経理・経理・経理マンの巣窟

大・中・小あらゆる企業で経理実務経験約40年の蔵研人が、本音で語る新感覚の読み物風の経理ノウハウブログです

経理マンとストレス

2016-12-19 11:04:19 | たそがれ経理マン編

 私は頭脳明晰でも人格者でもないが、少なくとも責任感だけは人並み以上に持っていると思う。だから自分が関与する仕事は誰にも迷惑をかけず、きちっと品質と納期を守っていたつもりである。
 ただ人や組織を上手にコントロールすることは不得手であり、サラリーマンとしては不適格だったかもしれない。それは和菓子屋の家に生まれ、子供の時から会社員というものを全く理解していなかったことに起因しているのだろう。
 だから組織人として生きることにかなりの苦痛を感じていた。それにもかかわらず40年以上もサラリーマンを続けていたのだから、かなりのストレスが蓄積していたに違いない。

 また上場企業の経理マンという道を選択してしまったことも、さらにストレスを増幅させてしまった一因かもしれない。同じ経理マンであっても、法律にも人間関係にも余り拘束されず、マイペースで仕事のできる零細企業の一人経理を続けていれば、ほとんど激しいストレスには侵されなかっただろう。
 だが零細企業の場合は、常に資金的な余裕がなく、いつ倒産するか分からないという不安がつきまとう。また会社の利益が少ないため、若い時はともかくとして、年を重ねても余り昇給してゆかないといった問題も抱えている。
 結局そんなこともあり、家族を養うために安定感と生涯賃金の大きな上場会社に転職したのである。そのお蔭でなんとか自分の家を持ち、人並みな水準の生活を送ることが出来たことになる。そのこと自体には感謝せざるを得ない。

 ただその間にさまざまなストレスを浴び続けてきた。そのピークが40~50歳の経理課長時代だろう。またそのころは、ちょうどバブル崩壊、海外への工場移転、会計の国際化などが一度に押し寄せ、仕事や会社に対する不満が膨張し続けていた時代であった。
 今から考えると、この頃に受けた身体的、精神的かつ物理的なストレスが、かなり私の細胞の中にまで浸透してしまったのかもしれない。それから十数年後、とっくに定年を過ぎ、もうほとんどストレスの少ない世界で暮らしていたのだが、なんと最近のガン健診で胃がんが見つかってしまったのだ。きっとこれは経理マン時代に無理を重ねたツケが回ってきたのであろう。さあこれからどうなるのか、今は全く見当もつかない。

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決算短信の謎

2016-12-10 18:25:54 | 崩壊する上場企業の経理

  そもそも『決算短信』とは、証券取引所に株式を上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールにより決算発表時に提出する、共通形式の決算速報のことをいう。従って決算公告や有価証券報告書のように法律で定められた開示ではなく、証券取引所の自主規制に基づく開示なのである。

  またその提出時期は、決算期末後45日以内に開示されることが適当だが、30日以内の開示がより望ましいとされている。そのため、企業が最も早く決算情報を開示する資料となり、投資者・マスコミ・金融機関からの注目度が非常に高いのだ。
 そんなことから、部長以上の直接経理実務に携わっていない偉い人たちは、この決算短信の提出をもって決算作業は終わったと思い込んでしまうから困ったものである。実務的にはまだまだ、有価証券報告書、会社法に基づく財務諸表、税務申告書の作成など、ボリュームのある決算書類の作成がずらーと控えているのだ。

  まあそれはそれとして、いつの間にかこの決算短信自体も、30頁前後というかなりの肥満児に育ってしまった。30年以上も昔、私が直接作成していた頃の決算短信は、決算情報をサマリーした表紙部分のみを決算短信と呼び、付属資料として営業状況・貸借対照表・損益計算書・利益処分案などを添付していたに過ぎない。従って総枚数も5枚程度で、自信のある超大企業などは、「藁半紙にガリ版刷りで作成した、メモのような財務諸表」を添付していたものである。

  それがいつの間にか、連結財務諸表が中心となり、セグメント情報なども加えて、約6倍のボリュームに膨れ上がってしまい、体裁もりっぱなものになってしまったのである。さらに四半期決算制度の確立とともに、年4回に亘って作成・提出しなくてはならないのだ。
 まあ会計ソフトなどの発達・充実により、決算短信を作成するためのデーター類が、自動的に有価証券報告書などに援用できるようになったこともあり、経理マンにとっても決算実務の中核的な存在になってしまったようである。

  さらに決算短信は企業のHPにも掲載するため、もうかつての片手間的な作成もできないし、ミスも許されない。それにしても、偉くなってしまった『決算短信』様々だね。だから逆に言えば、もう『有価証券報告書』なんて必要ないのでは、と言いたくなってしまうのである。

 

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高齢者の自動車事故

2016-12-01 20:33:38 | ひとりごと

 交通事故死の総数は年々減少しているのだが、逆に高齢者の起こす事故が増え続けている。それも通常では考えられないような悲惨な事故が多いと言う。
 具体的には高速道路での逆走とか、駐車場での暴走や小学生の通学集団に突っ込んだりと、まるで覚せい剤中毒患者のような大胆で無謀な運転をしているのである。またその原因の大半は「老化による能力の低下」であり、手足の反応の遅れやボケなどによるものだと言われている。

 従って現在では、70歳以上のドライバーに対しては、免許更新の際に「高齢者講習」を受けることが義務付けられている。また自分の運転技術に不安のある高齢者は、自主的に免許返納できる制度も設けられている。
 だが高齢による免許返還義務はないため、運転技術を過信している高齢ドライバーが残ってしまい、場合によっては事故で免許を没収されていても構わずに運転している不埒な高齢者も少なくないと言う。

 困ったものだと声を荒げたいが、これは決して他人ごとではない。誰でもいつかは必ず高齢者となり、同じことを繰り返すかもしれないのだ。ではどうすればこの高齢者による忌まわしい自動車事故を減らすことが出来るのだろうか。
 そのためには、国と行政、自動車製造会社、保険会社などが協力し合って「高齢者事故対策プロジェクト」のようなものを立ち上げて、税金・罰則・保険料・車の構造などの仕組みを抜本改正する必要があるだろう。

 まず自動車製造会社は、30キロ以下のスピードしか出ない市民カーや、自動ブレーキ・急発防止装置などの完全完成を急いで欲しい。そして行政や保険会社は、これらを搭載している車の税金や保険料を軽減する仕組みを構築しなくてはならない。また70歳以上の高齢者については、これらの装置を搭載している車や、30キロ以上のスピードが出ない車にしか乗れないような法令の整備も必要だろう。
 このような措置を講ずることにより、高齢者の自動車事故は激減するはずである。さらにはこれにより新たな産業やシステムが生まれることになり、かなりの経済効果も期待できることになるであろう。

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