猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

日本学術会議が既得権団体などとデタラメを言わず、菅義偉は謝るべきだ

2020-11-04 23:06:26 | 日本学術会議任命拒否事件


菅義偉の国会答弁を聞いていると、たんなる口下手なのではなく、深く考えることもせず、自分のその時その時の思いだけで、行動しているからだと思える。

理屈をいう人も、結局、自分の情動に基づいて行動していると思うので、考えずに行動することを私は一方的に非難したくない。個性だと考える。

しかし、考えずに行動すると言っても、ルールに従わなければ、乱暴者に過ぎない。特に、国民の信頼に基づき、一定の権力をもっている、首相はルールに基づかず、行動を起こせば、乱暴者を越えて独裁者になる。菅がみんなに批判されても仕方がない。

元総務大臣の片山善博は、菅が自分に任命権があることを示したかっただけで、6名の日本学術会議会員候補の任命を拒否したのだろうとテレビで言っていた。私もそんな気がする。だから、国会で任命拒否の理由を問われると「個別人事の件は答えられない」というしかないのだろう。

任命拒否を受けた6名は、その理由を聞きたいと言っているのだから、「個人情報だから」は回答拒否の正当化にはならない。

誰が、菅に任命拒否をそそのかしたのだろうか。菅が素直に謝れば一件落着なのに、いろいろと言い返そうとする。きょう国会で、6名を除いた任命リストを菅に見せたのは、副官房長官の杉田和博だと答えたらしい。その前は、拒否した6名のうち、知っているのは加藤陽子だけだと言っている。ずいぶん、いい加減な話だ。

加藤陽子は日米開戦の経過を研究して本を出した研究者である。それ以前は、日本の真珠湾奇襲攻撃をアメリカ側が事前に知っていてわざと攻撃させたという陰謀説が日本にあった。彼女は、調査研究の結果、この陰謀説を否定したのである。これが、菅に気に入らなかったのだろうか。そのために、任命を拒否したのなら、これは完全に学問の自由の否定となる。加藤陽子のことを知っていると言った菅の真意はなんだろう。

菅は、また、日本学術会議は「既得権」組織だと言っている。会員のことを公務員だといっている。会員は、提言書を作成する会議に出席したときの日当と交通費をもらうだけで、本当の公務員のように、給料や年金をもらえるわけではない。日本国憲法では、国会議員も大臣も公務員である。国会議員は、年に2千万円以上もらう。総理大臣は約3千万円もらう。いっぽう、日本学術会議の会員は、日当と交通費を合わせても、年間30万円ほどにしかならない。

既得権者は国会議員や大臣ではないか。

また、日本学術会議に10億円かかっていると言うが、総額だけ強調するのではなく、その内訳を公開したほうがよいのではないか。

11月2日の国会答弁に出てきた日本学術会議事務局長はあまりにも無能なように見える。事務局の職員は約100名である。こちらは本当の公務員で給料をもらっている。事務局長の答弁を聞いて、政府は、事務局を役人の墓場として利用しているのではないか、と私は思った。日本学術会議の活動を国民に見えるようにするのは、常勤の職員の仕事ではないか。非常勤の会員を活動が見えないと菅や自民党議員が責めるのは お門違いだと思う。

最後に日本学術会議は、「学術」の会議であって、「科学技術」の会議ではない。「人文・社会科学」の会員を3分の1 確保するということを日本は世界に誇ってよいと思う。今回の任命拒否された6名がすべて「人文・社会科学」だということも、人間社会の機構や歴史を研究する人たちを菅は軽んじているのではないか、と思わせる。

菅は6名を会員にして、自分の情動で国民をふり回したことを反省した方がよい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿