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経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

トランプ大統領はプロレスラー

2025-04-06 14:00:37 | ひとりごと

  ドナルド・トランプ氏は大統領に返り咲いた瞬間から、次々に大統領令にサインしまくり、間髪を置かずロシア・ウクライナ戦争の仲介や関税の暴力的発動などなど、派手な動きを連発し続けている。
 さてこれまでの彼の言動を熟視していると、なんとプロレスラーのキャラクターやショウスタイルに酷似していると感じている人が多いのではないだろうか。

 プロレスラーは、キャラクターを強調するために頻繁に自己プロモーションを行うが、トランプ氏も自分のイメージやブランドを常に強調し、メディアや公の場で注目を集めることを重視している。その証拠として、しばしば彼はドラマチックな演出を、政治的議論や国際問題を舞台に派手な物語を創り上げていたではないか。
 さらにプロレスラーが観客を引き込むためにカリスマ性を発揮するように、トランプ氏も大衆に対してカリスマ性を暗示し、政治的な舞台でも自己主張を強烈に発揮してきた。

 またプロレスでは、選手が「ヒール」や「ベビーフェイス」と呼ばれるキャラクターを演じて、観客の感情を引き出す演出を繰り返しているが、トランプ氏の政治的スタイルや公私での行動も、まさにプロレスキャラクターを意識しており、極端でドラマチックな行動に染まっているではないか。
 だからトランプ氏は、しばしば挑発的で強烈な言葉を使って対立を煽ることがある。極端な関税の増税示唆や中国やメキシコなどに対する挑発的な態度は、まさにプロレスの「ヒール」そのものである。
 また逆にプーチン大統領や金正恩総書記のような手強い相手には、一時的に低姿勢で接しながら、相手の反応や弱点を探りながら攻勢のチャンスを狙っているという手法も同様といえるだろう。
 そして絶えず観客(国民や相手国)の反応を気にしながら政策の変更も厭わないのだから、まさにプロレスラーそのものと言っても過言ではないのだ。

 もちろんトランプ氏は本物のプロレスラーではないのだが、プロレス業界とは深い関わりがあることは否めない。過去に彼は WWE(世界レスリングエンターテイメント)に数回登場し、特に有名なのは 2007年の「WrestleMania 23」での「Battle of the Billionaires」と呼ばれるイベントだ。このイベントでは、トランプ氏がWWEのオーナーであるヴィンス・マクマホンと対決する形でストーリーが進行し、最終的にトランプ氏が勝利し、マクマホンが髪を剃られるシーンが話題になったものである。

 それにしても、なぜこんなプロレス爺さんが大統領に選ばれたのだろうか……。それは西部劇に登場するような、貧しい根っからのアメリカ人たちが、プロレス大好き人間だからかもしれないね。
 ただ全世界を制しているアメリカの大統領とは、単なる一国の大統領とは異なり、その一挙手一投足が世界中に影響を及ぼしてしまうのだから、もういい加減にプロレスゴッコは止めて欲しいものである。

作:蔵研人

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超巨大企業の驕り

2025-03-21 16:17:42 | ひとりごと

 外資系のネット販売会社に商品を発注したのだが、到着予定日になっても商品が届かない。ネットで配送状況を確認すると「午前中に自宅近くの配送所に到着し、現在配達中」と表示されていたので、出かける予定をストップして自宅待機していたのだが、いつまで待っても届かない。結局その日は一日中待ちぼうけであった。

 翌日にインターネットで配送状況を確認すると突然、「あと2日経っても届かなければ返金できます」との表示がされているではないか。そこで電話をかけて「なぜ自宅近くまで配達中なのに2日も待たなければならないのですか」と質問したのだが、オペレーターは「私にはわかりません」の一点張り、「では少なくともいつ頃届くのか教えてくれませんか」と言い返しても「わかりません、2日後に届かなければ返金します」と繰り返すばかりなのだ。

 
「そんなことは分かっています。お宅は世界で名だたる超巨大企業でしょ、肝心かなめの物流管理ができないのはどういう訳ですか」「それに金を返せばいいじゃないかという発想で商売しているのは問題がありますよ。もしこの商品が日程通り届かなかった場合、膨大な損失が発生する人だっているかもしれない、そんなときの機会損失も賠償してくれるのですか」と食い下がると「それでは物流の担当に電話を回します」と言い電話が転送された。それなら最初からそうすればいいじゃないか!。

 代わった物流担当者に苦情を述べると、平謝りした後にすぐ「配達中の運転手に連絡させます」とあっさり回答されたので、ほっとして電話を切ったのだが、何時間たっても運転手からの連絡はなかった。
 頭にきたので再び電話したら「現在会社中で必死になって状況を追跡しています。状況を把握次第すぐにご連絡します」と頼もしい返事をもらい、今度こそ大丈夫だろうと待機していたのだが、結局その日も何の音沙汰もなかったのである。
 もう怒る気もしなくなった。あと1日待つしかないな……。結局翌日の深夜に宅配ボックスに届けられていたのだが、連絡や謝罪は一切なしのつぶてで「ザ・エンド」であった。


作:五林寺隆

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八潮市の道路陥没事故

2025-02-05 18:39:09 | 経済ニュース編

 なんと八潮市内の交差点で道路が大きく陥没し、トラックが転落していまだに運転手は埋もれたままだ。この大事故の原因は、下水管の腐食による大量の水漏れだという。事故が起きたのは1月28日だから、すでに1週間以上経過したことになる。だが汚水が逆流して溢れ出しているためか、二次災害の危険が高くなり、なかなか救出作業が進まないようだ。
 現場周辺の住民はすでに避難し始めているし、かなり広い範囲で水道水の使用制限が続いているという。なんと言っても人命第一なので、とりもなおさず救出作業が終わらない限り下水管の修復工事も始めることができない状況である。

 だがこれは他人ごとではないのだ。道路の陥没は全国で多発しその1割超は下水道設備が原因だという。国交省によると、令和4年度の道路陥没の発生件数は全国で約1万件。このうち都市部が約2700件を占めており、下水道設備が原因となる割合は都市部になるほど増える傾向にある。それが分かっていながら多額のコストがネックとなり、どこの行政機関でも十分な補修作業が進んでいないらしい。

 それだけではない。上水道や橋・トンネルなどのインフラもかなり老朽化しており、このまま放っておけば生活環境の大悪化を招くだけではなく、大惨事勃発も避けられないだろう。今さらではあるが、とにかくこれらのインフラ老朽化は国家的危機と言っても間違いないだろう。従って何をおいてもこのインフラ整備事業を早急に推し進めることこそ国が取り組むべき最大最速の政策なのだ。

 そんな折にも国会では、未だに「103万円の壁」とか「高校無償化」などの緊急性のない目先だけの政策論議に明け暮れているではないか。どちらも莫大な金がかかるうえに、本当に困っている人だけではなく、ほぼどちらでもよい人々に対するバラマキ政策で、目先の選挙対策としか思えない。
 だがもういい加減にしてくれ!金権政治の自民党も問題だが、本気で国民の生活を守ろうとせず、口当たりの良い目先のバラマキ政策しか提案できない野党ばかりでウンザリしているのは決して私だけではないはずだ。

作:蔵研人

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フジテレビと中居事件

2025-01-28 18:48:06 | 経済ニュース編

 発端は元スマップの中居正弘氏とフジテレビ女性社員との性的スキャンダルを週刊誌が素っ破抜いたことが始まりだった。だがこの問題は中居氏が女性に解決金を支払って示談が成立したはずだという。ではなぜまたこの問題が再燃したのだろうか。
 はっきり言って、すでにもう中居氏と女性のトラブル問題を遥かに跳び越えて、巨大企業であるフジテレビの存亡にかかわる重大問題に発展してしまったのである。その証明が昨夜の10時間半に亘るフジテレビ幹部による公開記者会見そのものであろう。

 ではフジテレビの何が疑惑を生んだのか簡単に整理しておこう。問題は企業コンプライアンスの欠如であり、昨日の記者会見の論点は次の3点に集中していたようだ。
1.フジテレビ社員が中居氏と女性との食事に関与したのではないのかということ
2.フジテレビ社長が中居事件を知った後も中居氏の番組を取りやめず、コンプライアンス室にも報告しなかったこと
3.現在のフジテレビの社風を創ったフジサンケイグループの総帥である日枝久氏が会見場へ来なかったこと

 なんと午後4時から始まり午前2時24分に終了した前例のない異常な記者会見だったが、港社長と嘉納会長の2人が辞任したこと以外は大きな進展は見られず、上記3件の問題点についてはあやふやなまま終わってしまったのが非常に残念である。
 そもそも中居氏と女性だけのトラブルでフジテレビ側が何の関与もなかったとしたら、「スポンサー連続撤退」で超巨額損失が発生してしまったのだから、むしろ被害者はフジテレビであり、こんな記者会見も不要だし逆に中居氏と週刊誌等に対して損害賠償請求をすべきであろう。それをせずに記者会見を開いて陳謝しているのだから、何らかの関与をしていたのかもしれないと、あらぬ憶測が生じても仕方がないことになる。
 いずれにせよ、中居事件を知った時に即刻番組廃止の決定をしなかったことが致命傷であることだけは間違いない。それを「女性を庇うため」と言う後付けのような言い訳に置き換えているところが余りにも苦し過ぎるではないか。

 少なくとも75社以上のスポンサー離れが雪崩のように押し寄せており、このままの状況が長引けばフジテレビはどうなるか分からない。ただ解せないのは、なぜか(株)フジ・メディア・ホールディングスの株価が上昇し続けているという事実である。理由はいろいろあるようだが、株主総会で強烈な議案を提出するために機関投資家が株式収集に走っていることと、一大イベントとなる株主総会のチケットをゲットしたい個人投資家の存在がその原因のひとつらしい。

 さてそれにしても、今回のようなタレントと女性のトラブルはフジテレビだけの問題なのだろうか。また中居氏だけではなく他のタレントも同じようなトラブルを起こしてはいないのだろうか。もしであるが、万が一今回のようなトラブルが業界全体に染みついているある種の慣習のようなものだった場合は大変なことになる。
 それでなくともインターネットに追い込まれているテレビ業界なのだから、フジテレビどころか民放テレビ局全体が大雪崩を打って消滅してしまうかもしれないのだ。たかがと言っては失礼だが、一タレントの火遊びで、「一つの大きな産業界が壊滅」してしまうかもしれないという恐ろしい世の中になったのである。そんな時代の流れを見極められない企業には未来はないかもしれない。従って当然ながらどんな企業においても、この中居事件を教訓にして、くれぐれもコンプライアンスについては、なおざりにしないことであろう。

作:蔵研人

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コスパの悪い103万円の壁政策

2024-12-18 11:14:59 | ようこそ

 通常なら党首が不倫騒動を起こせば壊滅的状態に陥るはずなのに、なぜか支持率が沸騰している国民民主党。それもこれも毎日のようにマスコミが取り上げる「103万円の壁」論争のお陰なのだろうか。

 しかし別稿でも指摘した通り、103万円の壁を取り払い国民民主党が頑固に主張する178万円に変更した場合は、今後「毎年7兆円以上の新たなる財源」が必要となる。だが現実的に考えれば、このような毎年継続する巨大な支出に、国や地方公共団体は耐えられるはずがない。それに「103万円の壁」を撤去したところで、低所得者たちには殆ど影響が及ばず、どちらかというと高所得者の税額減に繋がってしまうのだ。

 なぜ国民民主党は、こんなコスパの悪い政策に固執するのだろうか。たぶん国民の多くがこのコスパの悪さに気がつかず、「なんとなく自分たちも儲かる」と勘違いしているからである。そして国民民主党は、そんな国民たちの錯覚に悪乗りし、次の参議院選挙での大勝利を目論んでいるのであろうか。財源の裏付けが何もなく、赤字国債発行で将来につけを回すことになるので、一時100円儲かって後に200円損するといった展開になるはずである。

 さらにもし毎年7兆円の予算が自由に使えるのなら、「日本の将来を充実させたり、悪環境を改善する政策」がいくらでも待っているのだから、素早くそれらの新政策に予算注入してもらいたいのだ。なぜいま、金持ち優遇税制に「7兆円もの巨大な予算」を投入しなくてはならないのか。

 もちろん103万円に限らず、「時代の推移にマッチする年収の壁取り換え議論」自体は正論であり私も賛成だが、とくに緊急性のある政策でもないので、一挙に178万円まで大きく変更するのではなく、少しずつ数年間かけて変更してゆけばよいではないか。いずれにせよ、そのくらいの太っ腹で大局的な姿勢がなければ、危なくて国民民主党には政権を任せられなくなってしまうだろう。

作:蔵研人

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白けたプレミア12

2024-12-01 17:37:51 | ひとりごと

 プレミア12という国際野球大会で、決勝まで8連勝だった日本と5勝3敗の台湾が決勝に進み、たまたま日本が負けてしまい台湾が優勝となってしまった。それもそれまで2連勝していた台湾にたった1度負けただけで2位となってしまったのである。なんだこりゃあ!なんだかバカみたいなルールだね。

 だからといってそれまで8連勝と頑張ってきた日本や、必死に戦って初優勝した台湾をけなす気は毛頭ない。とにかくルールがおかしいんだね。そもそも8試合もしているのだから、その中で一番勝率の良かったチームを優勝にすれば何の問題もないじゃないの。それなら今回も8連勝の日本が文句なく優勝していたことになるし、誰も文句のつけようがないではないか。結局は興行収益欲しさに、無駄な決勝戦と3位決定戦が組まれているのだろう。これはあくまでも主催者側の都合であり、選手たちや観客たちの意向を全く無視しているではないか。

 またプレミア12だけではなく、今年のプロ野球日本シリーズ優勝のDeNAにしたところで、リーグ3位の成績だったのに、たまたまクライマックスシリーズという短期決戦を勝ち抜いてしまったため優勝したに過ぎない。こんなことなら約7か月間に亘ってシリーズを勝ち抜いたチームの実績は一体何だったのだろうかと、フツフツと疑問がわき出てくるばかりなのだ。

 もしこれを4日間戦うゴルフトーナメントに例えれば、明らかに勝敗が決している-20の1位選手と-10の2位選手がもう一度決勝戦としてプレーオフをしたり、15日間戦う大相撲で全勝の力士と11勝4敗の2位力士で優勝決定戦を戦うということでもあり、余りにも理不尽で馬鹿げているではないか。

 もっと言えば、このプレミア12以外にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)という世界大会もある。どちらも4年に一度の国際野球大会であるが、異なるのは主催者と開催時期などであり、出場国はプレミア12が上位12か国であるのに対し、WBCは全世界約30か国となっている。さらにWBCではプレミア12には参加しなかったメジャー選手が参加する確率が高い。ここまで書いてみると、ルールの問題もしかりだが、そもそもプレミア12など全く不要ではないかと考えてしまうのだがいかがであろうか。

作:蔵研人

 

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103万円の壁とは

2024-11-27 15:05:15 | 経済ニュース編

 先の総選挙で大敗した与党、逆に大躍進した国民民主党。そのお陰で、総選挙前までは無視されていたはずの国民民主党の目玉政策『103万円壁撤去』が大注目されることになったのである。それでマスコミたちも、朝から晩まで「103万円の壁」論議で明け暮れることになってしまった。まさに国民民主党首の玉木氏は、自己の不倫騒動も含めて、時の人となり「103万円の壁」は今年の流行語大賞の有力候補になってしまう始末なのだ。

 そんな中でそもそも「103万円の壁」の意味がよく分からないが、今更誰にも聞けないという奥手の経理マンもいるかもしれない。それで老婆心だと思うのだが、そんな人のために「103万円の壁」について簡単に解説しておこうと思ったのである。

 まず所得税の計算方法だが、基本的にはまず利益を算出する。つまり収入-必要経費=所得金額(利益)となることは、経理マンなら誰でも周知だろう。
 さらに、所得金額-所得控除=課税所得金額と進み、課税所得金額×累進税率=税額。また税額控除があれば、それを控除した金額が納税所得税額となるわけである。
 これをサラリーマンに置き換えると、収入=給料の年収、必要経費=給与所得控除となる。この給与所得控除額は、年収に応じて異なってくるのだが最低55万円は保障されている。
 また所得控除とは社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除などをいい、当然だがこれらの金額は保険料の支払金額や家族構成の違いなどにより人によって異なってくる。また独身で保険料の支払いなど何もなくても、最低限『基礎控除48万円』だけは誰でも控除できることになっている。

 まずはこの所得税計算の仕組みを頭に叩き込んで欲しい。そこで前述した給与所得控除の55万円に基礎控除の48万円を加えると、103万円になることが分かるだろう。つまりもし給料の年収が103万円なら、最低でも控除額が103万円となり課税所得がゼロになるではないか。だから所得税のかからない最低限の給料年収のことを103万円の壁と呼んでいるのである。
 さらに本人の税金だけではなく、103万円を超えるとその本人を扶養家族としている親や配偶者の扶養から外れてしまい、親などの扶養者は扶養控除等が適用されず、所得税や住民税の負担が増えることになる。むしろ本人の税金より、こちらのほうの税金のほうが大きいということになる。従って本人たちはいつも103万円にこだわり続けなくてはならないので、ある意味の障壁となるため「壁」という表現を使用しているのである。

 それに加えて、年末近くになるとこの103万円の壁を意識して、労働時間を調整する従業員が多くなってくる。それでなくても忙しい年末に「働き控え」が発生するので人手不足で困っている店や工場が多いという。また最近はインフレ傾向だというのに、基礎控除と給与所得控除の合計額は1995年以降、103万円に据え置かれたままなのだ。従ってこれらの控除額を最低賃金の上昇率に同調し178万円に増額すべきだというのが国民民主党の主張なのである。

 まあ確かに理論的には間違っていないのだが、約30年間の垢(103万円の改正を棚上げしたこと)を一気に振り払い、壁を高くして178万円に変更すると、今後毎年7兆円以上の新たなる財源が必要となるらしい。ただ現実問題としては、防衛費の大幅増額や少子化対策に湯水のように税金を注ごうと目論んでいる中で、このような新たな支出には、とてもじゃないが国や地方公共団体は耐えられないだろう。それに「103万円の壁」を撤去したところで、低所得者たちには殆ど影響が及ばず、どちらかというと高所得者の税額が減るだけである。

 従って本来なら与党は「103万円の壁」など無視し続けたかったのだが、総選挙の結果キャスティング・ボートを握った国民民主党の主張を無視することが出来なくなったというわけである。現状では「103万円の壁」を撤去することで与野党が合意しているようだが、今後103万円がいくらに代わるのかは今のところ誰にも分からない。なお最近では、103万円の壁のほか、100万円の壁、106万円の壁、130万円の壁、150万円の壁など、住民税や社会保険料などの壁についても、頻繁に取り沙汰されているが、103万円の壁だけでも二進も三進も行かないのに、一体どうしろと言うのだろうか。

作:蔵研人

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自民党大敗の宴

2024-10-29 19:22:26 | 経済ニュース編

 総選挙の結果は自民党大敗でおまけに公明党も8議席減となり、与党過半数割れという悲惨な結果で幕を閉じた。ところが翌日以降の日経平均は、暴落どころか1000円近く上昇しているではないか。まあ与党大敗とはいえ、この選挙結果はほぼ予想通りだったので誰も驚かないし、株価も「織り込み済み悪材料出尽くし」ということで上昇に転じたのだろう。またもしかするとこの結果を、ある意味で前向きに考える人が少なくなかったのかもしれない。

 いずれにせよ自民党大敗の理由ははっきりしている、裏金議員を放置し続けたことに対してお灸をすえただけである。ただ選挙中に裏金議員に2000万円を支給したことが祟り、予想より10名ほど落選者が増加したことは否めないが、本気で野党に政権交代を期待したわけではないのだ。
 バラバラでまとまりがなく、財源の裏付けもなくバラマキ感覚の政策しか提示できない野党では、この厳しい世界状況の中で日本丸を安全に運行することは非常に難しいだろう。

 もちろん自民党が首班指名で勝ち得たとしても、過半数割れのためいつでも内閣総辞職に追い込まれる可能性があり、野党の顔色を伺いながらの不安定な船出になることも間違いない。とは言うもののよくよく考えれば、従来のように自民党の独善押切政治や批判だけの野党戦略だけでは、日本丸は沈没してしまうだけである。当然そんなことはプロの政治家なら、与野党ともに承知の助であろう。

 だから逆に言えば、今度こそ政策論議中心の本当の政治が始まるかもしれない。「甘いよ!」と嘲笑されるかもしれないが、そのぐらいは期待しないことには、余りにも悲しくて堪らないではないか。

作:蔵研人

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党首討論とは

2024-10-15 20:37:48 | 経済ニュース編

 先日解散直前に党首討論が行われたのだが、「討論」というよりはまさに「通常の国会代表質問の質疑応答」そのものではないか。単に野党が首相や自民党を非難して、それに石破総理が淡々と答えるというだけの眠くなる国会ドラマであった。
 それにしても野党は揃いも揃っていつもながらの同じような非難演説ばかりで、期待していた政策論議は全く無いのだから情けない。おっとそんな中で唯一共産党だけが、政策論議らしき議論展開をしていたのだから皮肉なものである。こんな状況ではまだまだ自民党政権を根底から揺るがすことは難しいのではないだろうか。

 私は決して自民党支持者でも野党支持者でもない。バラマキではなく、現状の日本の問題点を徹底調査して、その原因となっているものを取り除いたり改正してゆくのが本来の政策ではないのか。そんな政策を実行してくれる党さえあれば、その党に投票したいと考えているだけなのだ。実に簡単なロジックなのである。

作:蔵研人

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アイフォンとアンドロイド

2024-10-07 16:15:01 | ひとりごと

 日本で販売されているスマホに搭載されているOSは大きく2つある。Apple社が提供する「iOS」と、Google社が提供する「Android OS」だ。このそれぞれのOSが搭載されたスマホが、「iPhone」と「Android」と呼ばれているのである。

  ではその違いは一体何なのだろうか。まずiPhoneは、OSから端末の製造まですべてApple社が独占で行っているが、Android OSはGoogle社がライセンスフリーで提供しており、それを利用して各メーカーが端末を自由に作っているという大きな違いがある。従ってiPhoneのアプリはApple社の厳しい審査をクリアしているため、品質や安全性が高いのが魅力と言われている。さらにApple社が作っているため、機種変更してもインターフェースが変わらず使いやすいという特長がある。
 加えて日本ではiPhoneのシェア率が海外と比べて高いので、使い方が分からない場合などにも、同じiPhoneユーザーに聞きやすいという利点も備えている。そのうえiPhoneはOSのアップデート保証期間が長めなので、Androidに比べると長く使えることになる。

 とここまで書いていると、良いことずくめで「iPhoneに決まり!」となってしまうのだが、長所は短所の裏返しであり、ライセンスフリーで多くの有力企業が参加しているAndroidのように競争力や自由度がなく、最新機能を含む多種多様な性能も保持してはいない。
 そして何と言ってもApple社独占販売のiPhoneは、Androidに比べると価格が異常に高いのだ。もちろんAndroidでもiPhoneより高価な機種もあるのだが、なにしろ機種が猛烈に多いのでピンからキリまであるということである。ただiPhoneには安いものは殆ど無く、平均的に高価な機種が多いのだが、但しそのためブランドイメージが定着しているようだ。

 前置きが長くなってしまったが、では一体「iPhone」と「Android」のどちらを選択すべきなのだろうか。まあ独断と偏見を恐れずにぶっちゃければ、裕福でスマホやパソコンの知識が少なく、ある程度使用用途が限られている人は間違いなく「iPhone」であろう。逆に私のような貧乏人は、何はともあれ廉価な「Android」以外に選択肢はない。
 
 さてでは世界的には「iPhone」と「Android」のどちらが人気があるのだろうか。2024年1月時点のシェア率は以下の通りである。
「iPhone」
・日本:68.65% ・グローバル:29.04%
‍「Android」
・日本:31.19% ・グローバル:70.24%

 つまり世界的には圧倒的に「Android」に軍配が上がるのに、なぜ日本では圧倒的にiPhone信奉者が多いのだろうか。その理由は一つではなくいくつかあるのだが、簡単に記すと次のようになる。

1.スマホ普及当初の2013年にNTTドコモが「iPhone」を取り扱うようになり、先発のAUとiPhoneを巡る競争が加速し、本来高額であるはずのiPhoneが、キャリアの優遇措置によって一時はスマホの中で最も安く買えるようになったことが、国内での圧倒的なiPhone人気へと繋がって行った

2.その後値引き合戦が終わり、「iPhone」が高価になったのだが、今まで「iPhone」を使っていた人々は当然新機種も「iPhone」を選択した

3.さらに遅れてスマホデビューした高齢者たちも、子や孫たちに勧められて何も考えずになんとなく「iPhone」を選択してしまう

4.また外国人たちは合理的で余り他人の価値観に左右されない人が多いが、日本人は他人の声に影響され易く、かつブランド指向で極端に安い製品は警戒し、高価なほど安心感が湧くという人種なのだろう

 まあいずれにせよ現代は多様化の時代であり、いろいろな価値観を持つ人が多く、うっかり「何が悪くて何が良いのか」などと決めつけてしまうと袋叩きになる事は間違いない。従って結論は一つではなく、個人個人それぞれの判断に委ねるしかないであろう。

作:蔵研人

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