ソニーに引き続き、天下のシャープまでが行き詰まり、台湾の企業にその命運を握られているという。2012年3月度の連結純利益は▲376,076百万円という過去最大級の大赤字で、数年前は2000円を越えていた株価も、一時200円を切るほどまで急降下してしまった。一体何がシャープをここまで酷い状況に追い込んだのだろうか。
その原因は大きく以下の三点に集約されるという。
1) 巨大企業であるにもかかわらず、液晶事業に特化し一枚看板しかなかった
2) 国内生産に拘り過ぎた結果、輸出に罹る円高のリスクを回避出来なかった
3) 液晶テレビの価格下落が続く中、堺工場へ3800億円もの巨額資金が投じられたが、投資効率が上がらなかった
いずれも、亀山工場ブランドで大成功し、その後その驕りが仇となってしまったと考えられる項目ばかりだ。まあよくありがちな人間心理が、皮肉な結果を産んでしまったということなのだろう。それにしても揃いも揃って情ない経営陣である。
一枚看板に特化し、技術力を磨くことそのものは、決して悪くはないのだが、それならここまで巨大企業にする必要はない。それにすでに数年前から、技術力においても翳りが出ていたことにも気が付いていなければならなかったのだ。
もう数年前には、シャープの亀山モデルより、東芝のレグザのほうがずっと美麗な画面になっていた。そして価格も安くなっていたのである。だから私もレグザを買った。たぶん多くの消費者が同じ判断をしたのではないだろうか。
そのことに気付かず、従来の単調な経営方針だけに終始した経営陣の超甘判断力は、情ないを通り越して一種の犯罪であろう。20代の私が、弱小出版社の経理をしていたときは、毎日のように数件の書店を覗き、どんな本が売れているのかを徹底的に調査し、それを次ぎの企画へと繋げていたものである。
たった20代の若増にも出来るこんな簡単な事、つまりシャープの経営陣が、毎日のようにヤマダ電機やヨドバシカメラの店内をくまなく歩きまわっていれば、シャープは今日のような状況に陥らなかったはずである。
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