テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』に玉川徹がでなくなって、番組が寂しくなった。そういえば、青木理など気骨あるコメンテーターがでなくなって久しい。
きのう、岸田文雄が自分の長男を政務担当の総理秘書官に任命したことから、『モーニングショー』で、国会議員や首相に2世、3世が多いという話になった。このとき、安部敏樹が、政治家の家業化を防ぐため、当選回数に制限を設けるべきと訴えた。田崎史郎は当選回数で制限をかけることは望ましくないと言って、「激論」になったと、デイリースポーツが報じていた。
間の抜けた「激論」である。議論すべきは、当選回数に制限を設けるよりも、田崎のいう「地盤・看板・かばん」で議員に当選できるという選挙民の意識の低さではないが。
「地盤」とは、地域の利害関係をつうじての特権的人々との結びつきのことである。町や村の実力者のいう通りに投票しないと、地域社会でいじめにあうことも含まれる。
「看板」とは、知名度のことで、単に名前を知っているだけで投票することを言う。私はこれに加えて、統一教会や創価学会や日本会議などの指示が、個人の投票行動を左右することをここに含める。
「かばん」とは、お金そのものである。誰に投票したらお金がもらえるかである。政党のバラマキで投票するということも含まれる。
そもそも、「戦後レジームからの脱却」すなわち日本の「反民主化」「軍事化」を唱える自民党が選挙で過半数をとるというのは、選挙民が自分の権利を適切に行使できていないことである。
私の知っている家族が、昨年の自民党総裁選で、岸田文雄なら何もしないだろうから、彼が総裁になったらいいね、と話しあったとその息子から聞いた。岸田は何もしないのではなく、安倍晋三の「戦後レジームからの脱却」の後継者だと主張し、安倍の国葬を強行した。5年間で軍事予算の2倍化がいま進行している。
私の妻の友だちの妹の娘が、財務官僚と結婚した。結婚披露宴で新郎の職場や大学の友だちがでてきて、「大日本帝国バンザイ」を言って、拍手を浴びていた。戦前の「軍国主義」のもとの苦しみの記憶が風化している。
私は、もっと、民主主義や平和主義をだいじにして欲しいのだが、テレビから気骨のあるコメンテーターが消えていくので心配している。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます