野党は安倍首相主催の『桜を見る会』に、首相の後援会関係者が多数招待されていたことを問題視し、国会での質疑応答時間のほとんどを費やしてしまった。つまり桜を見る会は税金で賄われており、「公私混同」ではないかと言う訳である。
それに対して政府は、その招待者名簿を破棄して提出できないと、証拠隠滅だと疑られるような苦しい回答に終始している。さらには、安倍事務所が企画したツアーには、『桜を見る会』前夜に都内のホテルで開いた夕食会も含まれており、会費制なのに主催した首相後援会の政治資金収支報告書に記載がないなのだと言う。そして野党側が、その夕食会の明細書も出すように要求すると、首相側は「そんなものは存在しない」と主張しているのである。
これでは誰が聞いても首相側の説明がインチキ臭いのは明白であり、ついにここのところ安泰であった安倍内閣支持率も低下しはじめているようだ。まあ当たり前の話であり、長期政権の座に君臨し続けている安倍首相にお灸をすえたのは大変有意義なことである。
ただ『桜を見る会』そのものは1952年に吉田茂首相が開催して以来、大震災などで中止になった年を除き、毎年4月に新宿御苑で開いていたものであり、旧民主党政権下でも2010年に鳩山由紀夫首相主宰で開催しているのだ。しかしながら年々規模が大きくなり、招待者の首相枠が水膨れになったということが、今国会で指摘されたのである。
最終的には今回の反省をこめて、当面はこの『桜を見る会』を中止することに決まった訳だし、いつまでも過去の汚点ばかりを突っつき回していても、いっこうにスムーズな国会運営がままならない。だからもうそろそろこの議論は打ち止めにして欲しい。
そもそも野党の存在は、与党の独裁的な暴走政策を批判し、多くの国民が納得できる政策に修正するためにあるのではないだろうか。ところが最近の野党と言えば、大臣批判などによる与党批判だけに全ての労力と質疑応答時間を費やしているだけではないか。
結局重要な政策についても、なにも審議されないまま強行採決で与党案のまま国会を通過してしまうのである。これでは本末転倒であり、結果として野党側が政治責任を問われても致し方あるまい。
そもそも政策には無関心で、与党批判にだけ終始するのは共産党にだけ任せておけば良いではないか。少なくともその他の中道的野党は、もう少し政策批判と修正に興味を持って欲しいのだ。そんな『歌を忘れた旧民主党グループ』が変わらないから、どんどん支持者を減らして自民党独裁に拍車をかけているのだ、という事実に早く気が付いて欲しいのである。
作:蔵研人
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