経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

凍りついた深夜

2018-05-11 20:46:11 | サラリーマンは魔術師

 もう40年近く昔の話である。当時の国鉄津田沼駅前は、深夜になると南口バスロータリーで公式に認められた『乗合タクシー』に乗る人々でごった返していた。まだAT車が全国的に普及していない時代だったので、運転手を含めて前に3人、後部座席に3人の6人乗りが可能であった。ただ前列の真ん中は窮屈でつかまる場所もなく、かなり座り心地が悪かったことは否めない。
 
 その日は麻雀でボロ負けし、おまけに津田沼止まりの国電にしか乗れない羽目になってしまった。私の住処は船橋から京成電車に乗り替えて、さらに30分以上かかる陸の孤島と呼ばれる巨大団地だ。当然京成電車の終電時刻は過ぎているので、津田沼からタクシーに乗るしか帰る術がなかった。
 もうこの時間には、普通のタクシーは動いていない。だから違法の白タクか、行先別に分類されている公認・乗合タクシーに乗るしかないのだ。まあ料金は一人で乗るよりは安いのだが、5人揃わなければ走り出さないのが難点であった。

 私が降りてきたのが総武線の最終電車だったので、既に乗合タクシーには3人の乗客が後部座席に座り、前列には一人の乗客が乗って5人揃うのを待っていた。ところが私の姿を見るなり、前列の乗客がドアを開けて外に出てきたのである。そして私に先に中に入れと手先で指示するのだ。
 嫌な感じがしたが、私は無理矢理前列の真ん中に座らされ、満を持していたかのようにタクシーが走り出した。5分間くらいは普通に走っていたのだが、駅前から閑静な住宅地に入った途端、急にタクシーのスピードが上昇したのである。
 そしてさらにぐんぐんとスピードが上がってゆく、横目でメーターを見ると100キロ近くまで迫っているではないか。「おいおいここは高速じゃないんだぜ」と文句を言おうとしたら、なんと交差点で赤信号になっても止まらないのだ。かなり見通しの悪い交差点だったので、もし横から車が走ってきたら大参事である。

 運転手の顔を見ると、「俺はやけくそなんだぞ!」と鬼のような形相をしているではないか。もうこの頃になると後部座席でお喋りをしていた乗客たちも完全に凍りついてしまい、車内はまるで墓場のように静まり返ってしまった。
 今日はなにか面白くないことがあったのか、それとも飲んだくれの乗客の馬鹿話にブチ切れてしまったのか、運転手は更にスピードを上げ、信号無視の連続技を繰り出し放題なのだ。もしこのとき事故に巻き込まれていたら、前列中央の身動きできない場所にいた私は間違いなく即死だっただろう。
 そのあと家の近くに辿り着くまでの約20分間は、まさに地獄の函に閉じ込められた恐怖の時間で、心臓麻痺直前状態であった。それにしても無事何ごともなく我が家に辿り着けたのは、まさに奇跡の一言に尽きる。
 とにもかくにも、麻雀に負けたうえに京成電車に乗れず、恐怖の20分間まで体験させられた散々な夜であった。それからは麻雀をやっても酒を飲んでも、必ず終電のあるうちに帰るように心掛けてきたつもりである。

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転職の時期と回数

2018-04-10 17:50:10 | サラリーマンは魔術師

 「一度就職したら定年まで同じ会社に勤務し続けるほうが良い」という概念は、もはや時代遅れになってしまったようだ。世間知らずの学生時代に決めてしまった「自分に合わない会社」に一生勤務し続けるのは辛すぎる。また超一流企業であっても、いつ何時倒産したり落ちぶれるか分からない時代でもある。東京電力、東芝、シャープ、ソニーと数え上げたらキリがない。

 従って一生同じ企業に勤務することのほうが難しい時代になってしまったのかもしれない。では何時頃転職すればよいのだろうか。
 少なくとも同じ企業で三年以上勤務しなくては、その企業の良し悪しは判断できない。だから入社一年以内に転職と言うのは考えないほうが良いし、再就職先の企業でも「忍耐力のない人間」と敬遠されてしまうだろう。

 だからと言って、40歳を過ぎてからの転職はかなり厳しい。まあ技術力を持っていて中小企業に転職するのなら何とかなるかもしれないが、いずれにせよ人間関係が煩わしくなる年齢であることは間違いないだろう。
 若いうちなら転職先の企業で文句を言われても「素直」に受け入れられるが、正誤は別として年齢を重ねるに従って、今まで自分の生きざまや考え方を簡単に変えられなくなってしまう。それで結局は、文句を言うほうも言われるほうも、嫌な気分になってしまうのである。

 だから転職するなら、30代前半くらいまでに決行するほうが良いだろう。また一度転職すると何度も転職を繰り返してしまう傾向がある。だが通常は転職するたびに、更に悪い会社を転々とすることになってしまうようだ。従って第一回目の転職先は、そこに一生勤務するつもりで、かなり慎重に選ばなくてはならい。
 
 では転職回数は一度きりかと言うと、決してそうとは限らない。定年後または役職定年後などに、もしつまらない部署で、退屈な仕事を押し付けられた場合などに、もう一度転職を考えても良いだろう。いずれにせよ、もうその会社での出世は見込めず、完全退職までもそう長い期間ではないので、ストレスにまみれて終わるより、新天地へ飛び立ったほうが心のケアにもなるからである。
 
 また先に述べたように、最近はどんな優良企業でも、いつなんどき急激に業績が悪化し落日を迎えてしまうか分からない時代に突入してしまった。だから自分の意志に反して人員整理などに巻き込まれることもないとは言えない。またそんなときにオロオロしないためにも、自らの能力は自ら磨き続けなくてはならないのである。

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貴乃花親方の処分について

2018-03-31 13:39:56 | ひとりごと

 日馬富士事件の被害者側だった貴乃花親方が、とうとう『平・年寄』に降格されてしまった。このことは、日馬富士事件以前は『理事』で将来の理事長候補だったことを考えると、大変な降格処分ということになる。普通の会社で例えるなら、次期社長候補の専務取締役が、いきなり新入社員と同格の平社員に降格してしまったのと同様である。
 しかも相撲協会内では孤立無援となり、契約解除(クビ)を求める厳しい声もあったようだ。本来は同情されるはずの貴乃花親方が、なぜこのような状況に陥ってしまったのだろうか。

 まずそもそもは、日馬富士事件に対して協会を無視して警察に被害届を提出してしまったことに始まる。その後も協会及びマスコミ等に対して、あらゆる事態に関しても、かたくなに無視をし続けたことが、協会だけではなく社会一般や一門の親方衆たちに対しても疑問感を抱かせてしまった。
 まあそれで終わりなら、役員待遇(会社なら部長級か?)に留まっていたはずである。ところが勝てる見込みのない理事選に無理やり出馬し落選した傷も癒えないまま、またまた八方破れのような行動を起こしてしまったのだ。

 つまりまたもや協会に無断で、規則違反である『本場所期間中のTV出演』を行い、場所中にも無断欠勤を繰り返し、内閣府へ告発状までも提出してしまい、協会の怒涛のような怒りを誘発してしまったのである。前回の理事から役員待遇への降格処分については、なんとか賛否両論の声があったものの、さすがに今回のこの一連の暴挙については、一般人たちの同情も消失したばかりか不快感さえ煽ってしまった。さらには弟子の貴公俊の暴力事件まで勃発し、とうとう完全な四面楚歌状態に追い込まれてしまったのである。

 貴乃花という男については、過去にも実母や実兄との確執が有名だが、土俵上ではあれだけ立派だった大横綱が、なぜこれほどまでに頑固で一方通行でしか物事を考えられない人間なのだろうか。将来理事長を目指すのならば、もう少し物事を柔軟に対処し、もっとしたたかに生きて行かねば万人の支持は得られないし、人をコントロールすることもかなわない。
 まあ幸いまだ貴乃花親方は45歳であり、一からやり直すことも出来ると信じている。まずはかつての人気に溺れることなく、素晴らしい弟子たちを大勢育て、かつ親方衆や協会とも柔軟な対応を続けてゆくことだ。また協会の批判をする前に、少なくとも自ら規則はきちっと守り、仕事はきっちりこなし無断欠勤・無断行動などは絶対に避けるべきである。

 これらは決して相撲界だけの話ではない。我々サラリーマンにも全く同じことが言えるだろう。サラリーマンたちも、飲み屋で同僚たちと上司や会社の悪口を口角泡を飛ばして話すことがある。だがもし文句ばかり言っているが、自分は無断欠勤をしたり仕事をサボったり、上司や同僚と全くコミュニケーションを取らず、会社に迷惑ばかりかけている人間なら、降格どころかクビになっても仕方がないだろう。
 いずれにせよ今回の貴乃花事件は、一般の社会人たちにも教訓になったはずである。また私は現役時代の貴乃花ファンであるが、これから本当に貴乃花親方が、改心した行動を示せるのかを、温かい気持ちで見守ってやりたいと思っている。

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孤独のすすめ

2018-03-18 18:19:45 | 一口メモ

著者:五木寛之

 タイトルに期待し過ぎてこの本を購入してしまうと、なんだか裏切られたような気分になるかもしれない。タイトルの『孤独』とは単に個人的な孤独感だけを指している訳ではない。つまり全世代の中で高齢者だけが孤立し始めている風潮に釘をさし、高齢者たちを上手に利用しながら全世代が幸せに暮らせる社会への提言と考えたい。

 内容的には常識的で納得できる話に終始しているし、字も大きく新書180頁程度の薄さなのであっという間に読破してしまうはずであろう。ことに共感を覚えたのは、第2章「下山」の醍醐味と、第6章まず「気づく」こと、の二つの章である。
 第二章は、山を登ることはきつくて大変なのは誰でも承知しているが、実は事故の多くは下るときに起こるのだと、下りの大切さを説いている。そして人生を登山に例えると下山は老後を指し、かつ高度成長期の終わった日本社会そのものも示唆しながら上手な下山方法を教えてくれる。

 また最終章の第6章では、本書の結論である『全世代が幸せに暮らせる社会への提言』を見事に開示しているのだ。その手法とは、単純に言えば『シルバービジネス』のことなのだが、従来の葬儀関連産業や介護などの日陰感漂う直接的な事業を指しているのではない。
 どちらかと言えば最近は元気で裕福な高齢者が多い。これらの高齢者それも日本だけではなく、全世界の高齢者が望む高付加価値製品の開発等こと今後の日本の役割だと提言している。さらにはそのニーズを一番知りうる高齢者の企画力も利用すべしと語っているのである。

 さてビジネス系の本ブログにて、余り関連性のなさそうな本書を紹介したのは、実はこの最終章に大いに共鳴したからに他ならない。とにかく読み易い本なので、通勤の往復程度で簡単に読了してしまうはずである。
 そしてもしかすると、今後のビジネス展開で重大なヒントになるかもしれないと思った。そんな訳で経理マンの皆さんに、是非一読して欲しいと考え、ここで発信した次第である。

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人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?

2018-03-02 15:22:34 | 一口メモ

著:山本一成

 著者は東京大学将棋部に在籍し、アマチュア五段の棋力を持つアマ強豪であり、現在最強の将棋プログラム『ポナンザ』の生みの親でもある。そしてその最強将棋ソフト『ポナンザ』は、とうとうプロ棋士の最高峰に立つ佐藤天彦名人と対局を行い、圧倒的な強さで佐藤名人に二連勝してしまったのである。

 もはやこのポナンザに限らず、人工知能に勝てる人間は誰一人として存在しなくなってしまったのである。10年前には全くプロ棋士には歯が立たなかったAIが急速に強くなったのは、CPU、メモリ等ハードの機能向上と、自己強化学習による自動修復プログラム機能が確立されたためだと言う。
 これによってプロ棋士が過去に指した膨大な対局データーなどを、人間が手入力しないで自動的にコンピューターに取り込めるようになったのだ。さらに最近では、人間を超えたコンピューター同士が対局したデーターさえも、無限に取り込んでいるため、既に人間の領域を遥かに超えてしまったのである。
 
 さてコンピューターが強くなったのは、着手から終局までの全局面を総なめしているからだと想像する人が多いかもしれないが、それは錯覚あるいは全くの見当違いなのだと言う。つまり将棋におけるあり得る局面数は10の226乗も存在し、その全てを解析しようとすると100億年以上かかってしまうのである。まさに神の領域であり、今のところAIもそこまでは到達していない。
 ではAIはどのようにして最善手を探索するのであろうか。簡単に言えば、過去のデーターなどから無駄と思われる手を切り捨てて、有用と思われる手だけを集めて比較し高得点の手を選択しているのである。

 将棋の場合はこんな理論だけで人類最強棋士を簡単に打ち破ってしまったのだが、囲碁の場合は盤面が広く(将棋9×9、囲碁19×19)局面数も10の360乗に達してしまう。従って少なくともあと10年囲碁プログラムでは、プロ棋士には勝てないと言われていた。
 ところがである、なんとグーグルが開発した『アルファ碁』と言う囲碁プログラムが、2016年に世界トップクラス棋士に圧勝してしまったのである。さらに翌年人類最強と呼ばれる中国の柯潔九段も打ち破り、非公開で行われたプロ棋士達とのオンライン対局でも60連勝を記録し、もはや人間には手に負えない対戦相手になってしまったのである。

 このアルファ碁の強さに貢献したのが、ディープラーニング(深層学習)という手法で、人間の神経細胞の仕組みを模したシステムであるニューラルネットワークがベースになっているらしい。このニューラルネットワークを多層にして用いることで、データに含まれている特徴を段階的により深く学習することが可能になると言う。
 従って多層構造のニューラルネットワークに大量の画像、テキスト、音声データなどを入力することで、コンピュータのモデルはデータに含まれる特徴を各層で自動的に学習していく。さらにこれに加えて、将棋プログラムと同様にプログラム同士で戦わせて、自己強化学習による自動修復プログラム機能でプログラムをどんどん優秀なものに書き換えている。そしてとうとう将棋同様、既に人間の領域を遥かに超えてしまったのである。

 この本では前述したコンピューター将棋とコンピューター囲碁の歴史やその構造と進化の流れなどを分かり易く説明している。それを大きく分類して次のように括っているのである。
第1章 将棋の機械学習 将棋プログラムの変遷など
第2章 黒魔術とディープラーニング ディープラーニングでAIが急速に進化するなど
第3章 囲碁と強化学習 囲碁プログラムが強力になった理由など
第4章 倫理観と人工知能 AIはさらに進化して人間の知性、倫理観、価値観を学習するなど
巻末対談 グーグルの人工知能と人間との世紀の一戦にはどんな意味があったのか? アルファ碁VS韓国イ・セドル九段

 繰り返すが、著者は将棋実力者のプログラマーである。従って本書の大半は将棋や囲碁のプログラムにおけるAIの構造や進化等の解説に費やされている。だが最終章ではAIの更なる進化と、人間に与える恐怖についてもそれとなく触れている。
 AIが際限なく進化し、場合によっては人間の仕事の大半を奪い、不要になった人類を滅ぼすかもしれない。それも全ては人間たちの今後の行動にかかっている。
 つまりインターネットを含むあらゆる世界で、人間は出来る限り「いい人」に徹しなければならない。だから他人を非難したり戦争等を続けていると、AIもそれを学んで「不要になる人間達を滅ぼす」自己学習プログラムを創生してしまうかもしれないのだ。
 たぶんその時期は、一番難解と言われている完璧な翻訳プログラムが完成した時あたりかもしれない。そんなことを考えながら本書を読んでいると、単なる将棋や囲碁のプログラム解説本とは侮れないのだ。きっと誰もが、ひしひしと迫りくるAIの恐ろしさを、実感せずにはいられないはずである。

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胃癌の手術

2018-02-21 18:24:49 | ひとりごと

 一昨年の11月にクリニックにて受診した胃内視鏡検査で、幽門周辺にびらんが認められ、その部分の組織を切り取って生検を行った結果、『未分化型の腺癌』という有り難くない診断を受けてしまった。それで大学病院を紹介してもらったのだが、そこで胃内視鏡と生検を行っても不思議なことに癌は見つからなかった。
 その後三ヶ月ごとに大学病院にて胃内視鏡と生検を繰り返したが、一向に癌は見つからないのである。これは一体どうしたことなのだろうか。考えられるのは次の三項目だと言う。
1.初回のクリニックの生検で、検体の取り違いがあった
2.一つまみ癌と言う非常に小さな癌で、採取した検体が癌の全てだった
3.未分化型の癌はたちが悪く、散らばって胃壁の奥に潜んでいる可能性が否めない

 ただ検体の取り違いは非現実的だし、一つまみ癌は未分化型癌には殆ど見られないらしい。また万一胃壁の奥に癌が潜んでいる場合は、スキルス性胃癌の可能性が高く、この胃癌に罹ると他部位に癌が転移して大変なことになると言うのだ。
 それで今後10年間位は三か月ごとに胃内視鏡と生検を続けて様子を見てゆくか、思い切って手術をして幽門周辺の胃を摘出してしまうかの選択を迫られることになったのである。医師たちの意見としては、私がまだ比較的若いので、この際手術をして不安を取り除いたほうが良いのではと言う結論であった。

 しかしながら胃の摘出手術を行うと、一生まともに飲食出来なくなってしまい、外食なども制限されてしまうことになる。食通と言うほどではないが、どちらかと言うと外食や旅行が好きな私にはハードルの高い手術である。だがこのまま一生スキルス性胃癌の影に恐れおののきながら、暮らしてゆくのも悲し過ぎるではないか。
 そしてさんざん悩んだのだが、父も祖母も胃癌の家系なのだし、覚悟を決めて専門家(医師)の判断を信じて手術を受けることにした。私の場合は一度決断するともうその後はくよくよ悩まないことにしている。子供の頃に父に『俎板の鯉』の話をされて諭されたことが、脳裏にこびり付いているからであろうか。そしてその結果が凶となっても、絶対に後悔だけはしないことにしている。

 手術時は当然全身麻酔なので、全く痛くも痒くもないのだが、手術直前に海老の形になって背中に刺される針が死ぬほど痛かった。これは手術後の痛みを和らげるための『硬膜外麻酔』というもので、手術後も数日間は針が刺さったまんまになっている。また通常の手術以外では、無痛分娩などにも使われると言う。

 手術は腹腔鏡を使って行ったのだが、噴門部という難しい部位であり約5時間程度かかったらしい。気が付いたときはHCU(高度治療室)に運ばれた後であるが、ほとんど身動き出来ない状況であった。このHCUで3日間過ごし、点滴スタンドに頼りながらもフラフラしながら少し歩けるようになると、やっと一般病棟へ移動することになった。ただまだオムツと点滴の生活で、食事はもう少し様子をみて重湯から始めるとのこと。

 その後少しずつ病院の中を歩く練習などをしてリハビリを行い、食事のほうも重湯から三分粥・五分粥・七分粥と続き、退院するころは全粥に変貌していた。だが出される食事の半分も食べられないのだ。もちろん手術後はそれが正常で、医師からは「全部食べないで半分以上残すこと」と釘を刺されていた。ただ嬉しいことに、手術後の体調はほぼ良好で入院後11日間で退院の運びとなったのである。

 そしていつのまにか術後3か月が経過し、毎日食事療法とリハビリ運動に励んでいる。時の経過とともに傷口の痛みは治まり、食事の制限も少なくなったのだが、やはり一度に多くの量は食べられない。30回くらい噛みながら、ゆっくりと間をおいて食事を摂っているのだが、食後はいつもお腹がグルグルとなり続けて、腹の中にガスが充満しているようである。そして常に胃の膨満感を拭い去ることが出来ない。そんな訳で術前より7キロ程度体重が減ってしまい、疲れやすくなってしまった。同じような手術をした人に聞くと、3年間位はそんな状態が続くらしい。

 さて今回の手術で摘出した胃は、小刻みに刻まれて詳細に生検を行ったのだが、なんと癌細胞は見つからなかったのだ。結局のところ未分化型癌には余り例のない『一つまみ癌』だったのか、或は非現実的な取り違いだったのだろうか。だとすると「切り損」だったかもしれない。だから喜んで良いのかなぁ・・・と複雑な心境であることも否めない。
 しかしながら私は絶対に後悔だけはしないことにしている。それはあくまでも結果論であり、生涯スキルス癌の脅威に怯え続けなくても良くなったと考えるしかないのだ。

 とは言っても、100%安心できる訳でもなく、今回摘出した胃以外の場所に癌が潜んでいるかもしれない。また最近一か月以上続いている胃のもたれ感や傷口周辺の痛みも気になり始めている。それで最近になって術後初めての内視鏡検査を受けたのだが、特に問題はなかったようである。
 いずれにせよ今回の検査が陰性でも、今後は少なくとも1年に1回以上の検査は必要になるのだという。そして食事調整は死ぬまで続くかもしれない。まだまだ私と癌との戦いは完全に終わった訳ではないのである。
 

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経理マンの特殊詐欺対策

2018-02-05 18:01:33 | 達人経理マンへの道

 平成29年上半期における特殊詐欺(オレオレ、振込詐欺など)の被害件数は1513件で前年比75%増、金額では約35億円で37%増だと言う。ましてやこれ以外にも表に出ていないものもかなりあるだろう。そして被害者の大半は70~80歳代の女性、つまりおばあちゃん達である。
 また最近の犯人たちは、息子や孫を名乗る者だけではなく、警察官・公務員・銀行員などのお堅い職業を名乗る者が増えていると言う。そして現金手渡しや振込させるのではなく、キャッシュカードを騙し取る手口が増えているらしい。たぶん犯人側にしてみれば、従来の方法では警戒されるし、今のところはこれが一番リスクの少ない犯行手口なのだろう。

 いずれにせよ、犯人と被害者の接点のほとんどが電話であることは変わらない。それにしても何故見ず知らずの他人にキャッシュカードを預けてしまうのだろうか。
 「私なら絶対に電話口で逆襲してやるのだが・・・」などと短絡的かつ安易に考えてはいけない。犯人たちは詐欺の達人集団であり、事前にいやと言うほど集団で電話のやり取り訓練をしているのである。だから素人が太刀打ちできるわけがない。ましてや、社会経験が少なく心優しいおばあちゃん達に反論など出来るはずがないのだ。

 従って受話器を取ってしまったら負けなのだと理解しておこうではないか。だからと言って電話を撤去したり使わないのでは意味がない。それよりもまずは、自分の家の電話の取扱説明書をしっかり読んでみよう。少なくともここ7~8年前以降に発売されている電話器なら、「迷惑電話撃退機能」が装着されているはずである。その機能を使えば受話器を取る前に、相手に対して「名前と要件を教えてください。この電話音声は記録されます」などのメッセージが自動的に流れる仕組みになっている。

 もちろん正当な電話ならば、相手は名乗って要件を告げるが、詐欺やセールスなどの場合は、そのままガチャン!であろう。もし古い電話器で迷惑電話撃退機能が装着されていない場合でも、留守電機能くらいは付いているだろう。この留守電機能のオリジナルメッセージとして、前述したようなメッセージを録音しておけば、迷惑電話撃退機能とほぼ同様の効果を発揮するはずなのだ。
 そんなことは面倒くさいという人は、電話会社に毎月400円支払ってナンバー・ディスプレイに加入し、登録していない人からの電話は初めから受け付けないように設定してしまうと言う方法もある。

 まあ現役の経理マン自身が特殊詐欺の被害に遭うことは余りないと思うが、少なくとも両親や祖父母たちが被害に遭わないとは限らない。だから年老いた両親や祖父母たちの電話器を良く調べてあげようではないか。そして機械の苦手な両親や祖父母たちに代わって、前述した防御対策を施してあげようではないか。きっと両親や祖父母たちから「さすが経理マンだ」と感謝されるに違いないだろう。

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人工知能と経理業務

2018-01-12 13:28:45 | ひとりごと

 人工知能(AI)が大きく進化するきっかけを創ったのは、チェス・将棋・囲碁などの盤上ゲームへの活用だったのではないだろうか。だがこの件については過去に本ブログで報告済の通り、既に人間の能力の限界を遥かに凌駕してしまった。つまりこの分野でのさらなるAI研究は無意味、と言うよりある意味で害になりかねない状況なのである。

 従って進化したAIが次に向かうのは、現実の業務や生活の中で直接役に立つ分野でなくてはならないだろう。もちろんあらゆる業界で、進化し続けているAIの役割を検討し、実際の業務に活用している例もあるようだ。
 そのいくつかを挙げると、概ね次のようなものがある。

①画像解析技術により、通行人、対向車、標識などを識別し、自動車の自動運転技術に応用
②また画像解析技術を利用し、画像を見てその状況を言葉にして説明する技術
③医師よりも正確に疾患を診断する技術
④言葉を聞き取り、議事録を作る技術
⑤僅かな音の違いを聞き分けて、機械の不調などを察知する技術
⑥相手の話に合わせて会話する技術
⑦小説を書いたり、作曲したり、絵を描いたりする芸術的な分野の技術

 まあこれらはまだ開発途上のものも多く、前述した盤上ゲームのように究極的な完成品には至っていないのだが、多分時間が全てを解決してくれるはずであり、そう長く待つこともないであろう。
 ただ私がAIの応用に一番望んでいるのは、何と言っても完全な自動翻訳なのだが、これは実に古くてかつ新しい問題でもある。この自動翻訳器を完璧なものに仕上げるためには、上述した音声認識技術の更なる向上が必要なことは言うまでもないだろう。

 さてその自動翻訳器よりもっと楽に完成出来そうなのが、経理の分野でのAI活用である。決算短信・有価証券報告書・営業報告書などは、その気になれば簡単にAI化出来そうな気がする。ただ自動翻訳器のような全人類的な大需要には遥かに及ばないし、全世界の決算報告スタイルが統一されないていないのもネックなのではないだろうか。

 それにしてもである、深層学習(deep learning)を駆使した人工知能の登場から、AIは飛躍的な進化を遂げていることは間違いない。さらには自己学習機能を伴っているため、放っておいてもAIはどんどん自己学習して猛スピードで進化を続けてゆくのである。
 そしていつかは鉄腕アトムのような優秀なロボットが生まれて、人間がやるべき仕事がほとんどなくなったとき、我々はどうやって生きてゆけば良いのだろうか。それも併せて考えて行かねばならない日がくるのも、そんなに遠い日ではないのかもしれない。

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新年明けましておめでとうございます。

2018-01-01 11:16:09 | ようこそ

 昨年は総選挙で自民党が大勝、と言うよりも野党総崩れで長期安倍政権が継続することになりました。その安倍政権は『忖度』という流行語を産み出したものの、特に国民にとって画期的に有意義な政策を創出した訳ではありません。それにも拘わらず相変わらず自民党政権が圧倒的な支持を続けているのは、一にも二にも野党がだらしなさ過ぎて、北朝鮮等の脅威に対処出来る術を全く持たないからではないでしょうか。

 最早国内情勢だけでは、経済も安定しなければ、心安らぐ平和な人生も送ることが出来ません。嫌な世の中になったものですが、だからと言って宇宙の果てまで逃げ続けることも叶わないのです。
 そんな先の見えない不安定な時代に遭遇したことは、非常に残念であります。そんな悲しい状況下ではありますが、決して希望を失わずに前向きに生きてゆくしか我々に残された道はありません。

 さて話は全く変わりますが、当ブログも、いつの間にか開設以来6年を超えてしまいました。これほど長期間に亘ってこのようなブログを運営出来るとは、全く考えてもいませんでしたが、これはひとえに熱心な読者の方々のお蔭だと感謝しております。
 
 管理人の蔵研人は7年前に現役を引退し、かつ書き溜めていた原稿も底をつき、頻繁に記事を掲載することが難しくなりました。最近ではやっと10日に一本掲載という瀕死的な有様。その間に何度も当ブログの閉鎖を考えましたが、熱心な読者の方々による多くのアクセスに支えられ、なんとか今日まで生き延びている状況でございます。

 このような状態ではありますが、皆様のご支援が続いている限りは、なんとか当ブログを継続して行きたいと考えておりますので、本年もよろしくお願い申し上げます。

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ガラケーの逆襲

2017-12-25 18:30:24 | ひとりごと

 いつの間にか世の中は、スマホ・スマホのオンパレードで、大手キャリアは新規のガラケーの出荷をやめてしまったようである。もちろん今のところあくまでも新規出荷をやめただけであり、従来からガラケーを使っている人に対して電波をとめた訳ではない。
 この現象はガラケーのOSや部品よりもスマホのほうが部品調達コストが安く済む反面、顧客から徴収する通信料金等は、ガラケーより大幅に高く徴収できると言う一石二鳥の仕組みの上に乗っかっているからであろう。現在平均的なスマホ料金は月額で約7000円前後、家族4人なら年間で約34万円もの大金が流出しているのである。人それぞれの価値観にケチをつけたくはないが、私自身はスマホにそんな金額を毎年継続して支払う価値を認めていない。

 そもそも我々の世代が若い頃は、ケータイなどなかったのだから、ケータイを持っていなくとも生きていけるのである。とは言っても多くの公衆電話が消滅し、プライバシーの確立した現代において、全くケータイを持たない!と頑張るのも悲しいではないか。そんな訳で私はずっと最低料金プランでガラケーを使い続けているのである。
 さらに定年後は通勤もないし遠出も少なくなったので、外で電話やインターネットを使うことはほとんどない。また旅行に行くときはタブレットを持参して、ホテルの無料WIFIを利用してネットに繋いでいる。こんな状況なので、ガラケーは月に数回の電話とメール送受信に使う程度、通信料も月約1300円という低料金で押さえている。
 
 だから私にとって、ガラケーが消滅してしまうと非常に困るのである。だがそんなシニア達の声を反映したのか、最近になって各キャリアから『ガラホ』というガラケーもどきのスマホが発売された。これは形や操作方法はガラケーを模しているのだが、中身はれっきとしたスマホなのだという。
 このようにして、大手キャリアはスマホ嫌いのシニアたちを取り込み、将来ガラケーを廃止しスマホだけの運用に絞った効率化を企んでいる。だがこのガラホには重大な欠陥があることが判った。
 つまりガラホの中身はスマホなので、メールも通常のインターネット経由となり、ウイルスの危険に晒されるということである。従ってガラケーには不要だったウイルス駆逐ソフトを導入しなくてはならず、これがバカに出来ない金額で基本料金に上乗せされてしまうのだ。

 つい最近のことである。新機種ハード無料のガラホで、国内電話5分間かけ放題・月額1500円という低料金プランへの乗り換え案内が郵送されてきた。「多少高くなるがそろそろ今の機種も古くなったことだし、1500円位なら仕方ないか。」と考えてケータイショップに出かけたのだが、提示された金額はなんと基本料金だけで2600円という案内広告とはかけ離れた金額であった。
 一体その差額は何なのかと問いただすと、「保険料とウイルスバスター使用料と消費税ですよ」と、そんなことも知らないのかと言うような不愉快な目つきで回答してくるのだ。

 そんなことはどこにも記されていない、これでは誇大広告じゃないか。それどころかある意味では詐欺とも言えるぜ。全く冗談じゃないよ!。
 「それなら今のままで何ひとつ不都合はないので、乗り換え契約はやめます」と言うと、「いずれはガラケーはなくなりますよ、それでもいいのですかと」と慇懃無礼な脅しをかけてくる。悔しいから、「それならもうケータイは持たないからいいよ」と捨て台詞を吐いてショップを後にした。
 それにしてもだ、犬や桃太郎・金太郎などが出演する訳の判らないCMを一日に何度も垂れ流し、イメージだけのCM競争をしている大手キャリアたち。そんな不毛なCMに大金を使えるほど金が余っているのなら、少しでも料金を安く設定したり、客に対する態度をもっと丁寧にできないのだろうか。むかっ腹が立つと言うより、情けなくて涙が止まらないよ。

 そこで提案をしたいのだ。少なくとも定年後のおじさんたちに限って言えば、ケータイの使用頻度は私と大同小異であろう。
 従っておじさんたちにとっては、スマホは不要であり『ガラホではないホンマもんの簡単ガラケー』こそが必要なのだ。しかも月々全て込々で1000円以下の料金であれば、さらに万々歳である。
 この願いのパワーたるや半端ではないはずだ。団塊世代が大量に定年後を迎えたからである。もちろん若い人の中にも、安いガラケー復活を望む声が多いのではないだろうか。
 ということを裏返せば、ガラケーの取り扱いをやめてしまったキャリアが多い中、逆転の発想で安いガラケーを復活させて、全てのガラケーファンを独占したキャリアこそ大儲けできるはずではないか。真に頭の良いキャリアならば、こんな簡単な理屈が判らないはずがない。是非この際、この提案を一考あれ。

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