経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

エボラ治療薬に学びたい

2014-10-29 15:15:40 | ひとりごと

 なぜ全世界の巨大製薬会社は、エボラ出血熱の治療薬を開発出来ないのか。全世界の誰もがそんな疑問を感じるはずである。
 その答えは簡単だ。儲からないからである。そもそもこの病気は、西アフリカの貧しい一部の人々だけが罹っていただけなので、利益優先の巨大製薬会社にとって、投資メリットがなかったからだと言う。
 ところが1万人を超す患者が発生し、それが欧米の先進国に飛び火したため、急きょ大騒ぎとなった訳である。もしこのまま放置しておけば、人類消滅にもなりかねないからだ。

 そんな中で、たまたまインフルエンザウイルス薬として開発された日本の薬「アビガン」が、エボラの治療にも効果があるらしいことが判明した。この「アビガン」は現在は未承認薬であるが、全世界が注目しているため、いずれは正式承認される日も近いだろう。
 この驚異的な薬を開発したのが、米国やドイツの巨大製薬会社でもなく、ましてや日本最大の製薬会社である武田薬品でもない。全く薬とは縁のない富士フイルムの子会社のひとつである『富山化学工業株式会社』という従業員800名程度の会社だというところが驚きである。

 つまり、先に述べたとおり、巨大企業は目先の利益確保に血道を上げるばかりで、製造業の本質的な企業理念である人類の役に立つ製品の開発という戦略をなおざりにしてしまっているため、画期的な新製品を開発することが出来ないのだ。そして研究開発に向けるパワーの大半は、現在の主力製品のマイナーチェンジに向けられてしまう。その結果としていつの間にか、画期的な製品は米国企業に先を越され、大量生産品は安売り大王の中国や韓国などの企業に敗退するという悪循環を繰り返している。
 その具体例がSONYである。かつてはトランジスタラジオやウォークマンを送り出し、世界的なブランドを築き上げたものだが、創業者亡きあとはその企業理念を失い、目先の利益を追う余り画期的な新製品を生み出せず衰退してしまったではないか。

 企業は、いくら設備や金があり、優秀な人材を揃えても、必ずしも成功するとは限らないのである。つまり設備も金も人も生かされなければ、宝の持ち腐れなのだ。そしてそれらの道具を有効に活用するためには、前向きの企業戦略とトップの確固たる信念が必須なのであろう。

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会社を辞める理由

2014-10-14 08:44:15 | たそがれ経理マン編

 40年以上に亘って、医療機関、税理士事務所、貿易商社、出版社、製造業などなど、10社以上の会社を転々と渡り歩いてきた私だが、当然であるが各会社を辞めるにはそれなりの理由が必ずあった。それは私だけではなく、サラリーマンなら誰でも同じであろう。理由もなく突然辞めてしまうのでは、とても正常な精神の持ち主とは言えないからである。

 ただその辞め方が問題なのである。少年時代からよく父に「飛ぶ鳥、跡を濁さず」と諭されたものだ。ところがその父も私が中学生の時に胃がんに倒れ、42歳の若さで他界してしまった。そんなこともあってか、最初の就職先と二回目、三回目の就職先では、上司と喧嘩して辞めたり、それこそ理由もなく突然登社拒否をしたりと、父の教えに背くような愚かで子供染みた退職を繰り返していた。

 もしそのままそんな辞め方を続けていたら、絶対に今日の私は存在していなかったはずである。ところが幸運なことに、偶然ある医療機関に入所が叶った。そしてそこで経理の達人だった大先輩と巡り合うことによって、私の心の中で眠っていた獅子が目覚めたのである。
 それから経理関係の知識を習得するため猛勉強の毎日が始まったのであるが、それを延々と語ると本稿でのテーマとかけ離れてしまうので、それらの奮闘ぶりについては別稿に譲りたい。

 本格的に経理を勉強し始めた頃、現在の女房と知り合い結婚することになる。まだ半人前ではあったが、やっと責任感の持てる大人の仲間入りが出来るようになった気がしたものである。だが結婚し子供が生まれてからも、何度も転職を続けて女房には、多大な負担と心労をかけてしまった。
 しかしそれからの転職に関しては、少なくとも必ず前向きの理由があった。また辞めた会社に迷惑がかからないよう、後任の人が見つかるまで会社に残り、次の職を探すのは会社を辞めてから行うことにした。従って退職した会社の社長が、次の会社の身元保証人になってくれると言う奇跡的な出来事もあった。まさに「飛ぶ鳥跡を濁さず」を実践したのである。

 普通は転職するたびにだんだん落ちぶれて、どんどんつまらない会社に入社してしまうものらしい。だが私は税理士事務所を辞めて会社の経理マンになったものの、いずれは再び「職業会計人」に戻って活躍したいと考えていた。だから転職の目的は、まず給料のバカ安い税理士事務所から脱却し、給料の高い普通の会社に勤務することによって開業資金を蓄積すること。そして税理士事務所では経験できない資金繰り関係の仕事を覚えること、そしていろいろな業種を経験し、社会的な視野を広げることなどであった。

 これらの目的は20代のうちにほぼ達成することが出来、こと経理に関しては傲慢なくらい自信過剰だった。だがそのころになると、税理士事務所を開業するより、サラリーマンを続けているほうがずっと儲かることが分かってきたのである。それに二人の子供たちも小学生になり、これからは大きなリスクを冒せない。出来れば安定した大きな会社に勤めたいという、小人物的な発想が私を支配するようになってしまったのである。

 そして運よく、製造業を営む二部上場会社に入社が叶い、そこで20年近く経理部に従事することになった。本来ならその会社で骨を埋めるつもりだったのだが、バブル崩壊で希望退職が募られた折、自ら手を上げて潔く退職してしまった。
 その後は自分に向いていると考えていた「零細企業での一人経理」を目指したのだが、縁あって某一部上場会社に入社することになる。そして定年までの約10年間をこの会社で経理マンを続けたのであるが、定年後に希望退職した二部上場会社から声がかかり、ここで再び経理顧問として勤務するという奇跡が起こった。これも、父が遺した「飛ぶ鳥、跡を濁さず」のお蔭であろうか。

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