰夫というのは、一種の洒落だが、さらに貧乏画家として出てくる高島政宏も非常に良い。
後半は、レストランをめぐっての桜田と古手川の戦いになり、もちろん正義の古手川が勝つ。
そして、桜田がなぜ古手川の店を敵視したかも、最後に明かされる。
大森監督は、桜田と古手川の二人を美しく撮っているのはさすがである。
それにしても、桜田淳子はもったいなかったなと思う、その統一教会への活動によっての引退は。
本当に、この時期にすべて完成されていたのだから。
ただ、音楽が軽すぎて、あまり感心できなかった。
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