経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

健康麻雀を知ってるかい

2024-05-18 14:31:50 | ひとりごと

 近年シニア層や中高年を中心に健康麻雀が流行しているという。なぜ健康麻雀という名前が付けられたのかというと、賭け金無し・煙草無し・飲酒無しと三拍子揃った健全な麻雀だからである。従来麻雀と言えば、「酒と煙草に塗れながら深夜あるいは夜を徹してまで続ける博打」というイメージが纏わりついていたものだ。それらの悪毒を全て排除するのだから、これはもう囲碁将棋と同様、プライドだけをかけた頭脳ゲームということになる。

 もちろん基本的なルールは全く変わらないのだが、博打要素を排除したため「特殊役」や「ご祝儀」などは一切つけない。だから公民館などの公共施設でも健康麻雀であれば、サークルとして認めているようである。但しその場合は、雀卓や麻雀牌などはセルフで準備しなくてはならない。いずれにせよ、公民館を利用できれば雀荘のような高額の場所代を支払わなくて済むし、利用時間に制約があるため、きちっと時間通りに終了することができるのが嬉しいのである。

 考えてみると、賭け事は基本的に勝者は存在しないものである。つまり胴元が損をする訳にはゆかないので、胴元の最低取り分(テラ銭)だけは担保されているということである。従って平均的に考えれば、テラ銭部分は損をする仕組みになっているものなのだ。もちろん一時的に大勝する者もいるかもしれないが、あくまでも永遠に続けた場合は、統計的に誰も勝てない理屈なのだ。

 では胴元のいない麻雀の場合は、強いやつが儲かるはずだろうという者がいるかもしれない。ただいつも負けてばかりいれば誰もやらなくなってしまうので、そこそこ同じようなレベル同士で卓を囲むため、あとは運次第ということになる。また長い目で見れば、やはり運も同じように巡ってくるものである。
 結局のところ、長期的には殆ど差がなくなるのだがそれだけでは済まない。つまり胴元と呼ぶものは存在しないものの、雀荘の場所代・飲食代それに加えて、帰りのタクシー代などがかさみ、全員が負け犬という結果になるのだ。さらに前述した「特殊役」や「ご祝儀」などには、麻雀自体の通常点数より何倍もインフレ水増しした金額などを設定している場合もあり、通常ルールだけなら5000円程度の負けでも、それが10倍以上に膨れ上がることがある。

 そんなことが続いたこともあり、公認会計士や銀行員との接待麻雀も廃れ始め、40代後半ころを機に「不健康な麻雀」はずっと封印していた。それから30年の時が流れ、年金生活者を続けているとき、囲碁将棋の仲間から健康麻雀の誘いを受けたのである。もう点数計算も忘れたのでと辞退したのだが、何度も誘われいつの間にかメンバーに引きずり込まれてしまった。
 だがやり始めてみるとなかなか面白い。と言うよりは博打要素が全くないので、負けても勝ってもあっさりしていて、ストレスゼロなのが非常に嬉しいのである。そして囲碁将棋のように必死に考えることもなく、軽口をたたきながら遊べるし、負けても勝っても運のせいにできるので気が楽なのだ。そのせいか不思議なことに、かなり勝率が良く楽しさも倍増している。こんな年齢になって、趣味がまたひとつ増えたのがありがたい。

作:蔵研人

 

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少子化少子化とうろたえるな

2024-05-10 16:37:34 | 経済ニュース編

 政府は近年の少子化を憂い「異次元の少子化対策」と謳い、児童手当の充実、育休・時短勤務の奨励、出産費用の保険適用、保育所利用要件の緩和、住宅ローンの金利優遇、大学の授業料無償化などなど、信じられないほどの大判振る舞いを予定している。
 それらに要する予算額は3.6兆円規模と言われているが、いまだにその財源についてははっきりしていない。いずれにせよどのような仕組みを構築したとしても、これだけの大金をバラ撒くのだから結局とどのつまりは、高齢者をはじめとして国民全員に大きな負担増を強いることになるはずである。

 まあそれでも、これらのバラ撒きによって本当に少子化問題が解消するならば、未来の日本のために我々も我慢しても良いだろう。だがどう考えても、バラ撒きだけでは少子化の波は止まるはずがないのだ。まずはそれを検証するために、アジアでの少子化動向を記しておきたい。

韓国の少子化事情
 合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が0.81(2021年)と圧倒的に低い状況に陥っている(因みに日本は1.30 中国は1.16 米国1.66 英国1.53 ドイツ1.58 ニジール6.82 ソマリア6.31)
 その主な理由は、教育に金がかかり過ぎる、ソウルの大学しか価値がない、行き過ぎた学歴社会、家賃が高く保証金も異常に高い、結婚したら家を持つと言う慣習がある、労働市場の格差と不安定雇用の増加、保育園や放課後教室などの不足、高学歴化と情報過多により家事・育児の負担や姻族との関係に否定的な女性が増加している

中国の少子化事情
 何と言っても過去の一人っ子政策がいびつな男女人口比を生み出したことが最大原因である。さらに韓国同様、莫大な教育費と、男性が家持ちでないと結婚しにくい、女性の高学歴化なども大きな要因となっている

 つまり少子化の一般的な背景として、基本的にアフリカなどの貧しい国では出生率は高くなり、豊かになると少子化が進む傾向がある。また女性の社会進出が進み一人でも暮らせる環境になったことも影響しているという。
 さらに子供は労働力で、老後の支えだった時代が終わり、逆に金食い虫的存在になった。ことにアジアでは一局集中的な傾向があり、地価が高騰し住宅環境が悪化している。また女性が自分より高い学歴を持つ男性を選ぶ傾向が強いことも影響しているようだ。

 さて日本における少子化原因についても、韓国・中国などとほぼ同様に莫大な教育費と高家賃が影響していることは否めないのだが、その根源にあるのは「豊かさ」の中で育ってきた親たち自身が、子供のために自己犠牲を覚悟することができないからであろう。
 子供がいてもいなくても、まずは服やバッグや装飾品はブランド品を買いたいし、美味しい贅沢な外食を続けたい、広くて綺麗な住居にかっこいい車を持ちたいし、ときどき海外旅行にもゆきたい。……といつまでも独身貴族気分から抜けられない。さらにはいじめや不登校などの社会問題も日常化している。

 だから「これらの極楽を投げ打ってまで子供など作りたくない」と考えるほうが正常思考なのではないだろうか。そして彼らは子育てが金だけの問題ではなく、肉体的にも精神的にもかなりの負担を強いられることもちゃんと分かっている。そんな本音が隠されているからこそ、冒頭で述べたバラ撒きだけの「異次元の少子化対策」が実施されたとしても、ほとんどの若者が、子育てなどと言うハイリスク・ノーリターンの一大難事業には絶対に手を出すわけがないのである。

 従ってもう効果の薄い「異次元の少子化対策」などのバラ撒きはやめたほうがよい。ある意味で少子化とは贅沢病だから、核戦争や大地震などが起こって、世界中が貧困に喘ぐようにならない限り、その連鎖は止まることがないだろう。
 当然、少子化でも平和と安定を選択したいし、「少子化の何が問題なのか!」と逆転の発想で前向きに開き直ったほうが得策なのだ。つまり世界的な視点で見れば、少子化こそ食料危機が緩和し二酸化炭素の減少にも貢献するではないか。もちろん一時的に生産性の低下は招くが、必ずしもGDPの増加が正確に豊かさを示す指標とも言い難いはずである。

 だからと言って、黙って指をくわえていればよいわけではない。少なくとも豊かさを目指す限り少子化は避けられないのだから、バラ撒きという安易な手法ではなく、少子化を前提とした社会構造の大改変、技術の大改革、AIの活用などに取り組めば、「たかが少子化」ぐらいは、必ずカバーできるはずだと確信したいのである。

作:蔵研人

 

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