もう10年以上前遡ることになるが、私がはじめて他社の株主総会に出席したときの話をしよう。
自社の株主総会には長年事務局として演壇中央に座っていたが、他社の総会に株主として出席したのは、生まれて始めての経験だった。
この会社は某大映画会社の子会社であり、不動産という安定收入があるため、画期的な経営は行わず、昔ながらののんびりとした殿様経営に終始しているようだ。
総会は250座席程度の映画館の中で行われ。売店での飲みものは無料、映画の招待券2枚と2000円の飲食券をお土産にもらった。
総会の運営は、相変わらず議長がただ営業報告書を棒読みする紋切調の展開である。そして時折社員株主の『意義なし』発声が会場に響き渡り、「このセレモニーを早く終結させよ」と言っているかのようだった。
この調子では例年通り30分で終わるシャンシャン総会かと思っていたのだが、1人の一般株主が質問してから、まるで堰を切ったように、次から次へと質問する人が増え、なかなか私には順番が回わってこないのだ。
やっと私の質問が終わり、そのあと2~3人が質問を重ねて議決に入ったが、総会が終了したのが午前11時半だったので、1時間半も要した事になる。
たぶんこの保守的な会社にとって、創業以来一番長い総会だったのではないだろうか。ある年配の女性株主から、「この程度の規模の会社としては、役員が多過ぎるのでは」との厳しい質問もあり、事なかれ主義の経営陣はタジタジで、苦し紛れの回答を繰り返していた。
自分が発言したこともあるが、日本の株主もだんだん積極的になり、ノンポリ経営陣もうかうかしていられなくなったね。今後の総会のあり方を垣間見た気がし、とても有意義で気分の良い経験となったと思う。
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