経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

呆れた消費増税先送り

2016-05-30 11:32:35 | 経済ニュース編

 安倍首相が伊勢志摩サミットの世界経済に関する討議で、「リーマンショック級の危機」と発言し、各国の党首から否定され、かつ世界中のメディアから失笑されているらしい。なぜ彼はそんな短絡的な発言をしたのか、それはアベノミクスの失敗隠しと、来年4月に迫っている消費増税を延期するためである。そしてその真の目的は、今年夏の参院選をはじめとする選挙対策と、自らの保身・延命であることは疑いようもない。

 海外からは失笑され、自国民にはその身勝手な理由が暴露され、麻生副総理をはじめとする自民党幹部に反対されても、増税をさらに2年半延期すると駄々をこねて、ボンボンぶりを遺憾なく発揮しているようだ。
 もちろん誰だって増税なんか好きではないし、経済への悪影響も避けたいのは当然である。だがそもそも消費税10%への移行は、2015年10月に予定されていたものを、安倍首相が直前になって無理矢理1年半先送りし、東日本大震災以上の大災害やリーマンショック級の経済危機に直撃されない限り、必ず実行すると約束したものではないか。

 確かに熊本大震災は大変な災害であったが、東日本大震災の被害には遠く及ばない。それでやむなくサミットを利用して、世界経済の大危機を訴えたが、失笑を買っただけで、その思惑は世界のトップや知識人には通用しなかった。
 それでも消費増税の延期を諦めないのだから、ある意味大した根性だと褒めてやりたいくらいだ。しかしながら、既に消費増税を1年半先送りして、火の車になっている日本の財政を一体どのようにして補完するのだろうか。
 どこにも代替案などあるはずもなく、それどころか逆に法人税減税や他国への支援などには、湯水のようにセッセと税を浪費しているのだ。これでは結局のところ、誰が考えても更なる赤字国債発行しかありえないではないか。

 こうなったら、日銀が円をジャンジャンバリバリ印刷して、国債の半分くらいを買い戻すしかないだろうね。そうすればデフレは完全に終焉し、どんどん円安になり、日経平均も上がるに違いない。ただインフレの嵐と、米国などの諸外国からのクレームと、報復の鉄拳が飛んでくることも覚悟しておく必要があるだろう。
 ・・・まあつまらん妄想はこの辺で止めるとして、いずれにせよ政治家が何度も約束を反故にするのは最悪である。さらに増税延期を自身の任期外に設定するという無責任さにも、呆れを通り越して情けなくて悲しくなるほどだ。
 だからこのことは、安倍首相の最大の汚点として、きっと歴史に刻まれることになるだろう。残念ながらここらが、外ズラ外交と憲法改正だけのボンボン首相の限界なのであろうか。

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良い温泉旅館の条件

2016-05-23 17:43:24 | ひとりごと

 ここのところツアー旅行を直前にキャンセルし、キャンセル料を支払う羽目になったことが数回続いている。その理由は私か妻の体調不良や、大地震・台風・火山の爆発などの転変地変が勃発したためである。
 どうも年を取ると体調の維持が難しくなるし、近年の日本は災害列島と化して、いつ何時何が起こるか判らない状況に陥っている。こうなるともう長期的なスパンで計画しなくてはならないツアー旅行への参加はなかなか難しくなってきた。

 従って最近は、前日にでも気楽に予約の出来る近場の温泉旅行を選択することが多くなった。これならば体調と天候の良い日に旅行出来るし、朝も10時頃にゆっくりと自家用車で出発できるのも嬉しい。それに何と言っても、ツアー旅行では絶対に味わえない美味しい夕食が味わえるのが最大の魅力である。
 また事前に宿のホームページやじゃらんのクチコミなどで、立地条件、部屋の広さ、宿全体の設備、サービス状況、食事の概要などを調べておけば、まず大きなハズレを引くこともない。ただ実際に行ってみないと分からない部分も多く、その部分が意外とさらに快適な気分に浸れるかどうかの分かれ目になるから恐ろしいのである。

 まず部屋の鍵が二つあること。鍵が二つあれば同伴者に気兼ねせず、大浴場などに自由に出入り出来るからである。また食後にロビーや売店に行ったり、廊下のトイレに入ったりするときも、部屋の鍵さえあれば一人で気軽に用が足せるではないか。さらに部屋の鍵だけではなく、貴重品金庫も複数用のものが完備されていれば、団体客には非常にありがたい。
 また鍵で思い出したのだが、風呂場にも貴重品ロッカーを用意してもらいたい、それがないと部屋の鍵を持って風呂に入らなければならないため、非常に煩わしいのだ。

 次に湯河原の高級旅館のように、部屋食オンリーというのは勘弁してもらいたい。いかにも部屋食を贅沢のようにアピールしている宿があるが、もう部屋食をありがたがる時代ではない。まず調理場から部屋に運ぶまでに料理が冷めてしまうし、部屋中に食べ物の臭いが残ってしまうのも興ざめなのだ。
 もちろん部屋食のほうが良いという人のために部屋食制度は残しても良いのだが、高級旅館を謳うのなら、せめて個室食事処との選択を出来るようにして欲しいものである。

 さてかなりの名旅館でも、大浴場にタオルの準備がなく、わざわざ部屋付のタオルやバスタオルを運ばせているところがあるのが気に入らない。濡れたタオルを持って、部屋と大浴場の間を何度も行ったり来たりしたくないのだ。細かいところにケチケチしないで、大浴場にはタオルとバスタオルくらいは常備してもらいたい。実はこうした細かい心遣いが、その旅館の評価に多大な影響を及ぼすものなのである。

 それから大浴場の脱衣所や部屋の洗面所には、少なくともドライヤー、カミソリ、くし、歯ブラシ、綿棒、ティシュ、石けん、整髪料、ヘアトニック、ローションなどのアメニティーグッズをもれなく配備して欲しい。ところが脱衣所には石けんが、風呂場にはシェービングクリームが設置されていない旅館が以外に多いのが不思議で堪らない。
 ‎さらに体重計測器は精度の高いものを置いて欲しい。ある旅館で通常より5キロも体重増となるものを設置していて、腹が立ったものである。また風呂場の中にも時計を設置してもらえると便利なのだが・・・。
 少なくとも、一泊2万円以上とる旅館では、これらをきっちりと漏れなく配備して欲しいのだ。そしてガツンと高級感を醸し出したほうが、より良い結果を生むはずである。

 また現代では大浴場のほかにも、大露天風呂を併設している旅館が殆どだが、絶対に外部から見えないようにすること。最近は精度の高い望遠レンズが廉価で調達できるため、かなり遠くにある建物からでも露天風呂が盗撮されることもある。また今後はドローンを使ったと盗撮があるかもしれない。
 いずれにせよ、多少眺望が制限されても絶対に外から見られないような囲いを備えるほうがよい。グーグルマップではないが、もしかすると人工衛星からも盗撮されているかもしれないのである。
 何と言っても、大勢の人が大空の下で全裸で入浴する風習は、日本くらいにしかないので、外人達に注目されてもおかしくないのだ。また男性の風呂だから丸見えでも良いという発想も辞めてもらいたい。なんとなく落ち着かないし、だいいち風情がないではないか。

 それから、大浴場の男女入れ替え制というのも辞めてもらいたい。いろいろな風呂が楽しめるのは良いとしても、たいして変わり映えもしないのに、他所もやっているからうちもやろう方式で、入れ替え制にしている旅館が実に多いのだ。たぶん何種類もの風呂に入れると、宣伝したいのだろうか。
 数年前に、昨夜入浴した場所が男湯だと錯覚し、うっかり朝に入れ替わった女風呂に飛び込んで、大騒ぎされた真面目なご老人がいたが、痴漢扱いされて実にお気の毒であった。
 さらに近年は外人宿泊客が激増している。日本人でも間違えるのに、日本の習慣や日本語を知らない外人が間違えたって文句も言えないだろう。従って上品さを売り物にする名旅館なら、もう男女入れ替え制などはやる必要がないのである。

 どうしても温泉旅館というと、風呂場にまつわる要望が多くなってしまうのだが、ついでにもうひとつだけ。
 最近では、風呂場で脳梗塞などで倒れないため、入浴前に水分補給をすることが常識となっている。従って脱衣所周辺には必ず水を飲める場所を創らねばならない。さらに、牛乳やアイスの無料サービスなどがあれば、なお喜ばれるはずである。
 一般的に良い旅館のチェックポイントは、部屋、風呂、食事、サービスとなっている。ところで最近は仲居さんの過剰サービスは、逆に煩わしいと感じる時代かもしれない。だから現代流に、設備やアメニティーなどの充実度をサービスポイントと考えたいのである。

 さて宿泊部屋であるが、最低10畳以上でなくては話にならないし、次の間はともかくとして、踏込と縁側がついていないと寛げない。もっと言えば和洋室でベットがあればさらに魅力的である。トイレはウォッシュレットであることが必須だが、点検が悪いのか古い製品なのか、悲しいかな使い心地の良くない旅館が多いのが現実だ。だが何と言っても、トイレは清潔で絶対に臭いが漏れてはならない。
 さらに流し台はクリーンで二人分の広さがないと使い辛い。それからTVは当然40インチ以上ないと、しみったれていて恥ずかし過ぎる。つまり部屋の造りや備品は、家庭レベルより上でないと、癒しを求めて泊まりに来た意味がないのだ。
 最近流行の部屋付露天風呂は、一回程度しか入らない割には、コスパが良くないので不要と考える。全く入らないユニットバスはもっと不要なので、そのスペースで、トイレや流し台を広くしたりシャワールームなどを創ったほうが良いだろう。また当たり前のことだが、畳や壁は新しいものほど嬉しいので、掃除だけでなく頻繁にリフォームしてもらいたい。

 最後にチェックアウトについてひとこと。チェックインについては、ほとんどの旅館が15時となっているので問題はないのだが、チェックアウト時間については、古い旅館ほど10時までというのが多い。名所旧跡をあちこち見物したい人には、どうでも良いことかもしれないが、旅館でゆったりと過ごすのが目的で来た人にとっては少し慌ただしいのだ。だからせめてチェックアウトは、11時にして欲しいではないか。

 ある程度高級な温泉旅館とは、日常から解放された人々が、非日常を味わうために高い料金を支払って、はるばるやってくる場所なのである。だからこそどんな細かいことでも、客が求めることを全て承知しておき、文句のつけようのない万全の配慮を敷き詰めなくてはならないのだ。逆にそれを怠っている宿は、薄利多売を目指すか、いずれ消滅してゆくに違いない。
 つまり結論は簡単である。温泉旅館に限らず、消費者のニーズを把握し、費用との折り合いを計りながら、常に改善を計っていくのが健全な企業の在り方なのである。

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30代は最強の年代

2016-05-15 14:39:52 | サラリーマンは魔術師

 入社してほぼ10年、会社の業務内容、風習、人間関係、システムなどが良く判ってくる時期である。そして何よりも一番強いのは、まだ第一線で実務をこなしていると言うことである。それが役職について実務を忘れてしまったおじさん達と大きく異なる利点であり、何と言ってもまだ若さとパワーも残っていることが最大の強みなのだ。

 それが30代前半なのである。つまり実務能力においては、最強の年代と言っても過言ではない。だから元気溌剌で怖いもの知らずでもある。そして目の前には、果てしなく道が広がって見えるし、自分でもびっくりするほど傲慢になってくる。
 これは負けず嫌いで必死に努力している者ならば誰でも経験するはずだし、この時期には多少傲慢な態度をとっても「元気のいい若者」という許容範囲だろう。かく言う私自身も、30代前半に発揮していたパワーが生涯で最強だったし、このときに大きな転職を成し遂げて、将来の安定に結びつけることが叶ったのである。

 いずれにせよ、20代に切磋琢磨を怠らなかった者は、やがて周囲の人々に認められ、30代になると役職についたり、より大きな仕事を任されたりすることになるだろう。そしてビジネスマンにとっては、ここからが人生最大の転換期になるのだ。
 従ってそれまで金魚の糞のようにくっついていた同期の者たちとも決別し、孤独なビジネスマンライフがスタートするのである。万一転職を目指す場合にも、専門的知識を有していない限りは、30代前半がラストチャンスとなるだろう。
 また私生活においても、だいたいの人が30代に結婚し子供もできる。そして人として必要不可欠な、「責任感」という重要な感性が湧き始めてくるのだ。

 ビジネスマンたちは、20代のパワーと切磋琢磨、30代の技術的完成度と責任感を経て、やがてそれらの経験を生かし、さらに円熟さを身につけた中年時代へと突入してゆく。そのあとの本格的な出世レースは、運と人脈造りに長けている者が勝利することになるのだが、そのことについては、別稿に詳しく記載してあるのでそちらを参照されたい。
 これまで述べたことを逆の立場で考えると、この時期にチャラチャラと怠けていた者は、知的蓄積やビジネス経験を満たすことが出来ず、周囲の人々の信頼も得られないだろう。従って、将来にわたり勝ち組のビジネスマンとして活躍することは難しいであろう。まさに『アリとキリギリス』ではないか。

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会議という名の不毛な集会

2016-05-06 11:05:10 | サラリーマンは魔術師

 企業には取締役会を筆頭にして、企画会議、営業会議、経理会議、開発会議などなど、会議という名の集会がいかに多いことか。だが本当の意味での『会議』が非常に少ない気がするのは私だけであろうか。
 そもそも会議とは意見の異なる人たちが議論を尽くし、より良い結論を導き出し、かつ共通のコンセンサスを得るための集会だったはずである。ところが会議のほとんどが、報告会または説明会に徹しているではないか。そしてそこでは新しい意見が出たり、議論を戦わせることはほとんどなく、終始沈黙状態が続き、たまに手を挙げる人がいても、せいぜい紋切り型の質問をする程度である。

 もちろん前述したように、会議には報告することにより共通認識を持つという目的もあることは否めない。だが単に報告だけなら、関係者宛に電子メールで報告書を送付すれば事足りるではないか。また電子メール導入時は、それが導入理由の一つだったはずである。ところがいつの間にか、その思想が形骸化してしまい、TV会議などの発達に伴い、従来以上に会議の場が増えてしまったような気がする。

 当然のことながら、会議は一人では開催できない。また会議に参加する人だけではなく、開催する準備をする人、会議用の資料を作成する人などの裏方さんも含めれば、膨大な人件費と場所代を要することになる。そんな膨大な費用とエネルギーを消費して、報告会だけの会議に終始しているのでは、企業への貢献どころか、企業に多大な損失を与えるばかりではないだろうか。

 そんなことはサラリーマンの多くが認識している簡単な論理だと思うのだが、なぜ無駄の塊のような不毛な集会を廃止できないのだろうか。それは簡単である。もし会議がなくなったら、部長以上のお偉いさん達のほとんどが、やることがなくなってしまうからだ。
 つまり会議という名の集会は、実務の出来ないおじさんたちが、自らの存在感を認識できる貴重な場所なのであろう。だがこの上司のための集会により、部下たちが苦労を重ね、会社も多大な損失を蒙っていることに気付いて欲しいものである。

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