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猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

きょうの菅義偉の総裁選共同会見はしょぼかった

2020-09-08 22:04:54 | 叩き上げの菅義偉


きょう、9月8日、自民党総裁選の公示と3人の共同会見があった。菅菅義偉は原稿をみながらの会見で、ひじょうにしょぼいという印象を与えた。

菅は、裏で動く政治家で、これまで、一般への露出度がなかった。これから、総理となると露出度が高まり、庶民出の政治家というイメージからくる期待を踏みにじるだろうと思う。

菅は私のちょうど1年下である。戦後間もない私の子ども時代は暴力こそが「正義」の時代であった。「法」とは表看板であって、誰も信じていなかった。中学校の玄関には、登校時と下校時には不良少年がずらっとならんでいて、教師たちとにらみ合っていた。菅は「暴力こそが法である」を内側に秘めているというように見える。「良い子の皆さん、先生のいうことを聞きましょう」という時代の人間ではない。

とにかく、共同会見での菅のスピーチはみすぼらしかった。おぼっちゃまの自民党議員は、菅を表の顔にして、衆議院選挙に勝てると思っているのだろうか。もっとも、私は自民党に勝ってほしくないが。

共同会見で、菅は地方出身で政治家の2世3世でないことと、官僚の掌握力を誇っているだけである。理念がないから、安倍政治の継承や愛国や憲法改正を旗印にするしかない。

菅は、森友問題でも、当時、官僚への聞き取りを直接おこなっており、事実を知ったうえで、安倍政権に波及しないよう、事件を握りつぶした。官僚の弱みを調べ、支配に利用する。暴力団のやり口である。菅は、官僚幹部の人事権を握っていた。

また、菅は横浜市にカジノをもってこようとしている中心人物である。この点でも利権政治家である。

9月8日のTBSテレビ『ひるおび』では、政治ジャーナリストの田崎史郎と柿崎明二は、菅の党内政治の陰謀を暴露していた。田崎によると、安倍晋三は昨年の9月二階俊博を幹事長から外し、岸田文雄をそのポストにつけようとした。それ以来、二階と安倍の亀裂があり、その間を取り持ったのが菅であるという。

菅は安倍の取り巻きの経産省系官邸官僚とそりが合わず、コロナ対策をめぐっての政府の右往左往はこの結果であるという。GoToトラベルは菅の企画である。アベノマスクは経産省系官邸の企画である。右往左往だけでなく互いに足を引っ張っていたのである。

8月には安倍の辞任の意思が周囲に明らかだったが、みんなで安倍を慰留していた。このとき、すでに菅は安倍後に向けて動いていた。そして、幹事長の職に固執する二階を利用したという。

ネットで他の政治ジャーナリストのコメントもみたが、田崎史郎のこのコメントを裏づけている。

安倍晋三のあとの菅義偉は、もっと人柄が悪い、災難だ

2020-09-05 11:26:37 | 叩き上げの菅義偉


今年の夏は猛烈に暑い。9月に入っても、朝から冷房をいれている。

こんなに晴天がつづき、暑いのに、今年は給水制限がない。ありがたい。
家にちゃんとクーラーがあり、熱中症で死ぬことを防いでくれる。ありがたい。
こんなに各家庭がクーラーをつけているのに電力不足にならない。ありがたい。

しかし、これは安倍政権のおかげではない。
水不足にならないのは、今年の梅雨が異常に長く、水がめに十分水があったからだ。
クーラーが各家庭に普及しているのは、日本の家電産業やダイキン工業のおかげである。大衆消費財の産業が日本で発達したのは、日本が平和憲法をもっていて、戦争に加担しなかったことである。
原発がなくても電力不足にならないとは、別に原発を再稼働する必要がなかったとのことだ。

この一連のありがたさは、安倍政治のおかげでない。

それなのに、9月4日の朝日新聞は、つぎの首相にふさわしい人のアンケート調査で、菅義偉の支持率が、突然38%に急増したと報道した。自民党支持層では、菅支持が49%になる。しかも自民党支持率も40%に急増、安倍政権の実績を評価するが71%にのぼった。

同じ日の昼に、急遽、このことについて、TBSテレビの『ひるおび』で田崎史郎、伊藤惇夫、龍崎孝、原田曜平がコメントした。

原田は、この自民党支持の急増、安倍政権の実績評価の急増は、安倍晋三が潰瘍性大腸炎でやめることに対する「かわいそう」という感情的なもの、いわゆる、「弔い合戦みたいもの」で、何かのきっかけに急速に冷めるだろうと言った。田崎、伊藤、龍崎も同じ見方で、情緒的なものは一時的なもので、勝てるときに、解散して総選挙となるだろうとの見方であった。

安倍が辞意表明した8月28日の直後の安倍政権の実績評価31%で、9月4日の朝日新聞では71%になったのは、メディアがいっせいに、海外の首脳の安倍に送る言葉を流したことにあると私は思う。病気で辞意を表明した首相には、儀礼で海外首脳は褒めるが、それを各局が何度も流せば、人間の心を操作できることを実証した形になっている。

伊藤は、安倍晋三が辞意を表明したからこの結果になったという。もともと、国民には安倍政権の実績を評価する人たちがいたが、安倍晋三の人柄には不信をもっていた。総理が菅に代わるならと、安心して安倍政権の実績評価を口にできたのだと見る。

そうすると、国民の多くは菅の人柄を買いかぶっていると言える。

伊藤は、菅の人柄を示すエピソードして、伊藤は「菅話法」というものを紹介した。それは、記者会見で質問に対して詳しく答えず、否定して終わることをいう。いつも、「全く問題ない」「仮定の話にはお答えできません」「そのような指摘はあたりません」と言い放って終わるという。

菅義偉の総理としての資質については、田崎、伊藤、龍崎は懐疑的だった。

伊藤は、外交に問題が生じるとの見方をした。田崎は、外交はこれまで安倍晋三の専権事項で、菅が関与していない、経験のなさをあげた。伊藤、龍崎は、菅の「頑な」で目の前のものに専念する性格、つまり、大局的なもの見方ができないことをあげた。

私は、菅の教養のなさが偏狭な外交政策を招くのではと心配する。アメリカの大統領レーガンは、教養がないバカそのものだったが、「頑な」ではなかった。側近の言うことに耳を傾け、無難に職を務めた。菅は劣等感が強く、努力の人だということを誇りにしているので、非常に「頑な」である。

田崎によると、8月29日の二階俊博、森山裕、菅の会合で菅が出馬を決断したと言われているが、菅が持ちかけた会合で、出席者は3人でなく、4人だったという。菅は、すでに出馬を決断しており、二階にそれを伝えたという。二階は自分を主役にしたかったので、自分が出馬を促したという話しに作りかえてメディアに知らせたという。

これまで、首相にしたい人の下位にしかいなかった菅が突然トップに躍り出たのは、好意的なかたちでのメディア露出が急に多くなったからだ、と伊藤は言う。しかし、派閥がなだれを打って、2,3日で菅支持にまわったことは不思議だという。

田崎は4人目が誰か明らかにしなかったが、菅の強力な応援者がいると、みんなが思っているようだ。田崎も伊藤も同じ人を考えているようだが、『ひるおび』では言わなかった。

菅を、地方出身者だ、農家の出だ、庶民だとメディアは煽る。しかし、農業をやりたくないと、故郷を棄て、東京に出てきた男にすぎない。勤め人は嫌だとして、権力を求めて政治家になった男にすぎない。自分が朝5時から働く努力の人を誇りしている。それを秘書にも要求している。彼が「自助、共助、公助」と言うとき、弱者に寄り添う心があるのか、弱者を切り捨てるのではないか、と不安に思う。

菅義偉は日本会議国会議員懇談会の副会長で、超右翼である。ほんとうに憲法改正に猛進するだろう。安倍を継承して、もっと強権的な国家運営をめざすであろう。こんな菅を支持する人たちは困った「いきもの」である。

菅義偉を総裁とする自民党は支持できない、安倍政治の継承はもうけっこう

2020-09-03 22:03:25 | 叩き上げの菅義偉


安倍晋三総理の後継者は菅義偉内閣官房長官で決まりだという。自民党総裁選挙の日程と方法を決める前に、各派閥は菅を自民党総裁に押すことを決めた。菅にすれば各派閥の利害を尊重してくれるという派閥の思惑からだ。党内の民主的手続きを無視した方が、各派閥の利害が尊重されるという不思議な構図になっている。

菅は、9月2日に総裁選出馬の記者会見で安倍政権の道を引き継ぐと、つぎのように言っている。

〈まずは目の前にある危機を乗り越えることに全力を挙げつつ、こうした山積する課題にも引き続き挑戦をしていきたいと思います。〉

ここで「目の前にある危機」とは

〈なんとしてもコロナ感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図り、雇用を守り、経済の回復につなげていかなければなりません。ポストコロナを見据えた改革を着実に進めていく必要があると思います。〉

のことである。しかし、今まで、政権を担当していて、「コロナ感染拡大の防止」が的確でなかったことをどのように考えているのか不明である。また、「ポストコロナを見据えた改革」とは何かに不安を感じる。

安倍政権は、専門家会議の議事録公開を拒否し、「コロナウイルス感染対策専門会議」を解散し、分科会組織に組み込み、会議の前に「官邸」の方針がメディアに流されるようになったが、これは外部の専門家たちの適切な利用と言えない。

「改革」が官邸に忖度する形の官僚制の強化であってはならない。政府はあくまで行政サービス機関の中枢である。行政の意思決定過程を透明化しなければならない。
この点で、安倍のやり方を引き継いで欲しくない。

また、「山積する課題」とは

〈その上で少子高齢化問題への対応、戦後外交の総決算をはじめとする外交・安全保障に、その課題、とりわけ拉致問題解決に向けた取り組み、そして憲法改正。〉

のことを言っている。まさに、これが「安倍総裁が全身全霊を傾けて進めてこられた取り組みをしっかり継承」の中身である。

「国の基本というのは自助、共助、公助」と言っているが、そんなことで、「少子高齢化」が解決できるか。問題の本質は「少子化」であるが、本来、家族が増えることは人間にとってうれしいことであるのに、「少子化」が起きるということは、それだけ、経済的にも精神的にも国民が追い込まれているからだ。

「戦後外交の総決算」というのも恐ろしい言葉である。日本の戦後は「対米従属」であり、米軍基地が沖縄に集中している。これに手をつけない「総決算」は、対米従属の下の日本の軍国主義化になってしまう。この文脈で「憲法改正」とは、日本が戦争できる国にすること(自衛隊を軍隊と明記)、戦時体制のための「非常事態条項」を付け加えることになる。

安倍政治の継承という菅義偉を総裁とする自民党を支持するわけにはいかない。