神戸市の小学校で起きた、教師4人が同僚に暴力や嫌がらせを繰り返す事件は、正直、理解しがたい。これまで、こんなことは見たこともないし、聞いたこともない。
特に理解しがたいのは、この暴力や嫌がらせがおおぴっらに行われていたのに、だれもとめなかったことだ。
小学校というのは密室なのだろうか。子どもたちが各家庭から来ているから、親たちに話が伝わるはずである。親たちは、自分の子どもに火の粉が飛ぶのを恐れ、黙認していたのだろうか。
教師も、暴力や嫌がらせをした4人とその対象になった同僚(複数のようだ)だけでなく、どちらにも属さない教師たちがいたはずである。とめなかったということは、容認したのである。彼らは、親たちより罪が重い。
校長や副校長は教師を管理していたはずである。繰り返し暴力や嫌がらせを受けた教師は、校長や副校長に訴えたという。みんなが暴力や嫌がらせを目撃していたのだから、わからないはずはない。黙認した親たちや容認した同僚の教師より、はるかに、罪が重い。
市教育委員会にその話が伝わらないはずがない。教育委員長は神戸市長が任命した。すると、不適切な人を神戸市長が任命したことになる。校長の任命権は教育委員会にあるはずだ。
政治学者の姜尚中は「AERA」2019年10月28日号で、戦前の古参兵が新兵をいたぶり、しごき、リンチするのに似ていると言う。暴力を、将校たちは容認し、仲間の兵士は黙認していたのだ。
私の記憶の小学校では、このようなことを目撃しなかったし、聞いたこともない。私の子どもの頃は日本に戦後民主主義がまだあった。学校の教師たちは、平等だったし、仲間意識があった。
現在の小学校の教師は、上司から評価を受け、賃金格差がある。上司とは、校長や副校長や学年主任である。昔と違って、教師の中に上下関係が出来上がっている。今回の暴力や嫌がらせは、この上下関係の中で、上が下に行う形で行われている。
しかも、神戸市では、校長が自分の好きな教師を引き抜くことができるから、昔より、権力が強い。校長が新人教師を虫けらのように思っていたのだ。自分の経歴に傷つくのを恐れ、教育委員会に解決しているかのように報告したのだろう。
文部科学省が導入した教師の管理体制が、学校の教師のモラルを崩壊させたと思える。子どもたちを教える教師同士の仲間意識が崩壊しているから、暴力や嫌がらせが起きても、とめない。
本事件は、事実をちゃんと調べて裁判に付すべきである。校長も教育委員会も裁かれないといけない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます