経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

胃癌の手術

2018-02-21 18:24:49 | ひとりごと

 一昨年の11月にクリニックにて受診した胃内視鏡検査で、幽門周辺にびらんが認められ、その部分の組織を切り取って生検を行った結果、『未分化型の腺癌』という有り難くない診断を受けてしまった。それで大学病院を紹介してもらったのだが、そこで胃内視鏡と生検を行っても不思議なことに癌は見つからなかった。
 その後三ヶ月ごとに大学病院にて胃内視鏡と生検を繰り返したが、一向に癌は見つからないのである。これは一体どうしたことなのだろうか。考えられるのは次の三項目だと言う。
1.初回のクリニックの生検で、検体の取り違いがあった
2.一つまみ癌と言う非常に小さな癌で、採取した検体が癌の全てだった
3.未分化型の癌はたちが悪く、散らばって胃壁の奥に潜んでいる可能性が否めない

 ただ検体の取り違いは非現実的だし、一つまみ癌は未分化型癌には殆ど見られないらしい。また万一胃壁の奥に癌が潜んでいる場合は、スキルス性胃癌の可能性が高く、この胃癌に罹ると他部位に癌が転移して大変なことになると言うのだ。
 それで今後10年間位は三か月ごとに胃内視鏡と生検を続けて様子を見てゆくか、思い切って手術をして幽門周辺の胃を摘出してしまうかの選択を迫られることになったのである。医師たちの意見としては、私がまだ比較的若いので、この際手術をして不安を取り除いたほうが良いのではと言う結論であった。

 しかしながら胃の摘出手術を行うと、一生まともに飲食出来なくなってしまい、外食なども制限されてしまうことになる。食通と言うほどではないが、どちらかと言うと外食や旅行が好きな私にはハードルの高い手術である。だがこのまま一生スキルス性胃癌の影に恐れおののきながら、暮らしてゆくのも悲し過ぎるではないか。
 そしてさんざん悩んだのだが、父も祖母も胃癌の家系なのだし、覚悟を決めて専門家(医師)の判断を信じて手術を受けることにした。私の場合は一度決断するともうその後はくよくよ悩まないことにしている。子供の頃に父に『俎板の鯉』の話をされて諭されたことが、脳裏にこびり付いているからであろうか。そしてその結果が凶となっても、絶対に後悔だけはしないことにしている。

 手術時は当然全身麻酔なので、全く痛くも痒くもないのだが、手術直前に海老の形になって背中に刺される針が死ぬほど痛かった。これは手術後の痛みを和らげるための『硬膜外麻酔』というもので、手術後も数日間は針が刺さったまんまになっている。また通常の手術以外では、無痛分娩などにも使われると言う。

 手術は腹腔鏡を使って行ったのだが、噴門部という難しい部位であり約5時間程度かかったらしい。気が付いたときはHCU(高度治療室)に運ばれた後であるが、ほとんど身動き出来ない状況であった。このHCUで3日間過ごし、点滴スタンドに頼りながらもフラフラしながら少し歩けるようになると、やっと一般病棟へ移動することになった。ただまだオムツと点滴の生活で、食事はもう少し様子をみて重湯から始めるとのこと。

 その後少しずつ病院の中を歩く練習などをしてリハビリを行い、食事のほうも重湯から三分粥・五分粥・七分粥と続き、退院するころは全粥に変貌していた。だが出される食事の半分も食べられないのだ。もちろん手術後はそれが正常で、医師からは「全部食べないで半分以上残すこと」と釘を刺されていた。ただ嬉しいことに、手術後の体調はほぼ良好で入院後11日間で退院の運びとなったのである。

 そしていつのまにか術後3か月が経過し、毎日食事療法とリハビリ運動に励んでいる。時の経過とともに傷口の痛みは治まり、食事の制限も少なくなったのだが、やはり一度に多くの量は食べられない。30回くらい噛みながら、ゆっくりと間をおいて食事を摂っているのだが、食後はいつもお腹がグルグルとなり続けて、腹の中にガスが充満しているようである。そして常に胃の膨満感を拭い去ることが出来ない。そんな訳で術前より7キロ程度体重が減ってしまい、疲れやすくなってしまった。同じような手術をした人に聞くと、3年間位はそんな状態が続くらしい。

 さて今回の手術で摘出した胃は、小刻みに刻まれて詳細に生検を行ったのだが、なんと癌細胞は見つからなかったのだ。結局のところ未分化型癌には余り例のない『一つまみ癌』だったのか、或は非現実的な取り違いだったのだろうか。だとすると「切り損」だったかもしれない。だから喜んで良いのかなぁ・・・と複雑な心境であることも否めない。
 しかしながら私は絶対に後悔だけはしないことにしている。それはあくまでも結果論であり、生涯スキルス癌の脅威に怯え続けなくても良くなったと考えるしかないのだ。

 とは言っても、100%安心できる訳でもなく、今回摘出した胃以外の場所に癌が潜んでいるかもしれない。また最近一か月以上続いている胃のもたれ感や傷口周辺の痛みも気になり始めている。それで最近になって術後初めての内視鏡検査を受けたのだが、特に問題はなかったようである。
 いずれにせよ今回の検査が陰性でも、今後は少なくとも1年に1回以上の検査は必要になるのだという。そして食事調整は死ぬまで続くかもしれない。まだまだ私と癌との戦いは完全に終わった訳ではないのである。
 

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経理マンの特殊詐欺対策

2018-02-05 18:01:33 | 達人経理マンへの道

 平成29年上半期における特殊詐欺(オレオレ、振込詐欺など)の被害件数は1513件で前年比75%増、金額では約35億円で37%増だと言う。ましてやこれ以外にも表に出ていないものもかなりあるだろう。そして被害者の大半は70~80歳代の女性、つまりおばあちゃん達である。
 また最近の犯人たちは、息子や孫を名乗る者だけではなく、警察官・公務員・銀行員などのお堅い職業を名乗る者が増えていると言う。そして現金手渡しや振込させるのではなく、キャッシュカードを騙し取る手口が増えているらしい。たぶん犯人側にしてみれば、従来の方法では警戒されるし、今のところはこれが一番リスクの少ない犯行手口なのだろう。

 いずれにせよ、犯人と被害者の接点のほとんどが電話であることは変わらない。それにしても何故見ず知らずの他人にキャッシュカードを預けてしまうのだろうか。
 「私なら絶対に電話口で逆襲してやるのだが・・・」などと短絡的かつ安易に考えてはいけない。犯人たちは詐欺の達人集団であり、事前にいやと言うほど集団で電話のやり取り訓練をしているのである。だから素人が太刀打ちできるわけがない。ましてや、社会経験が少なく心優しいおばあちゃん達に反論など出来るはずがないのだ。

 従って受話器を取ってしまったら負けなのだと理解しておこうではないか。だからと言って電話を撤去したり使わないのでは意味がない。それよりもまずは、自分の家の電話の取扱説明書をしっかり読んでみよう。少なくともここ7~8年前以降に発売されている電話器なら、「迷惑電話撃退機能」が装着されているはずである。その機能を使えば受話器を取る前に、相手に対して「名前と要件を教えてください。この電話音声は記録されます」などのメッセージが自動的に流れる仕組みになっている。

 もちろん正当な電話ならば、相手は名乗って要件を告げるが、詐欺やセールスなどの場合は、そのままガチャン!であろう。もし古い電話器で迷惑電話撃退機能が装着されていない場合でも、留守電機能くらいは付いているだろう。この留守電機能のオリジナルメッセージとして、前述したようなメッセージを録音しておけば、迷惑電話撃退機能とほぼ同様の効果を発揮するはずなのだ。
 そんなことは面倒くさいという人は、電話会社に毎月400円支払ってナンバー・ディスプレイに加入し、登録していない人からの電話は初めから受け付けないように設定してしまうと言う方法もある。

 まあ現役の経理マン自身が特殊詐欺の被害に遭うことは余りないと思うが、少なくとも両親や祖父母たちが被害に遭わないとは限らない。だから年老いた両親や祖父母たちの電話器を良く調べてあげようではないか。そして機械の苦手な両親や祖父母たちに代わって、前述した防御対策を施してあげようではないか。きっと両親や祖父母たちから「さすが経理マンだ」と感謝されるに違いないだろう。

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