経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

経営に直結する管理会計の考え方 『各論その2』

2012-08-04 10:43:21 | 達人経理マンへの道

(前回からの続きです)

③損益分岐点の応用
 損益分岐点売上高の計算式は、ご存知の通り固定費÷{1-(変動費÷売上高)}で計算する。この式を応用すれば、次のような計算式が成り立つので利用してはいかが。

A 予定売上高より予定経常利益を算出
予定売上×(1-変動費率)-固定費 
B 目標経常利益から達成すべき売上高を算出
(固定費+目標利益)÷(1-変動費率)
C 目標売上、経常利益を設定した場合に、変動費・固定費をそれぞれいくら削減すべきか
変動費削減の場合
{1-(固定費+目標利益)÷目標売上高}×実績売上高  
固定費削減の場合
(1-変動費率)×目標売上高-目標利益 

④責任を明確にする
 会社の利益を順調に計上出来ないのは、社長をはじめとする取締役の責任である。そんなことは誰でも判っているのだが、彼等は退任するわけでもなく、若干役員報酬を切り下げてお茶を濁しているのが現状である。 
 まず役員や部長・工場長クラスの責任範囲を具体的に決めることだ。ただ責任をとるだけではモチベーションが湧かないので、褒賞のほうもルール化しよう。アメと鞭がしっかりと決められていないと、結局管理会計は絵に描いた餅で終わってしまうからである。

 いずれにせよ管理会計とは、前述した通り既成の会計手法や法定会計基準にとらわれずに、その企業に適した自由な手法を用いて運用できるツールなのである。また何度も繰り返すが、役員やキーマンとなる従業員達の理解がなければ成立しないシステムでもある。形ばかりの表や指標を創っても、経理マンの自己満足で終わってしまうだろう。全員が理解し、全員が参加し、全員の力を終結させ、会社に利益をもたらすことこそ、管理会計の真の目的なのである。

(完)

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