経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

天災時の台湾の迅速な対処

2024-04-18 17:45:28 | 経済ニュース編

 新型コロナウィルスが流行した時、台湾ではわずか3日で国民全員にマスクを配布するシステムを構築し、世界中から絶賛の嵐を浴びたことを覚えているだろうか。その台湾で今年の4月にマグニチュード7.2の大地震が勃発したことは記憶に新しい。震源地・台湾東部の花蓮県では、5階建ての建物が大きく傾き1階部分が押しつぶされ、中に人が閉じ込められているという情報や、いくつかの10階建て以上の建物が倒壊し、多くの住民が閉じ込められているといるという情報が錯綜するほど酷い地震だった。

 さて元旦に起こった能登半島地震の折は、いの一番に見舞金を届けてくれた親日の台湾。我が国もそのお礼に間髪を置かずに見舞金を送らなくてはね。と思っていた矢先のことである。TVで台湾の避難所の様子が放映され度肝を抜かれてしまった。
 つまり被害が大きかった花蓮市内の避難所では、冷房完備、簡易ベッドが備えられたプライバシーに配慮したテントが設置され、女性専用や特別支援者専用の寝室も設置されている様子が放映されていたのである。さらに食事は、台湾名物の豚肉ごはん「魯肉飯」に、魚の練り物、焼きアユ、丼物や麺類、ドリンクまでも用意されていた。そのうえ、無料Wi-Fi、充電サービス、電話サービス、無料アロママッサージ、無料クリーニング。子どもが遊ぶスペースにはゲーム機まで用意されていたのである。しかもこれらの設営は地震の発生から数時間で完了しているというのだ。

 当然だが避難者たちは、「避難所の生活はとてもいい。必要なものは足りている。食べ物も十分にある」と語っているではないか。これら比べて能登半島地震の際の避難対策は、前述した台湾の避難所の10%にも満たないお粗末さだった。先の東日本大震災の教訓さえ、ほとんど生かされていない状況である。
 とにもかくにもバラマキしかできない情けない政府と政局批判しかできない野党のセンセイ方、台湾の目くそ鼻くそでも煎じて飲んでくれ給え。そうして次に起こるであろう天災地変には、迅速かつ的確に対処できる能力を養ってほしいものである。

作:蔵研人

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レンタルビデオ店の衰退

2024-04-08 14:14:56 | ひとりごと

 もう40年以上前の話である。映画好きのぼくは毎週金曜日になると、会社帰りに東京都内にある名画座に通っていた。高田馬場の「パール座」「早稲田松竹」、飯田橋にある「佳作座」「ギンレイホール」、渋谷全線座、池袋名画座、八重洲名画座などなどで、確かどこも大体2本立て500円だったと思う。
 これが当時ぼくの唯一の楽しみだったのだが、あるとき静岡県の各駅停車しか止まらない町に転勤となってしまった。もちろんその町の周辺には映画館などあるわけもない。列車に1時間も乗れば映画館のある大きな街へ行けないこともないのだが、2本立て500円の名画座などあるわけもなく、せいぜいピンク映画館かロードショウ館しかなかった。

 ただやはり映画好きの同僚が、最近隣町にレンタルビデオ店が開店したと教えてくれた。それでさっそく車で30分かけて隣町のレンタルビデオ店へ向かう。そこは5~6人も入れば満員になるほど小さい店である。
 そこで今まで観たことのなかったB級ホラー映画をレンタルしたのだが、なんと1泊で1800円も支払う破目になってしまった。東京では500円前後と聞いていたのだが、このド田舎では競合相手がいないためか、とんでもない料金設定になっていたのだ。それでも懲りずにその後も数回通った記憶がある。今思い出すと、ほんとに馬鹿な男であった。

 3年後に本社に呼び戻され東京にUターンしたわけだが、その頃は既にレンタルビデオの全盛期となり、レンタル料も1泊300円程度に落ち着いていた。だがその影響で名画座がどんどん閉鎖してしまい。ついには「早稲田松竹」と「ギンレイホール」を残すのみとなってしまったのである。
 一方のレンタルビデオ店は雨後の筍の如く乱立し、住まいから徒歩で行ける範囲で3軒も軒を連ねているではないか。ぼくはその中の1軒で特別会員登録し、1万円で一年間借り放題プランに参加することにした。だから休日は朝から晩までビデオ三昧で、家族から総スカンを食ってしまった。なんとその年は年間400本以上は観たかもしれない。またまたここでも、ぼくの「馬鹿」が暴発したのである。

 それから暫くして課長に抜擢された頃になると、もうビデオどころではなく毎日深夜まで仕事漬けの毎日が続いた。ビデオ鑑賞が復活したのは、50歳を超えて岩手に転勤したときである。本社と違ってそこでの仕事はのんびりしていたし、単身赴任の退屈しのぎにプレイステーションを購入しゲームとビデオ三昧に塗れてしまった。
 その頃になるともうビデオテープではなく、映像が美麗で場所を取らないDVDが主流になりつつあった。そしていずれビデオテープは姿を消しDVD一色に染まるのだが、レンタルDVD店とは呼ばず相変わらずレンタルビデオ店と呼んでいたものである。

 その後DVDからブルーレイに移行するのだが、なかなかブルーレイに統一されないまま、いつの間にかレンタルビデオ自体が下火になって行く。その理由は「ビデオオンデマンド(VOD)」と呼ばれるインターネットの有料動画配信市場が急速に拡大したためである。
  具体的には「アマゾンプライム」「U-NEXT」「Netflix」「Hulu」「DAZN」などがあり、最近ではTVのリモコンに直通ボタンが設定されている。例えば「Hulu」に加入すれば、月1,026円でドラマ、アニメ、映画、バラエティなど人気作品がいつでも見放題となるのだ。とにかく安いし、レンタルビデオ店まで足を運ぶ必要もないし、貸し出し中ということもないし、スマホやPCで移動中でも鑑賞できる。これでは誰もレンタルビデオ店になど行かなくなるはずである。

 そして当たり前のように、レンタルビデオ最大手TUTAYAの各店舗が相次いで閉店ラッシュを引き起こしている。それでも自宅近くにあったDORAMAは、閑古鳥が鳴きながらも頑張っていた。
 ところが先日久し振りにDORAMAを訪れたら、なんと建物全体が工事用のシートで覆われているではないか。近づいてみると閉店の張り紙が目についた。この店には30年以上通ったので、工事シートと張り紙を見たときは、心の中が寂寞感で真っ黒に塗りつぶされてしまった。いつかこの日が来ると思ってはいたのだが、ぼく自身が2年近く顔を出さなくなったくらいだから当然の成り行きとも言えよう。

 かつてTVとビデオの普及で名画座がつぶれ、そしていまインターネットとオンデマンドの拡大によりレンタルビデオ店が消えて行く。まさに歴史は螺旋状に繰り返してゆくのであろうか。「サヨナラ、レンタルビデオ……」。

​作:蔵研人

 

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ネット販売の送料について

2024-04-05 14:04:40 | 経済ニュース編

 アマゾンが圧倒的に売り上げを伸ばした理由は、進出当初に「全商品送料無料」という太っ腹な戦略が実行されたからだと断言しても良いだろう。例えて言えば、100円の商品を売るのに1000円の送料を無料奉仕する、という信じられない大盤振る舞いだった。一体どういう仕組みでそんな無謀な商売が成り立つのだろうか、とユーザーのほうが心配してしまったものである。
 もちろんこの大胆な戦略は、客の呼び込み・囲い込みとして使われた広告宣伝費のようなものであり、ほぼその目的を達成した2016年にあっさり廃止されてしまった。そして2000円未満は送料350円という仕組みに衣替えしたわけだが、やはりこれでも採算が合わなかったのか、最近になって無料配達は3500円以上、それ以外は送料410円となってしまった。
 そんな訳でさんざんアマゾンに引っ搔き回されて、無理を承知で送料値引きを追随した楽天その他の日本企業こそいい面の皮だったのである。

 さて近年ネット販売が主流になってくると、やはり送料が一番のネックになってくることは間違いない。ましてや運転手不足などで物流業界も四苦八苦している状況であり、今後も運賃の値上げは避けられないだろう。
 そんななかで各社いろいろと工夫しているのだが、規模の小さな企業では郵便局の定形外郵便をフル活用している。まっとうに宅急便を使えば最低でも720円かかる送料が、定形外郵便なら最低120円という超低料金で済むからである。ただし郵便だと届くまでに時間がかかる。土日を挟むと1週間もかかるのが弱点である。これをカバーしたのが、クロネコヤマトのネコポスなどで、料金は定形外郵便よりやや高い210円だが、2日くらいの郵送期間で投函されるのが嬉しい。

 だが今のところ最強はヨドバシカメラの自社配送システム「ヨドバシエクストリームサービス便」であろう。なんと昔のアマゾン同様、どんなに安い商品でも送料が無料で、宅急便よりも素早く正確に届くのである。そのうえご存じの通り、最低でも10%のポイントというオマケも付く。また肝心の販売価格もそこそこ安いという三拍子が揃っている。だから最近ネット販売と言えば、まずヨドバシドットコムで探すようになってしまった。
 たださすがのヨドバシも全く弱点がないわけではない。この自社配送システムは、大都市周辺の対象エリアに限定されているようだ。だからと言って対象エリア外で配送業者を使っても、今のところ送料は無料だというのが偉い!。いずれにせよ大したものである。
 またアマゾン・楽天・ヤフーなどに比べると若干品揃えが少ないのが気になるかもしれない。だがそれは安心できるメーカーの製品に限定していると考えれば納得できるだろう。

 まあいずれにせよ先にも述べた通り、今後は便利なネット販売がますます主流になることは間違いない。だが逆に言えば競合相手もひしめいているということになる。そしてますます物流の進化が期待される。極論すればネット販売とは物流産業なのだから、それを制した者が勝ち組として残ることは間違いないだろう。


作:蔵研人

 

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