経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

AIの時代

2024-02-27 15:11:54 | ひとりごと

 チェスに始まって、将棋・囲碁の世界でも圧倒的に人間たちを葬ってしまったのが、AI進化のさきがけであったはずである。また10年前には参考程度だったAI翻訳が、いつの間にか実用に耐えられるレベルに到達しているではないか。そして近年のチャットGPTなどなど、まだまだ将棋・囲碁のような神がかりな完成度ではないものの、あらゆる分野でAIが活躍し始めていることは間違いない。

 そこで近い将来に、AIに奪われてしまう職業について予測してみたいと思う。

 すでに部分実施中であるが、スーパーのレジ係はセルフレジの完全化により廃止されるだろう。ただし今のところ操作指導や不正処理する顧客を見張る係が必要なための店員が必要なため、完全化にはもう少し時間が必要である。だからと言って不可能という訳ではなく、さらに設備投資とAI化を進めれば「ウォークスルータイプ」決済で完全無人化も夢ではないだろう。

 さて最近のモーターショウで一番の目玉は、自動運転カーではないだろうか。だからバスやタクシーの運転手は不要になるかもしれないと考えてしまうだろう。
 だが混雑していて複雑な経路の道路を自動運転させるよりも、定められた軌道を走るだけの鉄道のほうがさらに自動化し易いのではないだろうか。そう考えると、いずれ電車の運転手もAIにとって代わられるに違いない。ただ事故が起きた場合の対処が難問であり、それが解決されない限り余りにもリスクが大き過ぎると言えるだろう。

 最近の内科医は、患者の顔もよく見ないばかりか、親身になって話を聞いてもくれない。かつて存在した「医は仁術」という言葉も死語になっている。ただただ夢中になって、下手なキーボードを叩いている。従ってもうすでにパソコンに使われているという感がある。
 これならば医者ではなく、キーパンチャーが患者から症状を聞き、それをパソコンに伝えれば済むことである。そしてその結果優れたAIが出す答えは、どんな名医よりも正確に違いない。またロボット手術は存在するものの、当面は外科医との二人三脚が必要なので、少なくとも内科診察だけの医師は不要になるかもしれない。

 そのほかにもリライトライターや、通関士、行政書士、税理士、弁理士、公認会計士、社会保険労務士、司法書士などの士業もAI化するに違いない。もちろん悲しいかな、いずれ銀行員や経理マンなども、当然のように淘汰されるだろう。
 では人間の仕事は全部AIに奪われるのかと言えば、それは当面の間は「ノー」であろう。つまりAIはソフトウェアであり、体力を使う仕事は直接こなせない。それを自主的に行うにはロボットというハードを操らなければならないからだ。近年AIは猛スピードで進化しているが、それは自己学習しているからである。だがいまのところ、AIの知能を100%発揮できるハードが完成するにはまだだいぶ時間がかかるだろう。だから「当面の間」はノーと述べたのである。

 つまり従来ホワイトカラーが行っていた仕事ほどAI化され、体を使う営業や調査、介護の仕事、さらにAIエンジニアやAIを補助する職種などが人間のやるべき仕事になるであろう。とは言ってもそれは、前述した完璧なハードが完成するまでの繋ぎであり、鉄腕アトムなみのロボットが発明され大量生産されるようになれば、もう人間の出番はほとんどなくなるに違いない。あー怖い怖い、まさにターミネーターの世界じゃないか。

作:蔵研人

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レジ袋有料制度

2024-02-19 17:19:31 | 経済ニュース編

 レジ袋の有料化が法制化されたのが2020年7月なので、今更ではあるのだがこの場を借りて一言申し上げたい。そもそもそれまで無料だったレジ袋がなぜ有料になったのだろうか。
 簡単に言えば環境問題である。つまりレジ袋の材料であるプラスチックが、環境悪化の原因の一つになっていると言うのだ。ことに問題視されている海洋プラスチックは、環境汚染を引き起こし、海の生態系を壊す原因となっている。さらにはレジ袋を償却処理する際にCO2が発生し、人体にも悪影響を及ぼすと言われており、世界共通で取り組むべき課題として認識され議論されているからである。

 まあその理屈は分かるのだが、日本国内で排出されるプラスチックゴミのうち、レジ袋が占めるのは2%程度に過ぎないし、皮肉にも代用しているエコバックのほうがプラスチックの使用量が圧倒的に多いと言われている。またそもそもレジ袋は生ごみを捨てるときに使用していたので、レジ袋がなくなれば同じようなプラ袋を百均などで購入せざるを得ない。結局は今まで無料だったゴミ捨て袋が有料になっただけで、環境的には何の効果も生まないことになるではないか。

 極論すれば、レジ袋有料化とは官僚や政治家たちが「一応環境対策を実施しているよ!」と言い訳するための「コンテンツ」に過ぎない。「でもスーパーやコンビニでは費用削減に貢献しているではないの」と考える人もあるだろう。ところがエコバック使用の弊害として、店内の商品を入れてそのまま持ち帰る万引きが増加しているケースも多いため、逆に費用増になっているケースもあるようだ。
 つまり本当に環境問題を整備したいのなら、「レジ袋有料化」などのケチな発想ではなく、もっと抜本的な対策を講じて欲しいものである。

作:蔵研人

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株式投資にかかる税金

2024-02-08 22:15:28 | 経済ニュース編

 株式市場さらには経済の発展と安定のためか、1953年から1988年の間は株式売買益については、一定の要件を満たす売買を除き原則非課税であった。ところが消費税の創設をきっかけに、資産家優遇批判の声などに押され1989年からは原則課税となる。
 ただしその後、株式市場が低迷したため10%の申告分離課税への軽減措置が繰り返し適用されるのだが、2014年からやっと本則の20%が適用されることになった。そしてその激変緩和措置及び「貯蓄から投資へ」を促進するためのツールとして、NISAという非課税制度が創設されたのである。

 当初のNISAは、利用可能者を20歳以上の居住者等とし、非課税対象は上場会社等の株式譲渡益及び配当金、公募株式投信の分配金とされた。ただし毎年新規投資額100万円まで10年間の措置であった。だがその後、投資枠が120万円に引き上げられ、一般NISAに加えてジュニアNISAや、つみたてNISAもスタートしたのである。

 ところが2024年からは、現行のNISA全てに代わって、画期的な「新しいNISA」がスタートしたのだ。それにしても株式投資にかかる税制は、なぜこうもコロコロと変わるのだろうか。とても年寄りにはついて行けないよね……。と言いつつも、やはり新しい制度にもチャレンジしてゆかねば置いてけぼりを喰らうので、必死になって新しいNISAについても簡単にまとめることにした。

1.従来は期限のある時限措置であったが、今後は無期限となり恒久制度化された

2.これまで一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円だった年間投資可能枠が、合計360万円と大幅に拡大される。そのうち120万円迄は『つみたて投資枠』※1で、240万円迄は『成長投資枠』※2となる

※1.つみたて投資枠の取扱商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託となる。ただし取扱商品は今後変更される可能性がある
※2.成長投資枠の取扱商品は、国内上場株式等、公募株式投資信託、外国上場株式等

3.税制優遇される個人の投資は残高ベースで上限が管理され、総額で1800万円(うち「成長投資枠」の残高は1200万円)となる

4.投資の残高は、取得価格(簿価)で管理される。例えば、100万円で買った投資信託を150万円で換金して引き出した場合、投資可能残高には100万円の空きが新たに発生することになる。ただし非課税枠の再利用は、売却の翌年以降に可能となる

 まあいろいろと面倒だが、せっかく上場株式譲渡益や配当金、投資信託の収益分配金などが一定額非課税になるのだから、この制度を利用しない手はないだろう。ただあくまでも投資にはリスクが伴うので、それを覚悟のうえで投資しなくてはならないし、NISAを選択した場合は、損が出ても損益通算や損失の繰り越しはできないことを承知しておこう。


作:蔵研人

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