経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

名刺の効用

2020-06-30 11:16:42 | サラリーマンは魔術師

 定年後は無用になってしまったが、現役時代は名刺が必須アイテムだった。初対面の人とは必ず交換するし、場合によっては私生活上でも使用する場合があった。

 ことに童顔の私は、10歳以上若く見られることが多く、部下のほうが上司に間違われることもあり、辛うじて名刺の役職で面目を保っていた時代もある。また金融機関や公務員の多くは、役職で人間の価値を計るような輩が多く、名刺を差し出した後に急に態度が変わることもあった。

 またまだ私が若いころ、ある税務職員に「お前では話にならないので上司を連れてこい」と言われたことがある。当時は零細企業の一人経理で上司はいないので、社長を連れていったところ。社長が「この男は元会計事務所に居て、税理士試験三科目を合格しているし、実力もあるので事務全般を任せているのです」と私を持ち上げてくれた。
 するとかの税務職員は急に豹変し、私のほうを向いて「蔵さん、はじめからそう言ってくれれば、わざわざ社長さんにご足労して頂かなくても良かったのに」と愛想笑いを浮かべたのである。

 まだ若かったし入社したばかりだったので、特に役職は貰っていなかったのだが、もし名刺に「経理室長」と印刷していたら、はじめから私一人で話が終わったはずである。小さい会社なのだから、本来社長が気を利かせて名目だけでも役職名をつけてくれれば良かったのだが、他の従業員の手前躊躇してしまったのかもしれない。…と解釈することにしている。

 さてそこで、役職者ではない人の名刺を創る場合には、裏面にプロフィール欄を設けて、職務経歴や資格、さらには出身地や趣味なども記載しておくと良いだろう。それによって相手にある程度の実力を示せるし、共通の話題をみつけて盛り上がることもあるかもしれない。ともかく自分の分身ともいえる大切な名刺なのだから、くれぐれも切らさないように心掛けようではないか。

作:蔵研人

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コロナ後の世界

2020-06-06 11:15:09 | 経済ニュース編

 日本では数日前に全土の緊急事態宣言が解除されたばかりだが、いまだ新型コロナウィルスが終息した訳ではない。ただこのままでは経済のほうが死滅してしまうため、やむなく解除しただけである。従って早晩にコロナ第二波、三波が襲いかかってくることは避けられないだろう。 
 まあそれはそれとして、コロナが完全終結するためにはワクチンと治療薬の実用化が必須である。また日本だけではなく、全世界で新型コロナを壊滅させなければ、終結への道は開かれない。

 だから完全終結は少なくとも最速であと2年、遅ければ5年以上先になるかもしれないのだ。むろん東京五輪など絶対に無理だし、4年後のパリ五輪さえも危ぶまれている。
 従って今ここで『コロナ後の世界』を予測するのは、まだ時期尚早なことは分かっている。だが少なくとも現時点で予測できる状況だけを、簡単にまとめてみても罰は当たらないだろうと考え、現在想像できることだけを簡単にまとめてみた。

 まずマスク着用は、コロナ完全終結まで継続する気がする。ただ外国製のものはアベノマスクで不潔だということが実証されたので、当面は多少値段が高くとも、日本製が主流になるはずだ。
 既に中国製のものは50枚で1000円以下で投げ売りしているが、それでも売れ残っている。逆に日本製のものはいずれも即完売、或いは抽選販売しているほど大人気なのである。ちなみにシャープ製のものは、50枚で送料込みで約4000円もするのに、100倍以上の抽選倍率販売で嬉しい悲鳴を上げているではないか。
 さらにこれから他業種がどんどん参入し、単に日本製というだけではなく、何度も洗える布製マスクや、夏用の冷感マスク、小池知事のようなファショナブルマスクなどが選ばれるだろう。まあコロナ完全終結はまだまだ先の話なので、しばらくはマスク販売合戦が繰り広げられるはずである。

 さて次は宅配に慣れた人々がその便利さに気付き、今後も宅配やネットショッピングを継続すると推測できる。それに伴いロハコ・楽天・アマゾンなどの通信販売業者や運送業者が好調に推移することは間違いないだろう。

 さらにビジネス面では、時差通勤・フレックスタイム制・サテライトオフィス・リモートワークなどが永続される可能性が高い。これらの勤務形態は今に始まったことではなく、日本にインターネットが導入された25年前から提唱されていた。
 ところが当時ファックスやコピーさえも扱えなかった偉い人たちが、そんな新しいアイテムを使いこなせる訳もなく、先進的勤務体系を構築することに前向きにならなかった。
 そしていつの間にかそれは自然消滅し、古い発想のまま、朝は早く、夜は遅く、報告だけの意味のない会議の連続という、カビの生えたビジネスパターンに拘り続けてきたのだ。

 結果として相変わらず東京集中、高額家賃、通勤ラッシュは緩和されないばかりか、長時間通勤、少子化、残業漬けの毎日が今日まで続いていたのである。だが今回はノンストップで否応なしに、時差通勤・リモートワークなどを実施せざるを得なかった。
 また25年前とは違って、いまどきパソコンも扱えないオフィスワーカーは皆無である。さらにリモートワークに切り替えたほうが、高額な都心のオフィスを借りずに済むし、多額の通勤費も払う必要がないことに気付き、オフィスの賃貸契約を一部解除した経営者も多いという。

 さてコロナ前はどこの医院・クリニックに行っても、常に30人前後の待ち人でごった返していた。ところが最近は、どこの医院に行っても、待ち人が3~4人位と急減しているのである。つまり従前は気楽に来院していた年配者たちが、コロナ感染を恐れるあまり、余程体調が悪くならない限り医院に行かなくなったのではないだろうか。

 逆に言えば、「今までが異常だったのかもしれないな」と、苦笑いしながら話してくれた医師もいた。もしかすると今までの患者バブルは、健康保険の充実した日本だけの現象だったのかもしれない。
 とは言っても今までの過剰患者数に対応して、事務員や看護師を雇用していた医院にとっては大打撃であろう。むろん医院に隣接している薬局も同様である。この状況もマスク需要と同様に、コロナ完全終息の日まで続くと思われるので、医院にとっては厳しい経営状況が続くことになるだろう。

 マスク不足、防護服不足、人工呼吸器不足など、全てが中国依存のツケが回ってきた。確かに中国製品は品質面では劣るものの、低価格を維持しながら、最近は性能面でも優れモノが出回っている。しかしひとたび今回の新型コロナのように、世界的な危機を迎えた場合は、必要なものが全く入荷出来ないことになってしまうことが教訓となった。

 従って今後は何でもかんでも中国依存ではなく、医療や生活必需品に関しては、国内生産に切り替えてゆく企業が増えるに違いない。と言うより国家としての存亡に関わるため、重要品目については、政府が一定割合を国内生産に切り替えるよう要請することになるだろう。
 これは日本だけではなく、全世界で同じような国家要請が発令されると考えられるため、中国のGDPは歴史的な爆減に見舞われるはずである。その結果として、中国はもちろんのこと、世界経済の潮流も大きく変貌することになるだろう。

 また外国人の日本国内観光については、安倍首相が観光立国宣言をする前、いやさらにそれ以前の20年前程度の水準以下に落ち込むはずだ。観光業者には気の毒であるが、ただ20年前に戻るだけである。まだ医院バブル崩壊に比べれば、多少マシなのだとしか慰めようがない。
 ただ日本から海外への観光旅行も激減するため、観光業者だけではなく、空港や航空会社、そしてそれに関連している事業者は大打撃を被り、倒産とか国有化という状況に追い込まれるかもしれない。
 もちろんオリンピックやスポーツの国際大会等も、当面は延期ではなく中止せざる得ないだろう。とにかく新型コロナの治療薬が完全実用化されない限り、『全世界的な鎖国状態』だけが、命を守る最後の砦なのだからどうにもならないのだ。

 最後に今後政府に望むことは、医療とコンピューター関連の予算について、もっと優先度を高めてもらいたいということ。そして今回のような緊急事態が発生しても、システムの充実と実務処理能力の向上に努め、スピード感のある対応が可能な仕組みを構築して欲しいのだ。
 さらに官僚や役人たちの責任逃れ体質を改善するためにも、彼等に責任を擦り付けるのではなく、政治家自らが責任を負うという当たり前の心構えを実践して欲しいものである。・・・とは言ってみても、残念ながら多分それは無理な注文かもしれないね・・・。だが言うだけは言わせて欲しいのである。

作:蔵研人

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