経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

税務調査中の接待

2017-03-27 16:48:10 | たそがれ経理マン編

 1998年に発覚した大蔵省接待汚職事件(ノーパンしゃぶしゃぶ事件)以来、公務員の接待規制が厳しくなり、現在は税務調査時の接待はほぼ皆無になったようである。では昔は大袈裟な接待をしたのかと言えば、必ずしもそうとは限らない。ことに公務員の中でも税務職員は、ある意味で税の取立人であるから、昔から企業の接待には用心深く「お茶は飲むがコーヒーは飲まない」とか「企業が用意した昼食は、実料金に満たなくとも規定料金分だけは精算する」とか囁かれていたくらいである。

 だがそれはあくまでも建前で、ことに東京本社での調査時に限ったことだった。だから地方にある工場などへの出張調査時には、だいぶ心が緩んでいたようだ。
 都心の場合は、万一接待された場所などで、同僚や上司などと偶然会うかもしれない。またそうした『戒めの眼』が調査官の心の中でも光っていたのかもしれない。
 だが地方に行けば知っている人に出逢うことは皆無だし、だいたい工場周辺は辺鄙で、歩いて食事に行けるところも見当たらない。また数日の出張では細かい調査は余り出来ず、工場見学をしたり原価計算の説明などを受けているうちに、だんだん気分も大らかになってくるものである。

 そして昼食は工場の社員食堂で良いと言っても、「申し訳ありませんが、準備が出来ていないので外部の食堂へ案内します」と言われれば、とりあえず断るわけにもゆかないではないか。こうして車に乗せてしまえば、もう後戻りは出来ない。そのまま1時間程度かけて遠出し、海辺の高級割烹まで連れ込んで「海の幸ース」を振る舞い、帰りがけに奥様へのお土産と言いながら「塩辛や干物」などをそっと手渡すのだ。これで工場へ戻ればすでに夕暮れが迫っており、調査官たちはもう仕事をする気にはならない。

 さすがに翌日は調査官たちも、「今日のお昼は社員食堂か、もう少し近い場所でお願いします」と言ってくる。だが手足をもがれている彼等に選択の自由はなく、「はいわかりました、今日は近場にご案内します」と言われれば、それに従うほかはない。そして今度は車で5分位の料亭に連れて行き、昼間から『スッポン料理』のフルコース。

 ・・・結局のところ、調査員たちが工場で得た収穫は『消耗品の棚卸漏れ3百万円』オンリー、しかも翌期認容につき実質ゼロに等しい体たらくなのだ。そしてそれも企業側が事前に準備した『お土産』だったのである。まあ出張調査などそんなものなのだが、工場で調査に立ち会っていた経理担当者は、なんと元税務調査官から転職したA課長であった。

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実力者の転職先の選択

2017-03-16 17:15:22 | 一口メモ

 かなり実務経験を積んでいる実力者であっても、転職はなかなか難しいときがある。ことに年齢が40歳を超えていて、かつ学歴に余り自信のない人が転職する場合は、転職先企業の選び方を間違えるとなかなか再就職が出来ないだろう。
 絶対に選んではいけない企業は、超大企業で学生たちに人気の高い企業だ。とにかく応募者が圧倒的に多いので、倍率が高くなるのは当然だが、真の理由は人事担当者が機械的に選別してしまい、年齢の高い者や低学歴の者はふるい落とされてしまうからである。
 
 例えば経理の超実力者が、職務経歴書にりっぱな経歴をびっしり書き連ねていても、経理実務を全く知らない若い人事担当者には『猫に小判』なのだ。彼等が分かるのは年齢と学歴・資格ぐらいだからである。つまり5000人の応募があり、そのうち100人を人事担当者が選別して経理部長などに渡したとすると、すでにふるいにかけられた者は、どんな実力者であろうとも絶対に陽の目をみないことになる。

 逆に中堅規模以下で人気企業でなければ、応募書類がそれほど多くないから「社長や経理部長など」が全員の書類を見る可能性が高く、実力者の実力のほどを職務経歴書等でチェックしてくれるはずである。こうなればしめたもので、実力さえあれば少なくとも面接まではたどり着けるはずである。またこうした企業なら、就職後に十分に実力を発揮することにより、将来重要なポストを用意してくれるかもしれない。恋人選びと同様、くれぐれも容姿や人気度だけで企業を選ばないことである。

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恐ろしいお爺さんたち

2017-03-07 12:05:42 | ひとりごと

 一昔前なら60歳を過ぎれば小津映画に登場する笠智衆のように、ヨロヨロしたようなのんびりしたお爺ちゃんだった。ところが最近は大往生の年齢も一挙90歳以上に跳ね上がり、60歳程度ではまだまだ鼻たれ小僧とまでは言わないが少なくとも元気者揃いである。それどころか70歳を過ぎた高齢者の自動車事故や殺人事件などが後を絶たない、と言うより急増しているという有様なのだ。

 そして彼らの中にはかなり短気でマナーの悪いお爺さんたちが目立っている。自動車を運転していても、他人に対しては決して譲らないのに、自分は無理矢理割り込んでくる。公衆浴場の浴槽の中でもブルブルと顔を洗い、飛沫が当たるので注意すると逆切れする。またちょこっと肩が触れただけでも因縁をつけてくる。そして囲碁を打っていてもガタガタと呟き、他人がちょっと長考すると大声で喚き散らす。
 などなど恐ろしくてたまらない。私は「お互い年を取ったのだから、もっとゆったりと楽しみませんか」と言っても、「うるせい!若造が!」といった顔付で睨み返してくるだけなのだ。「あーあ」なぜこんな恐ろしいお爺さんが増えてしまったのだろうか。
 
 この最大原因は、医学の進歩により寿命が大きく跳ね上がったことにあるのだが、高齢者になるほど生活格差が大きく貧困率も高いということも影響しているらしい。さらに核家族化や若者の都市部への流出による孤立化といった生活空間の歪みも考えられるだろう。
 また男尊女卑の時代に育ち、就職・結婚後も、妻や同僚・部下の女性に甘やかされながら年を重ねてしまい、もう後戻り出来ない世代の高齢男性も多いのかもしれない。
 もちろん、紳士的で知識豊富で尊敬すべき高齢者の方も大勢いるのだが、元気な高齢者が増えれば増えるほど、恐ろしいお爺さんの出現数も増える道理であろうか。

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