人工知能(AI)が大きく進化するきっかけを創ったのは、チェス・将棋・囲碁などの盤上ゲームへの活用だったのではないだろうか。だがこの件については過去に本ブログで報告済の通り、既に人間の能力の限界を遥かに凌駕してしまった。つまりこの分野でのさらなるAI研究は無意味、と言うよりある意味で害になりかねない状況なのである。
従って進化したAIが次に向かうのは、現実の業務や生活の中で直接役に立つ分野でなくてはならないだろう。もちろんあらゆる業界で、進化し続けているAIの役割を検討し、実際の業務に活用している例もあるようだ。
そのいくつかを挙げると、概ね次のようなものがある。
①画像解析技術により、通行人、対向車、標識などを識別し、自動車の自動運転技術に応用
②また画像解析技術を利用し、画像を見てその状況を言葉にして説明する技術
③医師よりも正確に疾患を診断する技術
④言葉を聞き取り、議事録を作る技術
⑤僅かな音の違いを聞き分けて、機械の不調などを察知する技術
⑥相手の話に合わせて会話する技術
⑦小説を書いたり、作曲したり、絵を描いたりする芸術的な分野の技術
まあこれらはまだ開発途上のものも多く、前述した盤上ゲームのように究極的な完成品には至っていないのだが、多分時間が全てを解決してくれるはずであり、そう長く待つこともないであろう。
ただ私がAIの応用に一番望んでいるのは、何と言っても完全な自動翻訳なのだが、これは実に古くてかつ新しい問題でもある。この自動翻訳器を完璧なものに仕上げるためには、上述した音声認識技術の更なる向上が必要なことは言うまでもないだろう。
さてその自動翻訳器よりもっと楽に完成出来そうなのが、経理の分野でのAI活用である。決算短信・有価証券報告書・営業報告書などは、その気になれば簡単にAI化出来そうな気がする。ただ自動翻訳器のような全人類的な大需要には遥かに及ばないし、全世界の決算報告スタイルが統一されないていないのもネックなのではないだろうか。
それにしてもである、深層学習(deep learning)を駆使した人工知能の登場から、AIは飛躍的な進化を遂げていることは間違いない。さらには自己学習機能を伴っているため、放っておいてもAIはどんどん自己学習して猛スピードで進化を続けてゆくのである。
そしていつかは鉄腕アトムのような優秀なロボットが生まれて、人間がやるべき仕事がほとんどなくなったとき、我々はどうやって生きてゆけば良いのだろうか。それも併せて考えて行かねばならない日がくるのも、そんなに遠い日ではないのかもしれない。
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