経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

4630万円の誤送金事件の真犯人

2022-05-20 14:03:00 | 経済ニュース編

 今現在全国的な話題になっている山口県阿武町の『4630万円誤送金事件』について一言申し上げたい。逮捕されたT容疑者は、すでにネット賭博で全額使い切ってしまったと嘯いているとか。なんと町の職員が返却願いに訪ねて来て、誤送金だと知っていながら、惚けて「数日間で使ってしまった」この容疑者の荒唐無稽な図々しさにはただただ驚愕するばかりだ。

 それにしても、こんなとんでもない男の口座に誤送金したのは、天文学的な偶然と不運としか言いようがないよね。またこんなバカげた誤送金処理をしてしまった町職員のレベルの低さにも呆れ果ててしまうし、それをチェックするはずの上司のいい加減さにも腹が立つ。さらにはこんな大金が役所から個人口座に振り込まれることに疑問を感じない金融機関もどうかしている。
 だが一番呆れるのは、T容疑者宅に返却願いに行き、T容疑者から風呂に入るからと言われて数時間待たされた挙句、その後銀行まで同行したが急に「今日は手続きしない」と言われて別れてしまった町職員のお人好し振りである。さらに数日後に容疑者の母親同行のうえ、容疑者と面会したが返却を拒否された時点でも、なぜ銀行に口座凍結依頼をしなかったのか。

 それにしても、それにしてもだ、余りにも単純なミスと偶然が重なり過ぎているではないか!。なんだかまるで米国製のギャング映画を観ている気分だ。もしかすると容疑者・町職員・銀行員がグルになって仕組んだ窃盗事件なのでないだろうか…などと変な想像をしてしまいそうである。
 そもそもこの事件のきっかけは、公明党がコロナ対策の一環として提案した「住民税非課税世帯に対する10万円一律給付金」というバラマキ政策を実施したためである。ただ単純に住民税非課税世帯と言っても、20代で働き盛りだが、遊び惚けて犯罪を犯すT容疑者のような人間も含まれているのだ。いずれにせよ選挙対策のために、単純なバラマキ政策をゴリ押しした公明党の責任も無視できないのではないだろうか。

作:蔵研人

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名目倒れのリフィル処方箋

2022-05-05 20:55:22 | 経済ニュース編

 2022年4月から「リファイル処方箋制度」が導入されると聞いて、久々にグッドニュースだと大喜びしたものだが、残念ながら糠喜びに終わってしまった。と言うのも私のかかりつけの医師たちが、この制度を全く実施する気がないからである。

 さて本格的な嘆き節をぶちまける前に、まずこの「リファイル処方箋制度」について簡単に説明しておきたい。
 従来通常の処方箋は、医師が決めた日数分の薬を一度だけもらえるものだったのだが、リファイル処方箋では定められた一定期間内、回数内であれば、同じ処方箋で医師の診察なしに繰り返し薬をもらうことが出来るようになったのである。
 具体的に言えば、慢性疾患の治療薬で30日分処方、3回までリフィル可能となり、1回の受診で最大3回まで処方薬を受け取ることができるという制度なのだ。もちろんこのリファイル処方箋導入の狙いは、「患者の通院回数及び窓口負担額の減少」と「医療機関の混雑緩和」、「医療保険費の抑制」だと考えられる。

 まるで良いこと尽くめの制度なのだが、この制度を好ましく思わない者がいた。それは何を隠そうこの制度の鍵を握っている開業医たちだ。つまりこの制度が順調に機能してしまうと、いままで薬をもらいに通っていた患者の来院回数が1/3になってしまい、再診料と処方料収入が激減してしまうからである。

 ところで、私が慢性的疾患で最低月1回通っている医療機関は、心臓疾患の「循環器内科」、高脂血症の「内科」、慢性的腱鞘炎の「整形外科」、副鼻腔炎の「耳鼻科」などだが、これらの医師たちにリファイル処方箋を要求したところ、全員がうちでは扱っていないとの回答。その理由は1か月以上診察なしで薬を出すのは安全性の見地からよくないという、もっともらしい言い訳が大半だった。ただ一人だけ正直な医師が、収入減らしきことを仄めかしていたが…。

 だがそんなことはこの制度を創るときに散々討議され、政府が問題なしと判断して施行したのではなかったのか。そもそも海外ではとっくの昔に、アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス等多くの先進国で導入されているし、国によっては1年間有効のものも存在しているのだ。日本ではたった3か月間だけだし、体調が良くなければ3か月経たなくても自主的に診察に行くのにね…。

 つまり開業医でリファイル処方箋が機能しない原因は、「発行の有無が医師の判断に任されている」ことにある。それは日本では相変わらず医師会の政治力が強力であり、いまだ薬剤師の社会的地位や職務範囲が弱いことに起因しているのかもしれない。

 それにしても、やっと導入した国際的かつ合理的な「リファイル処方箋制度」なのに、開業医たちの利益保守のために、このまま永遠に葬られてしまって良いのだろうか。この状況を政府がいち早く察知し改善しなければ、日本ではいつまで経っても、医療機関の大混雑と医療費の増加が抑えられないだろう。

蔵研人

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