経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

原発の未来像とは

2013-10-23 15:51:22 | 経済ニュース編

 現役時代には原発推進派だった小泉純一郎元首相が、今頃になって各地で原発ゼロ発言を繰り返している。相変わらず政治家と言うものは、現役を離れると無責任なものだと、つくづく再認識してしまうが、『原発廃止論』そのものには全く異論はない。
 そもそも東日本大震災以降においては、「原発を廃止すると電気代が高くなる」と、国民や企業を驚かしていた論理そのものが成立しなくなってしまったはずだ。つまり原発安全神話が崩壊し、今後は原発の管理維持費用の増加、使用済み核燃料の処理費用、万一事故を起こした場合の除染・補償費用などを考慮すれば、原発原価は決して安上がりでは済まないからである。

 もちろん、だからといって石油オンリーの火力発電だけに頼っているのでは、電力の未来はないことも確かである。当然国が率先して、石油以外の燃料を調達することは勿論のこと、地熱発電などの新しい発電方法を開発・認可する必要があることは言うまでもない。
 いずれにせよ明日から原発ゼロにするわけにはゆかない。だがこのままズルズルと現状維持を続けていてもなにも進展しないはずである。それで原発施設の耐用年数を約40年として、今後新規建設はゼロ。現在ある原発施設の耐用年数が終了するのを待って原発を廃止するという展開が一番ベターではないだろうか。言うまでもなく、その間に国が中心となって新しい発電方法を推進しなくてはならない。

 電力費の値上げさえなければ、国民も企業も原発廃止に反対する理由はなにも無いはずだから、その方向性に反対する者は少ないはずである。ただタカ派政治家の中には、原発を全面廃止してしまうと、将来原爆を創りたいときに簡単に創れなくなる、という不安があるのではないだろうか。
 原爆保有については、ここで簡単に結論は出せないが、どうしてもその可能性だけは残しておきたいと言うのなら、全国で一番安全な場所に建てられている原発施設一か所だけを、国が買い入れて国立原子力研究所として発足させてはいかがであろうか。もちろん原爆所有の可能性などと言う話は、絶対に表向きには出来ないので、万一の電力不足に備えるとか、併せて使用済核燃料の処理方法の研究を行うとかの理由付けは必要であろう。そしてそこで発電した電力を電力会社に売却すれば、多少でもその研究所の運営費用を少なく抑えることが出来るではないか。とまあ、こんな具合に原発の未来像を描いてみたが如何なものであろうか。

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年金負担の考え方に不満だ

2013-10-15 10:37:10 | 経済ニュース編

 厚生労働省では「公的年金は、基本的に現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えている」という考え方を、一般の人々に普及させている。だがこの考え方はかなりおかしいと思う。これではまるで年金受給者たちが、現役世代に寄生して生きているかのように誤解されてしまうではないか。
 我々が若い頃は、厚生年金とは、保険料という名ではあるが、政府が我々に代わって強制的に行う積立預金であると解釈していた。そしてその運用は予定利率年7%(現行5.5%)で行うという契約のもとでなされていたはずである。だからかなり高額の保険料を徴収されても、ひとことの文句もこぼさなかったのだ。

 また年金制度初期に加入した年代は別として、少なくとも我々の世代は40年以上に亘って一千万円以上も積み立て続けているのだから、これを7%の複利で回せば平均寿命に達するまで少しずつ取り崩してもお釣りがくる勘定ではないだろうか。まさに自分で積み立てた金を自分で使って何が悪いのかと問いたい。とどのつまりは「公的年金は、基本的に現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えている」という考え方は、結局約束した利率で運用出来なかった厚生労働省などが、その責任を受給者たちに転嫁するために考えた言い訳に過ぎないのである。

 まあもう過ぎたことをグジュグジュ言うのはこれきりにしたいが、今後は「公的年金は、基本的に現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えている」という誤解を生む考え方は廃止して欲しい。そしてそれに代わる考え方として、「年金とは保険料という名で積み立てた金額(元本)と、それに一定の予定利率を複利で回した金額(利子)を合計した金額によって賄われ、それでも不足する部分は消費税にて補足する」というような解釈に修正してもらいたいのだ。

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誤解を生むマスコミの税金報道

2013-10-01 10:17:12 | 経済ニュース編

 最近マスコミを賑わしている『消費税増税』と『法人税減税』。しかしながらこの『消費税』と『法人税』についてのマスコミの報道は、税務を知らない人々の誤解を生むようなものばかりだ。そこで今回は是非マスコミの方たちにもこの記事を読んでもらい、報道のやり方について再考してもらいたいと考え、ペンをとることにしたわけである。

 まず消費税増税による「企業負担増」という報道が誤解を生んでいることを簡単にお話ししたい。そもそも消費税とは、消費者にかかる税金なので、基本的には企業が消費税の負担をすることはないはずである。企業は売上時に消費者から預かった消費税を税務署に納付する役割を課せられているだけだからだ。では企業自体が仕入れ等にかかっている消費税はどうなのか、という反論もあるだろう。
 だがその仕入れ等にかかった消費税は一時的に支払っているに過ぎない。つまり企業が消費税の申告をするときに「消費者から預かっている消費税から企業が一時的に支払った消費税を差し引き、その差額だけを納税すればよいことになっているのである。従って基本的に企業が仕入れ等で支払っている消費税は、ほぼ全額還付されたのと同様だと言っても過言ではないだろう。

 でも平成24年度から税制改正があり、仕入れ等に係る消費税額の全額を控除対象とすることができるのは、従来のように課税売上割合が95%以上だけではなく、かつ、課税売上高が5億円以下の小規模事業者に限られるようになったではないかと反論されるかもしれない。だが非課税事業割合が多い病院や不動産企業などを除けば、非課税取り引きである土地の売却などをしない限り、ほとんどの企業が課税売上割合99.99%くらいに落ち着いているのではないだろうか。だとすれば、課税売上割合に応じた方法(一括比例配分方式)などで計算する限り、これらの企業で仕入れ等にかかった消費税のうち還付されない部分の金額は、仕入れ等1000億円に対し僅か1億円程度に過ぎないのである。
 それはそれとして、そもそも消費税を販売価格に転嫁出来ない企業はどうなるの、という議論も湧出しそうである。だがそれは別問題であり、税込方式を廃止して欧州などのようにインボイス方式にすれば解決するはずだから、別途消費税の構造という部分で論議してもらいたい。

 つぎに法人税の減税であるが、これについてはこのブログで何度か取り上げているため、かなり重複する部分も出てきてしまうことを先にお詫びしておきたい。そもそも消費税増税は、社会保障に充てることが明記されているはずなのに、これを法人税の減税とつなげることは、公約若しくは法律違反ではないのか。それに法人税を納めているような黒字企業を助けるのではなく、赤字企業を救済してこそ、雇用や給与の上昇につながるのではないのだろうか。

 またよく国際比較される「法人税実効税率」の計算は、表面税率だけをもとにして計算されているため、日本独自の租税特別措置法による恩典(この中で最大のものが何度も述べている開発研究費の税額控除制度である)が一切反映されていない。これらを反映させた「実際税率」ならば日本は先進国の中で決して高くないはずである。
 だけどそんなこと言ったって外国人に租税特別措置法なんか分からないし、簡単に計算出来ないじゃないか。という反論があるだろう。だが何度もしつこく言うようだが、それならこの際租税特別措置法の更新をやめて、それで上がる税収相当額を表面税率を下げることに使いなさいと言いたい。なぜそんな簡単なことを何十年も先送りにしているのか、歴代の政府関係者たちの思い切りの悪さに呆れるばかりである。

 これらの問題点については別稿でも何度か取り上げているので、もううんざりだと思う人もいるかもしれないし、私自身もうんざりしている。確かに法人に関わる税金問題はとっつきにくい存在である。だがマスコミたちは、企業における消費税や法人税などの影響を報道するとき、余りにも安易に報道していないだろうか。
 ことにTV報道が与える影響力は強烈である。間違っているとまでは言わないが、少なくとも誤解を生むような安易な表現や記述だけは避けてもらいたい。出来れば池上彰さんにでも頼んで、誰にでも分かるような税金セミナー番組を創ってみたらどうであろうか。

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